国内製造業 脱中国で国内回帰が鮮明 TDK、中国生産の3割を国内に切り替えへ 中国生産を続けてきた日本企業が国内生産に切り替える動きが広がってきた。電子部品大手のTDKが、中国で生産する部品の3割を段階的に国内に移管する方向で検討に入ったほか、パナソニックも縦型洗濯機や電子レンジを国内生産に順次切り替える。円安の加速や人件費の高騰で、中国生産のメリットは低下しており、地方創生を掲げる政府にとっても、企業の国内回帰は追い風となりそうだ。(黄金崎元) TDKは、中国で25の主要生産拠点を持ち、売上高全体の4~5割程度が中国生産とみられる。このうち、スマートフォンや自動車向け電子部品の生産を順次国内生産に切り替える。同社によると、中国の工場での従業員の定着率が落ちているほか、人件費も高騰している。こうしたリスクを軽減するため、秋田県や山梨県にある既存工場の遊休施設を活用する方向で検討している。
パナソニックも、中国で生産し日本で販売する家電を国内生産に順次切り替える。縦型洗濯機を静岡県袋井市の工場、電子レンジを神戸市の工場に生産移管する。すでに家庭用エアコンなどは滋賀県草津市の工場への移管を一部で始めている。同社は中国を含め海外で生産する家電約40機種を国内に切り替える方針だが、その背景には円安の影響がある。現在の為替相場は1ドル=120円前後の水準だが、海外で生産した製品を輸入すると採算がとれず、業績面での減益が避けられないという
三菱航空機が「MRJ」エンジンの試験運転成功 今春の初飛行控え大詰め
三菱航空機(愛知県豊山町)は13日、開発中の小型ジェット旅客機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)の飛行試験用機体に取り付けたエンジンの運転を初めて行ったと発表した。
MRJは試験機の初飛行を2015年春に控えており、試験は愛知県営名古屋空港(豊山町)で片側エンジンを使って実施。エンジンなど動力システムに加え、燃料や空調、電気設備の各システムも正常に作動した。
三菱航空機は「エンジン試験成功は大きな前進。機能確認や技術試験を着実に行いたい」としている。