自衛隊派遣の「恒久法」 周辺事態法改正で対応 政府与党が検討
政府・与党は、26日召集の次期通常国会に提出する新たな安全保障法制で、自衛隊の海外派遣を随時可能にするため、現行の周辺事態法を改正し、法律の名称も変更する方向で検討に入ったことが22日、分かった。後方支援の対象を米軍以外の他国軍にも広げるほか、派遣地域を地理的に制限しない内容を盛り込む見通しだ。複数の政府・与党関係者が明らかにした。
政府・自民党は自衛隊を迅速に海外派遣する方策として、新法による「恒久法(一般法)」を模索してきた。だが、通常国会には複数の安保関連法案を提出するため、審議日程を考慮し、周辺事態法改正による対応で調整している。政府・自民党の一部には新法による恒久法制定を求める向きもあることから詰めの作業を行ったうえで、平成26年度補正予算案が成立する2月中旬以降、自民、公明両党が法案の協議に入る。
周辺事態法改正案では、新たな安保法制の整備に向けた昨年7月の閣議決定に基づき、非戦闘地域でなくても「現に戦闘行為を行っている現場」でなければ、自衛隊による他国軍支援を可能とする。公明党の主張に配慮し、自衛隊の海外派遣には原則として国会承認を必要とするが、派遣後の事後承認も認める。武器弾薬の提供や、発進準備中の航空機への給油や支援活動もできるようにする。
実際、自衛隊によるインド洋での給油活動は、平成13年にテロ対策特別措置法を制定して対応した。事態ごとに特措法を制定するのでは時間がかかる上、時限法のため期限が切れれば、自衛隊は活動の法的根拠を失う懸念があった。