衆院小選挙区の「10増10減」に伴う選挙区調整で、自民党は、新設の東京28区(練馬区東部)への擁立を目指す公明党の要求を受け入れない方針だ。週明けにも岸田文雄首相(党総裁)と茂木敏充幹事長らが協議した上で、公明に伝える。公明も一歩も引かない構えで決着は見通せない。 公明は、28区での擁立方針を自民に示し、拒否した場合は東京の小選挙区(全30選挙区)で自民を推薦しないと既に通告した。公明内には衆院比例代表東京ブロックの河西宏一衆院議員を候補とする案があり、月内の決定を目指す。 自民の地元組織は不満を募らせており、「これ以上譲る選択肢はない」(幹部)との強硬論も出ている。東京28区では既に都連が候補者を内定している。 時事通信
4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会合に臨むバイデン米大統領、アルバニージー豪首相、岸田文雄首相、モディ印首相(左から)=20日午後8時53分、広島市南区(彦野公太朗撮影)
日本、米国、オーストラリア、インドは20日、4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会合を広島市で開き、海洋進出を強める中国を念頭に、自由で開かれたインド太平洋構想を推進することで一致した。会合後に発表したインド太平洋地域の協力に関する共同声明では、「脅迫と威圧のない、主権を尊重した平和で安全な地域を目指す」と明記した。 岸田文雄首相、バイデン米大統領、アルバニージー豪首相、モディ印首相が出席。インド太平洋地域でのインフラ整備などの経済協力、気候変動対策での連携も確認した。 日米などG7陣営と中露陣営の対立が深まる中、インドは「全方位外交」の方針を維持し、ロシアとは経済、軍事両面で関係が深い。対露制裁でもG7に同調していない。日米はクアッドを通じてインドとの関係を強化し、対露制裁の「抜け穴」をふさぎたい考えだ。
産経新聞
G7広島サミットの会場で記念写真に納まる(左から)EUのミシェル大統領、イタリアのメローニ首相、カナダのトルドー首相、フランスのマクロン大統領、岸田首相、バイデン米大統領、ドイツのショルツ首相、英国のスナク首相、EUのフォンデアライエン欧州委員長=20日、広島市
先進7カ国(G7)首脳が20日に発表した首脳声明は、中国の威圧的行動を批判する一方で、中国と協調する重要性も繰り返し言及した。「中国」の名指しは12カ所だった昨年のドイツ・エルマウサミット並みの多さだった。ロシアがウクライナ侵略を続ける中、ロシアと歩調を合わせる中国に対するG7の危機感の強さが反映された。 「私たちは力や威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みに強く反対する」 首脳声明はこう明記した。近年のサミットは中国を重要テーマに位置付けている。2021年は中国を3回名指しし、新疆(しんきょう)ウイグル自治区や香港での人権侵害に触れた。 飛躍的に増えたのは昨年だ。中国の南シナ海における拡張的な海洋権益の主張は「法的根拠がない」などと踏み込んだ。ウクライナ侵略を黙認し、ロシアと合同軍事演習を行う中国に対する欧州首脳の危機感が高まった結果といえる。 今年の首脳声明は「一つの中国政策を含む台湾に関するG7メンバーの基本的な立場は変わらない」と書き込み、結束を演出したのも特徴といえる。4月に訪中したフランスのマクロン大統領が、台湾有事に関し米国に追従すべきではないとの認識を示し、G7の結束が国際社会から疑われたからだ。 結束の緩みは中国の軍事的威圧を助長しかねない。 その一方、「中国に懸念を直接伝え、建設的かつ安定的な関係を構築する用意がある」「国際的な課題で中国と協力する必要がある」として、関係を重視する立場も強調した。 G7が中露との対立を打ち出しすぎると、両陣営の中間に位置する新興国・途上国が引く懸念がある。首脳声明は、G7が掲げる「法の支配に基づく国際秩序」の維持・強化を進めるための振る舞いの難しさもにじませた。 (田中一世) 産経新聞
伊ANSA通信は20日、イタリア北部で発生した洪水対応のため、メローニ首相がG7サミットの日程を切り上げて帰国すると報じた。
韓国の最大野党「共に民主党」の田溶冀(チョンヨンギ)国会議員らが5月2日、竹島(島根県隠岐の島町)に上陸した。日韓の関係修復のため、岸田文雄首相が訪韓する7日を目前にしてのことであった。 田氏らの竹島上陸は当初、4月28日を予定していた。それが気象状況の悪化で延期したのだという。予定前日の27日、田氏は同行する同党の「全国青年・大学生委員会」メンバーらとの記念撮影を韓国の国会議事堂前の階段で済ませていた。 整列する田氏らの前には「尹錫悦(ユンソンニョル)政権、韓半島危機助長糾弾及(およ)び韓半島民主平和守護出征式」と書かれた横断幕が広げられ、最後列では、会員たちが「独島(トクト)(竹島の韓国側呼称)は我(わ)が領土」と分かち書きしたプラカードを掲げていた。記念写真の中央には、党代表の李在明(イジェミョン)氏と思(おぼ)しき人物の姿も見えている。 産経新聞