アルミホイールのバレル研磨日記

アルミホイールの研磨状況などの紹介

ウエットバフについて(バイクカバー編)

2016-08-24 11:28:00 | ホイール研磨
 ウエットバフまたは湿式バフはたまに耳にする用語ですが内容はご存知でしょうか?
バフ(羽布)研磨はいろいろな生地を重ねて作られた円盤を回転させ、そこに研磨剤を塗布して製品を押し付けて研磨します。もちろん水や油は使いませんから乾式状態です。
 ところが乾式研磨にも限界がありましてどんなに細かい超仕上げの研磨剤や細い繊維のバフを使用しても、バフ研磨は繊維の先端部分で押し当て磨いていますから必ず研磨方向の繊維傷が走ります。皆さんも経験あると思いますが鏡面バフされた物を斜めから覗くと白っぽく見えます。バフの走り傷になります。

 この走り傷を除去すればどこから見ても鏡面のすっきりした表面に仕上げようと開発されたのがウエットバフまたは湿式バフ研磨です。やり方はいたって簡単で専用の研磨剤をスポンジバフに塗布し研磨します。スポンジは目の大きさで荒、中、仕上げとランクがあります。この研磨はただ長くやればいいってものではなく。適度な時間が決まっています。

バイクのケースカバーの場合


通常のバフ研磨後・・・普通に奇麗です。


専用研磨剤をスポンジに塗布


研磨開始、研磨後は洗浄乾燥の工程


ウエットバフ後の状態・・・バフ曇りが取れすっきりクリヤーな上がりになりました。


バレル研磨品の場合は明日のブログにて。。


ボルクレーシングの3Dポリッシュ・・・その3

2016-08-05 14:35:29 | ホイール研磨
ではいよいよバフ研磨~仕上げ光沢バレル研磨~湿式バフ研磨~洗浄 ~検査の工程を説明します。
バフは5軸可動の自動バフ研磨機にてバフ研磨を行い、その後ハンドバフにて細かいところを補いバフ工程終了。次にバフ油を取り去るため洗浄してクリーンな状態にします。
 きれいに洗浄されたホイールは光沢バレル研磨機でバフ光沢からバレル光沢に変えていきます。バフ光沢は非常に光沢感もありよろしいのですが、研磨の始まりと終わり付近や見る角度によって光沢感が無かったりと品質が不安定で、4本とも仕上がり感をそろえようとしてもなかなか合いません。その点バレル研磨はバフ研磨のバラツキをそろえ一発で均一な仕上がりに持っていけます。ですから当社ではバフ研磨後のバレル研磨がスタンダードです。逆にバフ研磨のみはやりません(安定性が悪く利に合わない)


バフを組み立てます。ホイールのフェース面やスポークの側面にバフ板を当てるため大小さまざまなバフ板を組み合わせます。(これも熟練技)



バフ研磨機にセット



バフ板の山・・・ごみのようですが実は宝の山なんです!!
これが無いと微妙な組立ができないんです。



研磨剤を塗り



自動バフ研磨開始



ハンドバフ中



バフ研磨後に洗浄しクリーンな状態で仕上げ光沢バレル研磨



洗浄



仕上がりました。



細かいところもよく光っています。

ボルクレーシングの3Dポリッシュ・・・その2

2016-08-04 17:23:09 | ホイール研磨
その2ではサンディングの続きから乾式バレルまでの工程を説明します。
サンディングはいろいろな工具を使って、#240~場所により#600までの仕上げをします。場所によってはとは??
バレル研磨で研磨されにくい場所はあらかじめ細かい番手で仕上げておくと、バレル後には全面一様の仕上がりになります。このサンディング工程が下手だとボコボコになるし、時間が膨大にかかります。
いくら後工程が機械化されていてもこのサンディング工程は絶対に必要で熟練の要する工程です。


細かいところはこんな細いツールで。



こんな道具や



こんな道具でやっています。



奇麗にサンディングされています。



荒バレル研磨



荒バレル研磨後の状態



乾式バレル研磨



乾式バレル研磨後の状態
ここまでくるとバフやっても簡単にピカピカになります。ではどのようにバフするかは”その3”にてのお楽しみに。。

ボルクレーシングの3Dポリッシュ・・・その1

2016-08-03 10:20:24 | ホイール研磨
今日から3Dポリッシュの作業工程を順をを追って説明しますね。
対象品はボルクレーシング鍛造1ピース品です。当然ですが鍛造品ですので磨けば鋳物品とは桁違いの光沢感で仕上がります。これは大きくは金属組織の違いによります。
このモデルの作業上のいやらしい点は

1、リムフランジ部の浮き文字(削らないよう気遣いしないといけない)
2、ボルトホール周りが多少複雑形状している
3、オーナメントキャップのため中心まで研磨対象になる(複雑である)

といった感じですが工程は以下のようになります。

サンディング(#240~#600)→荒バレル研磨→乾式バレル研磨→乾式バフ→仕上げ光沢バレル研磨→湿式鏡面バフ研磨→洗浄と検査


作業前のホイール


複雑形状部


作業開始(サンディング)


作業中(サンディング)


浮き文字の処理