たわいもない話

かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂

不動明王

2008年12月08日 18時36分15秒 | 雲雀のさえずり
チンピラを かつぎし神輿 責を負ひ 肩はズキズキ 足はガクガク

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砂電車の冒険 (10)

2008年12月08日 17時51分44秒 | 砂電車の冒険
砂 電 車 の 冒 険  ( 1-10)

波打ち際に着いた海人君は、潮の香りを胸いっぱい吸いこみ大きな深呼吸をすると、後ろを振りかえり叫びました。
「パパ、渚、奈美、はやく、はやく!」
「お~い、海人~波が高いから、まだ海に入ってはだめだぞ~」
陽朗さんは渚君を両手で抱え大急ぎで走ってきました。
「海人、ママが来るまで海に入るのは待ちなさい!」
“ハァ、ハァ”息をはずませながらようやく砂千子さん着きました。
「みんな早いのね~」
砂千子さんは陽朗さんの肩に両手を置くと、倒れこむようにうつむいてしまいました。
「僕、チロを海で泳がせてみる!」
海人君はチロを波打ち際に連れて行き、海に入れようとしますが前足でふんばり梃でも動こうとしません。
「チロは海が苦手のようだな~」
海人君があきらめてリールをはなすと、チロは砂千子さんの方へ駈け出して行きました。
「ママ、チロを捕まえて!」
砂千子さんがチロのリールを掴むのを見とどけた海人君は、浜辺を水しぶきを上げながら走りだしました。
「あ!こんなところに砂時計が打ち上げられている」
海人君は手の平くらいの小さな砂時計を拾い上げました。
奈美ちゃんは打ち寄せる波の動きに合わせ、行ったり来たり走り回っています。
「奈美、さむくない、大丈夫?」
砂千子さんが心配そうに声をかけています。
陽朗さんはズボンを膝までまくりあげ、渚君の足を海につけて“チャプ、チャプ”遊ばせています。
「ママ、砂時計が砂浜に打ち上げられていたよ!」
海人君は膝までまくりあげたズボンを砂まみれにしながら、砂時計を大切そうに握りしめ帰ってきました。
「パパ~。砂遊びしようよ~」
陽朗さんは渚君を抱えながら砂浜に上がってきます。
「海人、何がつくりたいの?」
「僕、砂の電車がつくりたい!」
海人君は家で作っている、新幹線のペーパークラフトを思い浮かべています。
「難しそうだな~」
陽朗さんは少し困ったように砂千子さんの顔を見ました。
「ママ、砂遊びの道具を持ってくるから子供たちをお願い!」
陽朗さんは渚君を砂千子さんのそばにおくと、パラソルの高台へと駆け出して行きました。
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