砂 電 車 の 冒 険 ( 1-11)
「お~い、遊び道具を持ってきたよ!」
陽朗さんは両手にスコップ、バケツ、クマデなどを抱えて帰ってくると、砂浜に金杭を打ち込みました。
ママ、チロをこの杭につないで!」
砂千子さんはチロのリールを金杭にむすびました。
「海人、電車づくりを始めようか?」
陽朗さんはスコップを握ると、渚君の背丈くらいの細長い砂山をつくりました。
「パパ、奈美も手伝う!」
海人君と奈美ちゃんは陽朗さんがつくった砂山を少しずつ削り、電車の形に整えていきますが、さらさらに乾いた砂はすぐに崩れてしまいます。
「パパ、どうして崩れるの?」
奈美ちゃんは陽朗さんの顔を見上げました。
「パパ、スコップ貸して!」
海人君は崩れた砂を集め何度もつくり直しますが、すぐに崩れ電車の形にはなりません。この様子を陽朗さんは腕組みしながら“じーと”ながめています。
「海人、電車つくるのを待って!」
陽朗さんは砂浜に置いていたバケツを持つと、波打ち際に向い海水を汲んできました。
「海人、砂山をつくり直すからどいて!」
海人君からスコップを受け取った陽朗さんは、前より少し大きな砂山をつくりました。
「海人、奈美、砂に水をかけるよ!」
乾いた砂山にかけた海水は、鯨が大きな口をあけて水を飲みこむように“あ!”という間に砂に呑み込まれていきました。
砂浜には陽朗さんの大きな足跡が無数に残り、白かった砂山はしだいに薄茶色へと変わっていきます。
「海人、砂がだいぶ硬くなってきたぞ!」
陽朗さんはスコップで砂を“ドンドン”たたきながら固めました。
「海人、奈美、もう大丈夫、電車を作ってごらん」
二人は薄茶色に固まった砂山を、少しずつ削り落し電車の形に整えていきます。
「ママ、砂が乾くから海水を汲んできて!」
心配そうにながめていた砂千子さんは“ニッコリ”笑みを浮かべ
「パパ、渚、お願い!」
スラックスを膝までまくり上げ素足になった砂千子さんは、バケツを持つと波打ち際に向かって走りだしていきました。
「お~い、遊び道具を持ってきたよ!」
陽朗さんは両手にスコップ、バケツ、クマデなどを抱えて帰ってくると、砂浜に金杭を打ち込みました。
ママ、チロをこの杭につないで!」
砂千子さんはチロのリールを金杭にむすびました。
「海人、電車づくりを始めようか?」
陽朗さんはスコップを握ると、渚君の背丈くらいの細長い砂山をつくりました。
「パパ、奈美も手伝う!」
海人君と奈美ちゃんは陽朗さんがつくった砂山を少しずつ削り、電車の形に整えていきますが、さらさらに乾いた砂はすぐに崩れてしまいます。
「パパ、どうして崩れるの?」
奈美ちゃんは陽朗さんの顔を見上げました。
「パパ、スコップ貸して!」
海人君は崩れた砂を集め何度もつくり直しますが、すぐに崩れ電車の形にはなりません。この様子を陽朗さんは腕組みしながら“じーと”ながめています。
「海人、電車つくるのを待って!」
陽朗さんは砂浜に置いていたバケツを持つと、波打ち際に向い海水を汲んできました。
「海人、砂山をつくり直すからどいて!」
海人君からスコップを受け取った陽朗さんは、前より少し大きな砂山をつくりました。
「海人、奈美、砂に水をかけるよ!」
乾いた砂山にかけた海水は、鯨が大きな口をあけて水を飲みこむように“あ!”という間に砂に呑み込まれていきました。
砂浜には陽朗さんの大きな足跡が無数に残り、白かった砂山はしだいに薄茶色へと変わっていきます。
「海人、砂がだいぶ硬くなってきたぞ!」
陽朗さんはスコップで砂を“ドンドン”たたきながら固めました。
「海人、奈美、もう大丈夫、電車を作ってごらん」
二人は薄茶色に固まった砂山を、少しずつ削り落し電車の形に整えていきます。
「ママ、砂が乾くから海水を汲んできて!」
心配そうにながめていた砂千子さんは“ニッコリ”笑みを浮かべ
「パパ、渚、お願い!」
スラックスを膝までまくり上げ素足になった砂千子さんは、バケツを持つと波打ち際に向かって走りだしていきました。