G.G.の徒然山遊録

岐阜各務原市周辺の低山の山行記録、折々の雑感、書評などの雑文を記し、山に関する情報を提供します。

鍋倉山(1,050m)~谷山集落の廃村跡を巡る東海自然歩道~

2013-12-10 | 山行

2013年12月08日(日)、晴、暖
参加者: G.G.、他 4人
歩行距離:  約 20km
行動時間: 6:45(休憩、昼食を含む)
アクセス: 各務原6:30→7:20駐車場
コースタイム:
駐車場 7:30→8:30谷山(廃村)→9:30尾根取り付き→10:50 鍋倉山11:00→
11:10避難小屋、昼食11:50→14:15駐車場
コース:実際に歩いた往路のGPSトラック(登り:赤、下り:青、比較的平坦:紫)を下に示す。

山行記事:
■春日もりもり村の対面の高橋渓谷を300m位遡った路肩に駐車する。ここから先は道路が狭く、退避場も無いようである。車が一台やっと通れる深い谷沿いの狭い林道を歩き始める。本日のコースは東海自然歩道で初めから最後まで立派な標識が完備している。

■一時間程で、谷山廃村に差掛かる。普通、廃村と言うと哀愁が漂っているが、この廃村の雰囲気はとても明るい。数軒ある家屋は無人であるが廃屋ではなく手入れがされているようである。

■路傍に「谷山集落の歴史」を刻んだ立派な石版が建立されていて、1190年に入村が始まり、1300年には戸数が70あったことなどが記されていた。別の資料によれば、昭和35年には谷川分校が開設されたものの、全国的な過疎化の波に洗われ、昭和42年には廃村が決定したそうである。
谷川を挟んで墓地があり、10基位の墓石が並び、中には花も手向けてあったことからも分るように廃村ではあるが元の住民が折りにふれ訪れているようである。
■渓谷を少し遡ると、往時の畑の石垣であろうか、多数、崩落もせず殆ど無傷で残っているのが散見され、人の営みの痕跡を今に留めていた。

■今まで道は日が差さない渓谷沿いで陰気であったが、やがて尾根に上がると明るい晩秋の景色に一変する。道には落ち葉が絨毯のように降り積もっていて、足に優しく、正に快適なプロムナードである。

それでも、標高、900m位になると、所々に雪が薄っすらと残っており、間もなく雪に覆われる日も近いのを予感させた。
■標高1,050mになると地形はフラットになり避難小屋の前に出る。ここから三等三角点のある山頂までは2回のアップダウンがあり、1km位先(約10分)である。山頂は雑木に囲まれ木の間越しに北方に真っ白に冠雪した能郷白山が、西方には貝月山の巨体が横たわっていた。記念撮影を済ませ避難小屋に戻る。

■気温は6℃位もあり、空は青く、無風の小春日和で、避難小屋前の広場のベンチでストーブを点けラーメンを温め、何時もは30分のところを40分も掛け、ゆっくりと食事を楽しむ。
避難小屋は平成19年建設にされたもので外観は北アの「雲の平山荘」風の洒落た作りで、中は広々していて、トイレも隔離され居心地は良さそうである。

■食事を済ませ下山に掛かる。避難小屋から少し下った所が能郷白山のビューポイントで、暫し、佇んで眺望を楽しむ。

一方、近くの小津権現山や花房山、貝月山などには全く雪がないのは意外であった。
先週、登った余呉の七七頭ヶ岳は標高700m弱でも山頂は10cm以上の積雪があったのとは対象的である。
■途中、谷山集落跡で小休止する。谷山集落の氏神様であった白髭神社と記された石碑があったので、神社は何処かと探せば、傍らに狭くて、恐ろしく急な石段が20m位続いており、下から遥拝し、今日の安全登山のお礼を述べる。
後は、ひたすら林道を下り、無事、駐車場に戻り、本年最後の登山もフィナーレを迎えた。
所 感:
■谷山廃村跡以外に見るべきものはなかったが、晩秋の雰囲気が濃厚に漂う山行であり、これはこれで、東海自然歩道らしい、味のある楽しい山行であった。
■登山道は標識も道も比較的良好にメンテされていて、往復20kmの長丁場ではあるが殆どが緩傾斜であるので、初心者でも安全に歩けるコースである。