G.G.の徒然山遊録

岐阜各務原市周辺の低山の山行記録、折々の雑感、書評などの雑文を記し、山に関する情報を提供します。

虎御前山(224m)、小谷山(495m)の周回 ~曇天が似合う悲運の小谷山城跡巡り~

2015-12-16 | 山行

2月13日(日)、曇、暖かい(15℃位か)
参加者:G.G.他11名、歩行距離:約13km、所要時間:約5:35
歩行コース:GPSの軌跡:
矢合神社P→虎御前山→虎御前山下山口→小谷山登山口→大嶽山→小谷山下山口→矢合神社P

 標高図:GPSの軌跡
下図から小谷山(大嶽山)の最後の登りがキツイがそれ以外は、各砦の解説を読みながらのまったりした里山歩きである。 


 (クリックで拡大)

山行リポート:
虎御前山と小谷山 に分けてリポートする。
1.虎御前山:
虎御前山南端の矢合神社前のトイレ完備の駐車場に車を止める。直ぐに地元のボランティアの方が「虎御前山砦」の手作りプリント(5P)を全員に配布してくれる。虎御前山に布陣した信長、秀吉、など各大将の砦の配置、構造なども記されている。虎御前山を売り込もとする熱意が涙ぐましい。この場を借りてお礼を申し上げます。
 
鳥居を潜ると矢合神社のこじんまりした社殿があり、手を合わせて、今日の安全を祈る。
 
虎御前山は南北に連なる丘でその尾根はハイキングコースに指定され、林間に古墳や小谷山攻略時の織田方の砦が配置されている。
 
南端の蜂屋頼隆の砦から始まり信長、秀吉、北端の柴田勝家の砦などがコース沿いに一列に並んでいる。各砦の跡地には立派な石碑が建立されている。

 
信長砦跡に虎御前山、標高229mと記されたプレートが掛かっていたので、記念撮影をする。今回の山行はタンネ山行では珍しく女性メンバーが多く写真も華やいでいる。

この地点よりも先にある秀吉の砦の地点の方が高く見えたが、標高224mと記されていたので229m標高が間違っていることになろうか。
最後の砦を下山口に向かう途中で、これから行く全山要害の小谷山が指呼の間に望めた。
奥の凹凸のあるのが東尾根で浅井の砦群、手前のなだらかな尾根が西尾根で朝倉の砦群が構築されている。

 
虎御前山を降り、北陸自動車道の下を潜り抜け、R8号線に沿って、小谷山の登山口方向へ向かう。

2.小谷山:
小谷山登山口で一息入れ、登山口脇の大手道から東尾根を登り始める。東尾根の砦は出丸~山王丸が浅井軍の砦で、西尾根の大嶽~山崎丸が浅井の援軍の朝倉軍の砦である。

 
幾つもの堀切、竪堀、土塁、石垣などで防御された砦を見学しながら高度を上げてゆく。
赤尾屋敷跡には浅井長政自刃の地と記された石碑と看板がある。この地で可愛い妻子を残し27才の若さで、自刃に追いやられた長政の心中は如何ばかりであったろうか。
  桜馬場跡には大きな記念碑と小谷城攻防時の戦死者を供養する「浅井氏及家臣供養塔」が建立されていたので、思わず手を合わせる死者の冥福を祈る。

 
供養塔を少し行った道端に紅葉した一本のもみじがありその真紅が目に染みた。戦死者への手向けのように思えたのは感傷であろうか。

 
山王丸から一旦30m位下り、清水谷への鞍部を過ぎると急登の階段道が標高差で130m位続く。今日一番の胸突き八丁である。
山頂はこの山塊の最高峰(495m)で、嘗て援軍の朝倉軍の城郭があった大嶽(オオヅク)城址である。
   日曜日で、陽だまりハイクにはぴったりのコースと思ったがハイカーがひとりもいないのは意外であった。因みに、御茶屋砦で昼食中に下山してきた羽島の88会の20人余が出会った唯一のハイカーであった。眼下に琵琶湖を眺めたりし、一息入れ記念写真を撮り山頂を後にする。

途中で北方が開けた地点であり、午前中に歩いてきた虎御前山が展望できた。
北方から眺めたので小さく丸く見える実際は南北に3km位ある細長い丘と言った方が相応しい。

落ち葉の積もった、足に優しい道を40分程ひたすら下る。途中、朝倉軍の砦があった福寿丸跡、山崎丸跡を暫し眺め、神社脇の下山口に降り立つ。
後は虎御前山の東側の麓の田園の中を、適当な道を、ゆっくりと世間話をしながら歩き、無事に矢合神社の駐車場に帰着した。
追記:
朝、各務原の駐車場に集合した時、メンバーのひとりが自宅の畑で採れた長さが50cm位の珍しいかぼちゃ(宿儺かぼちゃ?)をメンバーにプレゼントしてくれた。スープ、バーベキュウなどにすると旨いそうです。有り難うございました。

雑感:
(1) 小谷山には曇天が似合う:
約440年前に、浅井長政がこの地で信長に敗れ、お市の方と3人の姫を残し、27才の若さで自刃し、浅井三代が滅亡した悲運を思うと、今日のような曇天の日の雰囲気が小谷山散策には相応しいように思うのは筆者の感傷か。
(2) 小谷山ハイクは虎御前山ハイクとのペアリングが良い:
織田方が陣を敷いた虎御前山と浅井軍が堅固な要塞を構築して信長軍を苦しめた小谷山の両方を歩いてみると小谷山攻防の様子がより身近に感じられる。両山を同時に周回されるのをお勧めする。
(3)よく保存された城塞の様子:
小谷山の各砦は保存状況がとても良く、往時の城郭の構造などがよく理解でき、歴史好きには大変に魅力的な山行である。
(4)見どころ一杯:
今回は駆け足で一通り諸砦を見学してきたが、再訪して、じっくり眺めれば、新たな発見があろう。季節を変えて、特に桜の咲く頃に再訪したいものである。