4月16日(土)、暖か(15℃位)、尾根上では7~8mの風速
参加者:G.G.他6名
歩行距離:約13 km 、所要時間:約7:00(昼食:0:30、休憩を含む)
GPSトラック:
榑ヶ畑P→汗拭き峠→今畑→笹峠→近江展望台→福寿草群生地、昼食→最高点→霊仙山→
経塚山→汗ふき峠→榑ヶ畑林P
GPS断面図:
本コースの中で、汗ふき峠~近江展望台の斜度が一番きつく、ザレ場で滑りやすい。
(クリックすると拡大)
山行リポート:
■榑ヶ畑の道路の両側は車が既に一杯である。念のため、一番上まで行ってみると右折した林道の路肩には
数台は駐車できるスペースがあったので駐車する。
■身支度を終え、登山口に向かって進んでゆくと、榑ヶ畑の廃村跡に入ってゆく。倒壊した家屋が
一軒のみあった。数軒の苔むした屋敷跡の石垣が物悲しい。
■うらぶれた感じの山小屋「かなや」の風情も昔のままで、懐かしい。今日は土曜日なのに店は閉じ、
ジュース類が流水に冷やされ、無人で販売されている「おおらかさ」が嬉しい。
■一度、汗ふき峠まで登り、今度は大洞谷に向かって下ってゆく。山腹の道は崩落が進み、
所々消滅しているので、滑落しないよう慎重に歩む。此処が今日一番の危険ヶ所であった。
沢沿いの道を、渡渉を繰り返しながら落合集落に向かう。
■落合集落も無住で廃村のようであるが、家々は未だしっかりしていて、荒んだ風景ではない。
未だ、桜が満開で、それが却って物寂しさを増幅している。
■今畑の登山口で沢から分かれ山道に入る。100m位登ると今畑の廃村跡に至る。こんな高所で、
斜面での集落はさぞかし不便だったろうと昔が偲ばれる。大方の家はなく僅かに土蔵だけが数か所残っていた。
周囲の荒んだ風景の中で、宗金寺と看板が掛かった寺らしくない構造の寺が桜のもとに佇んでいた。
無住であるが手入はされているようである。
■廃村を後にして樹林の中を登ってゆく。数年前の同じ時期に登った時は泥濘の道であったが今回は乾いていて歩きやすい。
所々、道の両側にニリンソウの群生があり、大方は葉のみであったが僅かながら可愛い蕾も見られた。
■笹峠で一休みする。風が吹き抜けて肌寒く、倒木の陰に入って休憩する。この後は近江展望台への今日一番の急勾配の登りが待ち構えている。急斜面のザレ場を50分ほどで320m位登る。可成りハードな登りであるが、今日は強風が吹き渡っているので発汗が少なく体力の消耗は少ない。
■近江展望台に立つと、文字通り琵琶湖を中心に広大な近江平野の景色が眼前に広がり、暫し見惚れる。琵琶湖の彼岸には比良山系が屏風のように並んでいる。将に浩然の気が養われる大観である。
春霞のせいか多少、霞んでいるのも却って趣がある。
■此処から先、風景は一変しカレンフェルトの岩石が累々とした尾根道になる。ここから10分位の所
(GPSトラック図で福寿草のフラッグあり)で尾根の左側に福寿草の群生地がある。
今期の暖冬で福寿草に会えないのではと危惧していたが、嬉しいことに未だ待っていてくれた。感激である。
前回の山行時には気付かなかったが傍らには長径が10m程の池塘もあり、絶好の福寿草鑑賞地である。
ここで花と池を愛でながらの贅沢な昼食にする。
■ここから、更にカレンフェルトの岩の上を最高点に向かって歩き続ける。画面中央に点のように見える
2人のハイカーと比較するとこの尾根、斜面のスケールの大きさが分かるだろう。
■最高点近くでは3月に登った烏帽子岳、その後ろに御池岳、藤原岳などの大展望が広がっている。
■カレンフェルトで覆われた最高点では数パーティが憩っていた。地元の安土町からのご夫婦ハイカーに記念写真のシャッターを押して貰う。
面白い人で、以前、近江展望台でUFOが見えたと言う話を聞かせてくれた。帰宅後にWeb.で調べたがそのような記事は見当たらなかった。
■次に二等三角点のある霊仙山に立つ。ここも大展望である。琵琶湖方面の大観は近江展望台で感激したので、二番煎じの感がする。
伊吹山も正面に見えるが石灰岩を採掘している傷跡が痛々しい。ここでも先ほどの人にシャッターを押して貰って記念撮影を済ます。
■次は一旦下り、登り返して経塚山の頂きを踏む。もう大展望にも食傷気味であり直ぐに下山する。
次はお虎ヶ池で一息入れる。立派な賽銭箱があったので賽銭を投じ残りの安全をお願いする。
鳥居の下に散らばっているのは鹿の骨のようである。
■次のポイントは「お猿岩」である。この岩がどうして「お猿岩」なのかその謂れは以前から気になっている。
真中の猿に対して両側の猿が寄り添ってノミ取りをしているように見えなくもないかな!
誰かに正解を教えてもらいたいものである。
■前回の山行時にはこの辺りから道は急勾配で、雪解けの泥濘がひどく靴が泥まみれなって
閉口した記憶がある。
今年はカラカラで普通に歩けたのは有り難い。見晴台の標識のある所も、大した展望もないので素通りする。
■往路では気付かなったが、汗拭き峠付近でポツリポツリと小さなハルリンドウが咲いていた。
今日の山行のフィナーレに花を添えてくれたようで気が和む。
■山小屋「かなや」まで下り、無人販売の冷えたカルピス(本当はコーラが大好きだが置いてない)を頂く。
今日は爽やかで汗を余りかかなかったので水分を余り取らなかったが、やはり水分不足だったようで、
余りの旨さに一気飲みをした。
■再び、昭和30年頃に廃村となった榑ヶ畑の廃村跡を通る。屋敷跡の苔むした立派な石垣が往時の賑わいを
彷彿させ、ノスタルジーを覚える。
雑 感:
■熊本地震の真っ最中での山行であり、多少後ろめたい感が残る。
■廃村跡巡り、近江展望台での大観、カレンフェルトで覆われた尾根、福寿草と池塘、山頂付近での
360度の大展望、山自体のスケールの大きさ、手応え(脚応え?)の十分さ等、登山の醍醐味が凝縮された
素晴らしいコースである。
■本山は「花の百名山」であるので、花のシーズンとなれば、一段と素晴らしコースとなろう。
■今回は好天で、良い季節の山行で存分に楽しめたが、悪天候でガスった時、強風時などならばコースの
難易度は一変しよう。