喜界島の東側「阿伝」(あでん)集落は喜界島でも古い珊瑚礁の石垣が数多く残るめずらしい地域である。台風の多いこの地域では珊瑚礁の石垣とガジュマルで家の周りを囲って、風の被害から家を守っている。新しい石垣はモルタルで補強しているが、古い石垣は形の違う様々な珊瑚礁を丁寧に並べて接着剤も使わずにしっかりと固定され数十年経過しても形が変わっていない。きっと腕の良い職人が造ったのだろう。場所によってはガジュマルの根が石垣をしっかりと抱えて固定されている所もあった。「明治7年の調査によれば、阿伝は村の貧富を論ずれば第一の富村とする」『喜界島風土記』。とあるから、財政的にも富んでいたからできたのであろう。
珊瑚礁の石垣に魅せられた観光客が写真を撮っていた。僕もつられてパチリ。
「ヨセフは実を結ぶ若木、泉のほとりの実を結ぶ若木。その枝は石垣を越えて伸びる。」(創世記49-22)