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大阪万博⑩今さら「月の石」「人間洗濯機」展示でもないだろ!大阪市民負担約11万円/少数派

2024年01月15日 | 経済劣化・万博カジノ
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/カジノ・ギャンブルを許すな(大阪・関西万博)
大阪万博⑩今さら「月の石」「人間洗濯機」展示でもないだろ!大阪市民負担約11万円

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■万博チケット買いたくない人79%、テーマもはっきりせず開催を中止すべき
大阪万博の人気不振から、何と1970年の大阪万博で大好評だった「月の石」と改良「人間洗濯機」を再び展示する案が浮上している。世論調査では「万博のチケット」を購入したいと思わないが79%、購入したい人が10%に留まる惨憺たる結果。目玉の「空飛ぶクルマ」も、単なるヘリコプターやドローンだろ!の悪評価から、開催ムードが一向に高まらない。「月の石」は、70年万博の前年、アポロ12号が持ち帰った900gの石、アメリカ館で1400万人が見学した。当時は人類が初めて月面着陸し、とてつもないビッグニュースだった。しかし半世紀以上経過し、民間人が宇宙に飛び出す時代になったので背景が当時と違う。「人間洗濯機」とは透明カプセルの中に水着の女性が入り、お湯を洗濯機のように流す(顔や頭は洗えない)。今回のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」なのに、こんなものにしか頼らざるを得ないこと自体が、大阪万博に意義がないことを物語る。今からでも、中止すべきだ。

■トラブル例紹介③<前号から続く>
15・大阪市民の税負担は現時点で10万7千円、でも今後もどんどん上がるだろう
大阪市民1人当たりの税負担は、万博会場の建設費(2350億円)を一定の基準で割った金額が計19000円と前号に書いた。しかしその後明らかになった事業費は、表の通り3倍以上の8594億円になる。淀川左岸堤防工事2957億円、地下鉄延伸工事など多額のインフラ予算や、日本館360億円、大阪パビリオンその他に356億円が含まれる。うち民間負担は2割で、8割の6722億円が公費負担になる。内訳は国3457億円、大阪府553億円、大阪市2712億円である。大阪万博であっても、国民負担は1人2800円掛かる。さらには府民負担が9100円、大阪市民に至っては国・府・市の税金を合わせると10万7000円に及ぶ。8594億円は現時点で分かった金額で、今後、どんどん増えていくだろう。実質、万博を牛耳るのは日本維新の会であって、いかに“身を切る改革”が出鱈目なことが分かる。

16・大阪市民の最終負担額は数十万円の試算も、入場者減ならさらなる負担増に
実は大阪府市の方はそれだけでは済まずに、もっと多額を負担しなければならない。国は、もうこれ以上の費用を出さないと言い切った。その影響で万博工事であっても、府市の道路建設や改修工事名目で誤魔化され、間違いなく大阪府市の予算が使われる。特に大阪市民は、最終的には数十万円負担の試算も出ている。府市合わせ(不幸せ)のギャグがある。見込み入場者が激減すれば、さらなる大赤字が待ち受けている。どこが補填するか決まっておらず、杜撰の極みだ。結局、万博に行かなくても大阪府市民・国民の負担になる。さらには各省庁は、万博とは関係なくても“万博名目”での予算を勝ち取るために虎視眈々と狙っている。東日本大震災や東京五輪の際も、各省庁がその名目で予算申請すると通りやすいからだ。この際とばかりに、役人はどさくさ紛れの実態とは掛け離れた工事や建築物を平気で作る。

17・「リング」1周2kmに350億円、6m弱で1億円・・・考えられぬ
万博の象徴として直径615m、1周約2kmの「木のリング」に350億円要すことを既号で批判した。国会でも大問題になり、リングをやめる要求が出されたが政府は建設続行を示した。その際、野党の計算では2000m÷350億円=6m弱で1億円が掛かる計算だ。建設会社・大林組にふんだくられ、どうみても350億円も掛かると思えない。ここでも出鱈目、無駄遣いが蔓延る。笑ってはいけないが国会や世論が厳しく追及した結果、今度は吉村大阪府知事が、万博閉幕後に別場所に一部を移転・保存、観光名物にすると言い出した。しかし専門家は、閉幕日までの短期間を前提とした設計になっているので、強度、耐火性に懸念があると指摘した。要は半年間で取り壊し・廃棄せざるを得ない“無駄遣いの象徴”である。

18・万博混雑緩和のために企業に時差通勤やテレワークを要請する本末転倒ぶり
万博協会、大阪府・大阪市は、万博期間の後半25年9~10月は混雑が予想されるので、緩和策として企業や府市民に時差通勤とテレワークをするよう要請した。本来なら業務の効率化や疲労の軽減から、行政は普段から企業に時差通勤やテレワークを依頼することが求められる。にも関わらず万博のために、と言うのは逆であり本末転倒だ。一方で皮肉を言う人は、2820万人の入場者見込み数も「そんなに入る訳がない。ガラガラで困るはずだから、時差通勤やテレワークは必要ない」の意見。ごもっとも!

19・全国のバス会社に「シャトルバス」参加を募るも深刻な運転手不足で対応できず
“孤島”夢洲(ゆめしま)の埋立地を強引に会場にしたため、極めて交通アクセスが不便である。急遽、延伸させる地下鉄と道路1本だけのルートである。「シャトルバス」(ピストン輸送)で対応するとしているが、関西圏だけでは足らず、全国のバス業界(路線バス・観光バス)に運転手の派遣を募っている。しかし全国のバス会社は深刻な運転手不足で、派遣するどころか自社の運行もままならない。コロナ禍で全国1万人の運転手が退職、他業態へ転職している。公営・私営路線バスは、やむなく欠行便にしたり廃線にせざるを得ないところまで追い込まれていることが全国で起きている。観光バス会社も同様で、廃業に追い込まれたり観光コースを絞ったりしている。京都などの観光地では、修学旅行のバスを断っている。運転者不足はコロナの最中から分かっていたことで、万博協会は、今頃、気付いて大慌てしている。スムーズな運行は望めず、大変な混乱になるのではないか。

20・大阪府100万人の“学徒動員”4歳から高校生まで無料入場券配付
正確には高校生までだから“学徒動員”ではないが、趣旨はそのもの。大阪府は4歳以上高校生までの102万人に万博の無料入場券を配る。実態は、無理やり入場者数を増やすためと言われる。質(たち)が悪いのは、万博協会が招待するのではなく大阪府の予算20億円を使う。2回目以降も行きたい生徒へは、市区町村が負担する。大人は企業が負担した前売券で行くか、無理やり買わされた券で入場する。皮肉な言い方をすれば、サラリーマンも生徒も入場者数の“水増し要員”なのであろう。財団法人・大阪観光局(ほとんどがJTB・HIS・日旅・近ツーから派遣)は、全国の学校に対し「修学旅行」は万博にきてもらうようにPRしている。生徒にとって貴重な「修学旅行」が、万博でいいのか大きな疑問だ。一体、本当に万博に行きたい人が自腹で買う入場者の数はどのくらいなのだろうか。

Sankoub
次号/大阪万博⑪投書欄|万博の強行は正しいのか!ブログ投稿者「復興万博と言い出すかもね」
前号/大阪万博⑨松尾貴史氏コラム◇予算を垂れ流す天下の愚挙・万博に巨費を投じている場合か

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