皆様ごきげんよう。黒猫でございます。
ええと、すみません、去年から持ち越しになっております『エラゴン』の感想です。
かつてはエルフとドワーフと人間が平和裏に共存したアラゲイシア帝国。現在は邪悪な王、ガルバトリックス(ジョン・マルコヴィッチ)のもとに圧政されていた。
そんな国の片隅の村で、両親を亡くして叔父に育てられている少年エラゴン(エド・スペリーアス)は、ある日一般の国民にとっては禁猟地である「王の森」で狩りをしている最中に不思議な青い石を拾う。エラゴンは轟音と共にどこかから降ってきたそれを持ち帰り、村の店で食料と替えようとするがうまくいかず、家に持ち帰る。実はエラゴンの持ち帰った石は、今では存在自体が伝説となっているドラゴンの卵だった。
ドラゴンは己の運命の乗り手と出会うためにいくらでも孵化を待つと言われていたが、邪悪な王ガルバトリックスの手により、正義を行うドラゴンとその乗り手はすべて滅ぼされたとされていた。そしていま、地上には、孵化を待つ卵がわずかに三つ。
エラゴンが見つけた青い石こそその卵のうちのひとつであり、勇敢なエルフの女王アーリア(シエンナ・ギロリー)が命を賭して護ったものだったのだ。
やがてエラゴンのもとで孵化した卵からは青い竜が生まれ、ほどなくしてテレパシーで心を通じ合えるようになる。竜はサフィラと名乗り、エラゴンに心からの信頼を寄せる。浮かれるエラゴンだったが、竜の誕生を嗅ぎつけたガルバトリックスより放たれた刺客が彼の留守に家を襲い、叔父が犠牲になってしまう。動揺するエラゴン。そんな彼を村に逗留していた流れ者の戦士、ブロム(ジェレミー・アイアンズ)がせき立て、サフィラを連れて村を逃れるが・・・?
というようなお話。
・・・いやあ久しぶりにあらすじに挑戦すると自分の文章力のなさを再認識できますねハハハ(笑い事か)。
この作品、『エラゴン 遺志を継ぐ者』の映画化です。
わたしは出版されてわりとすぐ読んだので、今回の映画化にあたり記憶がかなりおぼろでした。
しかし観てみて思ったことは、やはり本の映画化って難しいなあ、ということです。2時間ほどでまとめようとするにはボリュームのありすぎる話であるせいか、描写が浅いというか弱いというか、結構あっさりと流されてしまっている所が多かったかな、と。展開がやたらと早くて、次々と明かされる事実にあまり重みを感じられません。
いくつか「実は○○は××だったのだ!」という衝撃の事実が明かされるところがあるんですが、結構あっさり(笑)。本で読んだときはそれまでのエピソードの積み重ねから「ああ、やっぱりそうだったのか」とか思ったりもしたんですが、このあたり、映画だけの人は特に何も感じないかも・・・。
特にマータグ(ギャレット・ヘトランド)の扱いは薄かったんじゃないかなと思いました。あらすじには出せませんでしたが、途中でエラゴン一行と行動をともにするちょっと怪しい少年です。彼は多分今後も重要な役割をすると思われるので、もっと濃く描写すべきだったんじゃないかなと思いました。
わたしは原作を思い出しながら脳内補足でどうにかなりましたが、映画だけを観る人で、あまりファンタジー慣れしていない人は結構話に入っていきにくいのかも。隣で見ていた女性「え?え?なんでこうなるの?」とか「○○って何だっけ?モノ?人名?」とか、超うるさかった(笑)。
あと・・・失礼を承知で申しあげますが、戸田奈津子さんはファンタジーの字幕は向いていないと思います。確かにわかりにくいです、ええ。
よかった点は何と言ってもブロムを演じたジェレミー・アイアンズ。渋い。かっこいい。できることなら原作ばりにエラゴンとの旅のシーンをもっとじっくり描いてもらいたいところでした。でも素敵だから許す!(個人的感情)
あとドラゴンのサフィラ、フルCGですが、翼や鱗のうねり感とか、表情とかすごいです。今のCG技術だと本当に本物と見紛うようなものが作れてしまうので、そこから先をどう評価してもらうか、というのが難しいところなんでしょうが。
戦闘シーンなどの映像は本当に見事でしたが、原作ここまで戦ってないよなとちょっと思いました(笑)。
原作同様三部作の予定ということですので、今後に期待、といったところでしょうか。
何はともあれ、今後は観たらすぐ感想を書くように心がけます・・・!