皆様ごきげんよう。
ACアダプタとバッテリー外して放電→再装着で直る、という現象は、何となくカセット内部をふーふーしてから再セットすると画面の乱れが直るファミコンの現象みたいだな、と思ったりしている黒猫でございます。もしかしてお若い方はわからないかもしれませんが、そんな時代もあったのですよ。ふーふー。
ええと、めでたくPCも直りましたので、さっさと金曜の映画レビューをしていきたいと思います。溜めたらもう書かずに終わってしまうかもしれないので。
金曜の映画は『フリージア』でした。松本次郎さん作の同名コミックの映画化だそうです。
近未来。戦時下にあり治安の悪くなった日本では、「敵討ち法」が適用されていた。敵討ち法とは、一定のルール下で犯罪被害者家族が加害者に対して復讐できる法律だ。被害者側・加害者側ともに三人一組で同じ銃器を使用して行われるが、加害者側が必ず本人を含まなければならないのに対し、被害者側は三人全員が敵討ち執行代理人でも可とされていた。
新人の執行代理人叶ヒロシ(玉山鉄二)は、最初の任務で冷徹なまでの仕事ぶりを見せ、周囲に注目される。実は彼は15年前、少年兵だった頃に新型の凍結爆弾に被弾し、すべての感情と痛覚を失っていたのだ。
彼の仕事ぶりに目をつけた執行代理人事務所の事務員ヒグチ(つぐみ)は、次に扱った案件で、加害者側に凄腕の警護人(被害者側に雇われて闘う人間)、幽霊(大口広司)を紹介する。そんなことをすれば執行代理人の苦戦は必至なのだが、ヒグチには叶ならば勝てるとの目算があった。そしてヒグチの読み通り、叶は重傷を負いながらも幽霊を倒す。「何故こちらが不利になるようなことをしたのか」と問う叶に、ヒグチは「次の案件で幽霊が警護人だと困るから」と答える。
実は次の案件というのは、15年前に新型凍結爆弾の実験を指示した最高責任者、岩崎(すまけい)の息子で、自らはその実験のために何も知らない戦災孤児を投下ポイントに集めたトシオ(西島秀俊)だった。
叶に負けぬほど感情の起伏を見せないヒグチもまた、15年前に新型凍結爆弾に被弾、孤児の中で唯一生き残った少女だったのだ。
ヒグチは職権を乱用してトシオへの敵討ち法が通ったような書類を捏造、凄腕の執行代理人叶をトシオと対決させようとするが・・・?
というようなお話。
短いながらも結構設定が凝っていて面白い映画でした。
玉山鉄二演じる叶が怖い。感情の起伏がないという設定なのに、銃の腕はものすごい。ロボットみたいです。玉山鉄二は『逆境ナイン』の時はとことんお馬鹿方面に突き抜けていたし(笑)、『手紙』の時は抑えた静かないい演技をしていたし、結構色んな役ができる俳優さんですねー。それにしても細ッ!横幅測ってみたい(笑)。
トシオを演じた西島秀俊も上手い俳優さんですね。後半はこの人と叶の対決がメインですが、結構すごかったです。すごかったといえば、この時の執行人側のひとり、岩鶴(嶋田久作)。そんだけかよ・・・!魔人加藤(『帝都物語』にて演じた)の名が泣きますよ。
でも一番すごかったのは叶と幽霊との対決シーン。ここが一番敵討ち・・・というか、一騎打ちっぽかったです。なんかここだけ時代モノみたいでした、まあ得物は銃とナイフですが。
ちょっとSFじみた設定のせいか、一緒に観た友達はいくつか「何であの時ああなったのか」がわからない点がいくつかあったようです。わたしはこういう脳内補完は得意なので、「多分これこれこういうことじゃないか」と答えたら納得してましたが、普段こういうの観ない方はちょっと難しい・・・のかな?
ラストも観た方の分だけ諸説ありそうな終わり方でした。
まあ、全体的に暗い映画ですが、わたしはかなり面白く観ました。原作コミックも読んでみたいな。