満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『墨攻』

2007-01-26 00:27:30 | 映画

皆様ごきげんよう。黒猫でございます。今日は下に引き続いて今日観た分のレビューを。忙しいよ!(笑)

『墨攻』

紀元前370年頃、戦国時代。趙と燕の国境にある城塞都市梁は、燕を攻める途中の趙の大軍に襲われようとしていた。途中の兵站地として占領しようというのだ。
趙の10万の大軍に対し、梁の人口は非戦闘員を含めわずか4千人。どう見ても勝ち目のない戦だった。梁王(ワン・チーウェン)は降伏を決意し、趙軍の大将、巷淹中将軍(アン・ソンギ)に和議の使者を送る。だがそれ以前に、非攻・兼愛を唱える思想集団・墨家に救援の依頼を出していた。墨者は請われれば誰にでも力を貸すと言われていたが、まさに降伏しようというそのとき、やってきたのは身すぼらしいなりをした男がひとりだけだった。男の名は革離(アンディ・ラウ)。革離はその智略をもって細工した矢によって趙の先遣隊を見事に退却させる。

革離は王と交渉し、自分に梁の防衛を任せるつもりなら、梁軍の全権を委任せよと要求。王はそれを呑み、革離は防衛の全指揮を執ることとなる。
突然やってきて全軍を掌握した革離を内心よく思っていない者、たとえば王の息子梁適(チェ・シウォン)などもいたが、革離はその戦略によって次第に民と軍の信頼を得ていく。
一ヶ月持ちこたえることができれば梁は勝てる。そう判断した革離は、様々な策を用いて趙の大軍を迎え撃つが、梁内に趙と通じる裏切り者がいて・・・?

というようなお話。

おそらくはっきりと好みが別れると思いますが、わたしはすごく面白かったです!幻水好きな人ならきっと燃えると思います。幻水ファンなら「あっ、幻水2?」と言いたくなるシーンがありました。やはり崖の上に追い詰められるのは定石なのか(笑)。

城攻めとそれに対する迎撃。裏切りと信頼、権力者の嫌らしさなどなど。うーん、漢の世界!(笑)あ、でも女性の軍人さんも出てきます。メインキャストの女性は貴族の騎馬隊を率いる逸悦を演じたファン・ビンビンひとりだけ。彼女も重要な役ですよ。

戦闘シーンはすごい迫力でしたし、革離のあっと驚くような計略の数々がすごい。
そしてわたし何度かここで言及していると思うんですが、巷将軍役のアン・ソンギが好きなんです・・・渋いったら・・・!
今回は墨者の革離が主役なので、アン・ソンギはどちらかというと悪役サイドなんですが、誇り高き武人といった感じでもうそこにシビれるッ!あこがれるゥ!ってなわけですよ。総大将なので、正直出番は多くはないですが、終盤のアンディ・ラウと絡む演技は流石に凄いです。漢です(笑)。アンディ・ラウもかっこよかったな!
あと、梁王役のワン・チーウェン。この王が暗愚なばかりに周囲はかなり振り回されるんですが、そのイヤな役を実にイヤな感じに演じきっていました。

日本の同名コミックの映画化、ということらしいですが、そのコミックの原作が酒見賢一氏の同名小説だそうなので、これは是非読みたいです!
2時間以上あったんですが、やはり結構中身を端折ったのか、脳内で勝手に推測・補完していかないとちょっと人間関係などはわかりづらいかも。それが出来る人は楽しめると思いますよ(笑)。余裕があれば原作を読んでいくといいかもしれません。

あ、あと音楽もよかったなーと思ったら、『イノセンス』や『デスノート 前編』で音楽を担当した川井憲次さんでした。デスノは観てないんですがイノセンスの音楽もすごくよかったもんな!

今回は日本・韓国・中国(香港)の合作なんですが、キャストには日本人が絡んでいなかったので残念・・・。これからも日本も交えてアジアでどんどん合作映画を作ってくれるといいな。そしてそのうち日印合作を・・・!(やはりそこに落ち着くのか)
コメント
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