ガチャピンのHAPPY LIFE 2

日常生活で感じたままに綴っています。

「ペコロスの母に会いに行く」/中日劇場

2017-10-25 23:16:51 | 舞台、映画観賞
先週のお休みは、京都展のあと中日劇場にて公演されていた
「ペコロスの母に会いに行く」の舞台を観劇してきました。

ペコロスという愛称の62歳の漫画家と、彼の認知症の母親との日常生活を描いた
同名のコミックエッセイを原作にした作品です。
映画化もされ、昨年もペコロス役で東国原武夫さんが出演され、気になっていた舞台。
休みが合わず諦めましたが、今年はやっと観劇できました。
ペコロスこと、ユウイチ役は田村亮さん。あの往年の2枚目がハゲかつらを被ってみえます。
母親ミツエ役は、藤田弓子さん。認知症のお母さんを素敵に演じてみえました。

ユウイチがミツエから急用があると言われ帰宅すると、
ご近所さんが集合している…それぞれに、ユウイチの結婚、ユウイチの父サトルの13回忌、
警察表彰、引っ越し…などミツエの連絡で集まった事がわかり…孫のマサキまで
父の昇進祝いと呼び出され、ミツエの住む長崎へ戻ってくる…と、
認知症を思わせる場面から物語がスタート、緩やかに認知症の進むミツエを
自分が家で見ると宣言したユウイチだったが、ミツエが脳梗塞で倒れ車椅子生活になり、
悩んだあげく、老人ホームに入所させる。
明るいミツエはホームでの生活に馴染み、歩行訓練にも励み出す…
その理由は、昔、夫やユウイチと行ったランタン祭りにもう一度行きたい、
という想いから…それを知ったユウイチはホームでの敬老会の催しで
ランタン祭りをしたいと願い出る…

“認知症”というと重くなりがちな話をユーモラスに描いて、客席には笑いが…
でも、その中に重い現実も少しずつ織り込まれています。
ミツエの部屋の異臭に気づいた孫が、汚れた下着がタンスに隠してあるのを見つけ
洗って干したエピソードとか、近所の甚衛門さんが息子夫婦に迷惑をかけたくないと
老人ホームに入ると言い出したり…、ミツエをホームに入れたあとのユウイチの
“母を捨てたのではないか”との迷い、悩み、自分を責める想いとか…

最後は敬老会でのランタン祭りの場面…
幕間でお客さんにランタンを振ってくださいとの演出依頼もあり、
客席に揺れるランタンをミツエが眺める、幻想的で心暖まる光景が感動的です。
また、“また会う日まで”“虹を渡って”など懐かしい歌謡曲も効果的…
私は偶然見つけたセンターの通路横の席でしたが
オープニングで田村亮さんが、敬老会の場面では長崎の蛇踊りが
すぐ横を通る演出があり、ちょっとびっくり…

芸達者な役者さん揃いで、とてもいい舞台でした。
こういう舞台から“認知症”に関心を持ってもらえたらいいですね。
私には、ミツエや、ホームのご老人が、職場の利用者さんと重なる場面もあり、
涙が止まらなくて、困りましたが…
亡くなった夫が会いに来てくれた…と嬉しそうなミツエの様子に
今はグループホームに移られたKさんを思い出し、
いつも“お母さんが迎えに来てくれて、このセーターを買ってくれた”と
ニコニコ顔でしたが、ミツエと重なり…藤田さん熱演でしたね。
藤田さんも田村さんも同じ71歳だそうです。
演劇や、芸能界に定年はないと思いますが、
70や80代になっても活躍される事は同年代の方にも励みになりますね、
いつまでもお元気で素晴らしい演技を観せてほしいですね…

中日劇場は舞台が近く観やすくていい劇場で…
無くなるのが、本当に残念です…
ラストまでにもう一度、観に行きたい演目があるのですが…
チケットゲットに頑張りたいと思いますo(^o^)o
コメント (1)
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