気分はガルパン、、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

今出川通の南北10 相国寺とラーメン

2021年10月10日 | 洛中洛外聖地巡礼記

 現在の相国寺伽藍の中心堂宇である法堂(はっとう)です。本来の中心である仏殿が再建されなかったため、仏殿も兼ねていて本堂とみなされています。創建以来4度も失われ、現在の建物は慶長十年(1605)に豊臣秀頼の寄進によって再建されたものです。国内に現存する禅刹の法堂建築としては最古の遺構であり、国の重要文化財に指定されています。

 

 法堂の内陣には、現在は本尊の釈迦如来坐像と脇持の阿難尊者像、迦葉尊者像がまつられています。天井にある蟠龍図は狩野光信の手になるもので、特定の場所で手を打つと反響するため、「鳴き龍」と呼ばれています。

 

 法堂とは、禅宗寺院において僧侶が仏教を講義する建物です。古代寺院の伽藍の講堂(こうどう)に相当します。今でいえば大学の講義室にあたるでしょうか。

 

 法堂に向かって右側、東側に高くそびえるのは鐘楼です。山内の諸堂のなかで最も目立ちますが、平成22年(2011)に再建されたばかりです。正式名称は天響楼といい、中国の開封にある大相国寺により二つ鋳造された梵鐘のうちの一つが日中佛法興隆・両寺友好の記念として寄進されて懸けられています。

 

 法堂の右脇から参道を通って奥の庫裏の横を通りました。庫裏は香積院とも呼ばれ、江戸期の文化四年(1807)の再建です。京都府の有形文化財に指定されています。

 相国寺の主要堂宇は普段は非公開で、春秋にのみ法堂、方丈、開山堂の3棟が特別公開されます。今回はその時期では無かったので、行先は、ひとつだけでした。

 

 その行先とは、寺域の北東寄りに位置する承天閣美術館でした。 相国寺とその塔頭(鹿苑寺、慈照寺など)の文化財を収蔵展示する目的で昭和59年(1984)に開館した施設です。その翌年に初めて見学に行って以来、10回ぐらいは訪れていると思います。

 

 なぜかというと、有名な山外塔頭の鹿苑寺(金閣寺)や慈照寺(銀閣寺)の主な寺宝、文化財は殆どこちらに収蔵されているため、鹿苑寺や慈照寺へ行っても見られない貴重な品々が見学出来るからです。
 いまでもそうですが、鹿苑寺や慈照寺へ行って見ることが出来るのは、建物と庭園だけなので、それだけでは鹿苑寺や慈照寺の歴史や価値が分かりにくいのです。

 

 ですが、今回は珍しく相国寺自体の歴史と寺宝にスポットをあてた特別展示を行っていました。この種の展示はなかなか実施されないので、今回はもともとこの特別展示を見に行こうと決めての外出だったのですが、同行者に相談したところ、京都御苑の散策と京都御所の一般参観にも行こう、と提案され、今回の歴史散策となったものです。

 

 特別展示の内容は、室町幕府と足利家の歴史をも学べる立体的な構成になっていて結構色々学ぶことも多かったです。同行者は初めての入館で、館内に復原されている鹿苑寺の夕佳亭(せっかてい)」や、伊藤若冲筆による重要文化財「鹿苑寺大書院障壁画」の一部、鹿苑寺不動堂の安置像であった不動明王立像などを興味深そうに見ていました。

 館内は撮影禁止でしたが、第一展示室と第二展示室の間にある上図の中庭の石庭だけは撮影可でした。同行者が手前の石塔を指して「なんだか古そうな石塔ですね、室町時代のものなんですか?」と尋ねてきましたが、脇に説明板があるのに気付き、読んでいました。

 この石塔はかつて鹿苑寺の境内にあったものですが、石塔自体は朝鮮の高麗時代(918~1392)の作です。足利義満が高麗および李氏朝鮮と交流を始め、それから約1世紀ほどの間に日朝貿易が展開されていたため、その時期に請来されたものではないかと思われます。

 

 承天閣美術館の見学を終えて相国寺を辞した後は、同行者のすすめで「寒梅館」の東にある、同志社大学学生御用達のラーメン専門店「麵屋あくた川」に行きました。

 私自身はラーメンが好きで京都のたいていの有名店は行っていますが、あくまでも京都のラーメンを出すお店が殆どでした。なので、東京の家系ラーメン「武蔵屋中野本店」出身の店主が経営する「あくた川」系の店にはこれまで入ったことがありませんでした。

 

 ですが、同行者は同志社大学出身なので、在学中にはまだ無かったこのお店には大変興味があったようで、朝から三度ぐらいは「帰りに「あくた川」のラーメン食べましょうよ、絶対。忘れちゃダメですよ」と念押ししていました。

 この「あくた川」は、現在は5号店までが出ていて京都市内ではけっこう知られるようになっています。4号店および5号店は百万遍の勤務先大学の近くなので時々前を通りますが、入ったことはありません。同じ百万遍の「中華そばたく味」の元祖京都風のラーメンが大好きでそちらへよく行くからです。

 

 ですが、同行者が絶対に入る気でいますから、良い機会かなと思って初めて入りました。

 

 いただいたのは「らーめん並」700円でした。同行者が、ラーメン店の基本の味をまずは味わう、という主義なのでそれに合わせました。関東の家系は濃くて辛いんじゃないかと予想していたのですが、意外にサラッとしていました。お酢を少しかけると更にさっぱり感が増して美味しかったです。

 特に麵は初めて食べた気がしました。この中太ストレート麵、京都ではあまり味わった記憶がありませんでしたので、店員さんに訊ねてみたところ、東京の家系ラーメン店に卸している酒井製麺の製品だと教えて下さいました。
 同行者はかなり気に入ったらしく、「今度は4号店か5号店に行きましょうよ」と提案してきました。それもいいかな、と思って頷いたことでした。  (了)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする