ガルパンコミックのひとつ「プラウダ戦記」だけに登場する車輌は全部で5種類が知られます。そのうちの3輌は主役のプラウダ高校チームの所属、BT-5、KV-1、ISU-152です。そして1輌は聖グロリアーナ女学院チームのクロムウェルです。もう1輌はボンプル高校チームのヘッツァーです。
これがボンプル高校チームのヘッツァーです。大洗女子学園チームの校章マークが付いていれば、そのままカメさんチームの車輌になります。こちらの作中車も、アニメ版のヘッツァーに合わせて描かれているようです。
作中のボンプル高校チームの隊長は上図の3年生のプラツキさん、ヤイカの先輩にあたります。そのプラツキ隊長がヤイカの搭乗車に対して「4号車⁉ 突出しないで!!」と指示を送っています。
この4号車はフファットと呼ばれていますので、史実のワルシャワ蜂起中の1944年8月2日にポーランド側が鹵獲したドイツ軍のヘッツァーが元ネタであることが分かります。実際のフファットは鹵獲された時点で車体の大部分が焼け焦げており、当初はバリケードの一部として使用されています。後に修理されたものの、バリケードを崩すことが認められず、戦闘に投入されることはなかったそうです。
4号車フファットの車長ヤイカです。「リボンの武者」では3年生で隊長になっていますが、「プラウダ戦記」においては2年生です。7TP軽戦車が多くを占めるチームにて、最も火力が大きいヘッツァーを任されていますので、チームのエースであるようです。
ヤイカの搭乗車フファットの描写です。御覧のように車体前面左側と左側面に火焔がデザインされています。史実にてポーランド側が鹵獲した時点で車体の大部分が焼け焦げており、つまりは炎上していたことに因むものでしょう。
ヤイカの搭乗車フファットは各アングルからの描写があって大体の様子が分かります。車体の火焔模様が車体前面左側と左側面にのみデザインされている点も確認出来ます。
大洗女子学園チームが初めてプラウダ高校チームと対戦し、包囲されて建物に逃げ込んだのと同じような状況を、ボンプル高校チームも経験したようで、建物の入り口にフファットが履帯を損傷しつつも陣取っています。
そのフファットの再現製作に際しては、以前にサークルの譲渡会にて先輩F氏にいただいた、上図の製作途中状態のタミヤキットを活用することにしました。ミリタリーミニチュアシリーズの285番の製品です。
組み立て工程は八割以上仕上がっているので、あとは転輪と履帯を組むだけで済むかに思われましたが、上図のようにマフラーだけが後期の簡易タイプになっていました。これは作中車のと違いますので、そのまま組み付けるわけにはいきませんでした。マフラーのパーツは他に無かったので、作中車のマフラーに合わせて自作することにしました。
2種の太さのプラパイプとプラ板で上図のように形を合わせて自作しました。これでマフラーは完成です。
履帯も組み立てて、塗装後に取り付けるべく分割しておきました。転輪も揃えて準備しましたので、塗装前の組み立てはマフラーの自作と履帯の組み立てのみで終わりました。 (続く)