今回は、黒森峰女学園チームの車輛を作ります。パンターG型を上図のプラッツ公式キットにて製作します。このキットは、二年ほど前にサークルの交換譲渡会にてAFV部会のM氏に「長い事積んでいたけど作る気が無くなったのであげます」とタダでいただいた品です。お礼として、我が家でも愛用している静岡焼津産「やまじゅう」の「削りたて鰹節セット」を贈りました。
このパンターG型は、今までに2輌作りました。1輌目はタミヤ、2輌目はグンゼ産業のキットを用いましたので、今度の3輌目はプラッツの公式キットを初めて利用します。
この公式キットの中身はドラゴンの新製品なので、2輌目のグンゼ産業の中身のドラゴン旧製品とどのように違うのか、も今回の製作を通して体験出来ます。旧製品が思ったよりも組み立て易かったので、今回の新製品はさらに組み立て易くなっているだろうか、という期待感もありました。
中身です。ドラゴン系列のキットとしては、ランナー、パーツ数ともに割合に少なめである印象を受けました。ドイツ軍では中戦車に分類されますが、世界的基準からみると大型に属する戦車です。それでパーツも大きなものが多いのですが、分割を抑えているのか、不要となるパーツを削っているのか、パーツ数そのものはタミヤキットとあまり変わらない気がしました。
履帯は、個人的に嬉しいベルト式履帯でした。現在でもドラゴンのキットはベルト式パーツを入れてくる傾向がありますが、それがユーザー目線に基づいての配慮であれば、有り難い限りです。
組み立てガイドの表紙は、プラッツ公式キット定番のガルパンコミック仕様でした。
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ですが、御覧のように一部に印刷の重複が見られました。ステップ4とステップ5の組み立て図が重なっていますが、プラッツのことですから、この程度ならまだ見られるから許されるだろうと安直に考え、コスト削減のために意図的に行っている可能性があります。
他メーカーならば、ユーザー目線での配慮を色々施してサービスを図りますが、プラッツは昔からそういうスタンスが希薄であるようです。それで、ガルパンブーム初期においては、様々なキットの不具合をそのままにし、劇中車仕様とうたって劇中車仕様とは全く異なるキットを提供する、等の偏った販売を展開してさんざんに批判をあびていました。
ですが、その企業的性格は十年余り経った今でも改善されていないようです。公式キットのリニューアル版においても、ドラゴンの製品をそのまま入れているケースが普通で、劇中車仕様に配慮してパーツを完全に揃えて販売する、という事例はいまだに見かけた事がありません。
それでユーザーも敬遠気味にしているのか、いまではどこの模型店へ行ってもプラッツの公式キットが大量に積まれて売れないまま、パッケージも退色劣化しているのを見かけます。ここ数年は複数の海外メーカーが魅力的な新キットを次々と発売していることもあり、プラッツ公式キットの商品価値は低下する一方であるようです。
ステップ1では、下部車体の足回りの軸部を組み立てます。パンターG型はガルパンの戦車のなかでは珍しく実車準拠の3Dデザインであり、劇中車仕様がテレビシリーズから最終章に至るまで変わっていないため、1、2輌目を製作した時と同じ外観、仕様に作ることになります。
左右の車軸を片方ずつ順番に組み付けます。これは左側の分です。
組み上がりました。
続いて右側のパーツも同じように組付けます。
組み上がりました。
作業を続けました。上図のパーツE1およびE8は何のパーツが知りませんけれども、車軸に関連する動力機構の一部の軸棒であるように思われます。
組み上がりました。組み立てれば完全に見えなくなる範囲ですが、ここまで細かく再現しているのは、本来はインテリアキットとしての構築も見据えた製品だったからなのかな、と思ってしまいます。
ですが、パンターのフルインテリアキットは、私の知る限りではドラゴンからは発売されていません。近年に、後発メーカーのタコムやライフィールドモデルからより精巧な製品が出ています。 (続く)