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「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

京都鉄道博物館2 機関車4種と寝台特別急行客車2種

2025年02月15日 | 洛中洛外聖地巡礼記

 京都鉄道博物館のプロムナードには、上図のディーゼル機関車のDD54形33号機も展示されています。嫁さんが「これこれ、マイクロエースの3次形の本物、これを見たかったんですよー」と大喜び、テンション上げまくりでした。

 DD54形は、日本国有鉄道が1966年から設計、製造した液体式ディーゼル機関車の一種で、エンジンはドイツのマイバッハ系列のライセンス供与による提携生産品を使用しました。山陰本線および播但線、福知山線などの列車牽引運用に用いられていたC57形およびC58形等の蒸気機関車と置換えに配置され、1972年末には一部の列車を除き山陰地区東部の全面的なディーゼル化を達成し、山陰線の路線群における無煙化を促進したことで知られます。

 1971年までに40輌が製造され、32輌が福知山機関区、8輌が米子機関区に配備され、山陰本線の全線で活躍、1968年には福井国体開催に合わせて運行されたお召列車の牽引を担う栄誉に浴しています。

 つまりは山陰線専用のディーゼル機関車であったわけで、丹波の山陰線沿いの育ちだった嫁さんが私に続いてNゲージにハマり出して「山陰線ジオラマ計画」なるジオラマ製作にとりかかった時に、最初に購入候補にあげた機関車でした。

 そのNゲージ製品は、トミックス、カトー、マイクロエースから出ており、それぞれに幾つかの仕様を再現していますが、嫁さんがこだわったのが、ここの展示車輌でDD54形の唯一の現存機でもある33号車の特徴である、スカート両脇の白色のステップ側面で、1から6次車までに区分されるなかの3次車の独自の要素でした。これはマイクロエースの製品にしか再現されていませんので、嫁さんも散々探し回り、ヤフオクでやっと見つけて落札していました。

 この33号機は、山陰線にて最後まで使用された4両中の1両で、米子機関区に配置されて一時は特急「出雲」の牽引機に指定されていたそうです。1984年に廃車となって大阪交通科学博物館にて保存展示されていましたが、大阪交通科学博物館の閉館後は京都鉄道博物館に移され、現在に至っています。

 

 プロムナードの南には、上図のトワイライトプラザのコーナーがあります。その大きな鉄骨トラス構造の上屋は、大正時代以来の2代目京都駅の遺構の再利用になるもので、その中には戦後を代表する電気機関車や寝台車、2015年春に引退した寝台特急「トワイライトエクスプレス」の車輌を展示しています。

 

 トワイライトプラザの正面向かって右には、上図のEF81形103号機があります。日本国有鉄道が1968年に開発した交流直流両用電気機関車の一種です。この103号機は、敦賀地域鉄道部敦賀運転センター車両管理室に配置されて、寝台特急「トワイライトエクスプレス」の牽引機として大阪・青森間の日本海縦貫線区間で活躍したほか、同区間における臨時列車や臨時工事列車の牽引などにも使用された車輌で、現在は「トワイライトエクスプレス」牽引機時代のデザインカラーのままで保存されています。

 嫁さんがDD54形を一生懸命見学している時に、私はこのEF81形をしばらく見上げていました。気が付くと、嫁さんも横にやってきていて一緒に見上げ、スマホを向けているのでした。

「この機関車をさっきからずーっと見てますね、何か思い出でもあります?」
「いやね、この前行ってきた碓氷峠鉄道文化むらの展示車輌にはこれは無かったなあ、と思ってね」
「ふーん、じゃあ、貴重な保存車なんですかね」
「現存してるのは3輌ぐらいしか無いらしいからね、貴重であるのは間違いない」

 

「じゃあ、左の機関車も貴重なんですかね?」
「EF58形はまだ数があるんじゃないかな、碓氷峠鉄道文化むらにも展示されてるし、埼玉の鉄道博物館にもあるらしいし」
「わりと有名な機関車だったのかな」
「戦後の日本を代表する旅客用電気機関車といったら、だいたいはこれのイメージやしな」
「ふーん」

 

 EF58形は、 日本国有鉄道の前身である運輸省鉄道総局が1946年から製造した旅客用直流電気機関車の一種です。終戦後に激増した旅客輸送需要に対応する機関車として量産され、1958年までに各種仕様を合わせて172両が製造されました。

 そして1950年代から1970年代にかけて東海道本線、山陽本線や高崎・上越線、そして東北本線といった主要幹線に配されて旅客列車牽引の主力機関車として活躍、戦後の復興期の公共交通の要として働き続けました。最後の1輌が廃車となったのが去年、2023年のことでしたから、昭和、平成、令和の3時代を駆け抜けたことになります。

 

 そのEF58形が牽引したブルートレインの客車が1輌、EF58形の後ろに繋がっていました。「あかつき」「彗星」などで活躍したプルマン式のA寝台車だったオロネ24形4号車です。

 

 そのオロネ24形4号車の説明板です。オは32.5から37.5トンクラス、ロネはA寝台車を意味します。プルマン式とは、アメリカ寝台保有会社プルマン社が製造した寝台車の形式名で、通路を挟んで二段の寝台が進行方向に設けられ、寝台幅を広く取って広い空間を確保しています。日本でも長らく上級寝台車のタイプとして使われた形式です。

 

 オロネ24形4号車の後ろには、上図のEF65形1号機がありました。これも貴重なトップナンバーです。嫁さんがスマホを向けつつ言いました。

「1号機って、なかなか残せるもんじゃないんでしょうねえ・・・」
「だろうな、試作機やったのも多かったし、何よりも最初の生産車だから、劣化も老朽化も一番になるし、廃車も当然ながら1番になるやろうから、保存するとなったら相当のコストがかかったやろうな・・・」

 

 EF65形は、日本国有鉄道が1965年に開発し運用した平坦路線向け直流用電気機関車の一種です。平坦線区向け国鉄直流電気機関車の標準形式とされ、1979年までに国鉄電気機関車としては史上最多の308輌が製造されました。
 基本的に貨物列車用として計画されましたが、高速走行性能と牽引力の強さを活かして旅客列車用としても活躍、ブルートレインを牽引する500番台や耐雪耐寒装備を強化するなどの改良を加えた1000番台、1000番台の一部を改造した2000番台などがありました。現在も約20輌が定期運用を終えたものの、現役として在籍していると聞きます。

 このEF65形は、ゆるキャンの原作第92話の作中にて「横川鉄道博物館」の展示車輌の1輌として描かれていますので、そのモデルとなっている500番台のF形タイプを、Nゲージのカトー製品にて購入しました。「横川鉄道博物館」こと碓氷峠鉄道文化むらの保存展示車が520号機で、高速貨物列車牽引用の500番台F形に該当するからです。

 対してこちらの1号機は、一般型の0番台の1次車にあたり、中央本線の電化および増発、山陽本線貨物列車の電化および増発、東海道本線などの増発用として開発されたタイプです。運転席の面に通行用の扉がつかない非貫通型にあたりますが、Nゲージでは扉が付く貫通型の1000番台や2000番台のほうが多く製品化されていて、非貫通型の0番台や500番台はあまり見かけなくなっています。実物も貴重ですが、Nゲージのほうでもレア物になりつつあるようです。

 

 トワイライトプラザには、上図の寝台特急「トワイライトエクスプレス」の客車2輌も展示されています。上図はスロネフ25形501号車、列車の1号車にあたるA個室車輌です。


 「トワイライトエクスプレス」は、かつて大阪駅・札幌駅間で運行されていた臨時寝台特別急行列車です。1989年に運転を開始、2015年に臨時列車としての運行を終了して、それ以降はツアー専用列車として2016年まで運転されていました。
 その後は廃止となりましたが、「トワイライトエクスプレス」の列車名は2017年から京阪神地区と山陰・山陽地区間での運行を開始した「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」に受け継がれています。

 こちらで保存展示される客車2輌は、かつての国鉄24系25形客車を全面的に改造したもので、基本デザインはヨーロッパの豪華夜行列車オリエント急行をモデルとしたそうです。
 従来の寝台列車が「ブルートレイン」で青色のイメージカラーであったのに対して、日本海をイメージした深緑に明け方の薄明(はくめい)の英語トワイライトを表す黄色の帯をつける独自のカラーとしています。

 上図のように各客車には、天使が向かい合うデザインのエンブレムもマーキングされて高級感を醸し出しています。

 

 10年前に廃車となったわりにはピカピカで、まだ現役のような感じですから、嫁さんも「こんなん、まだ使えますでしょ、もったいないですねえ」と話していました。

 ですが、元になっている国鉄24系25形客車が1973年からの製造なので、既に車齢が51年に達している古い車輌であるわけで、老朽化や部品類の経年劣化がひどくなっているそうです。

 

 もう1輌は上図のスシ24形1号車です。嫁さんが「これもトップナンバーですね、スシやから食堂車ですねえ、よし覚えたっと」と車番を指差して確認していました。

 

 「トワイライトエクスプレス」の客車はあともう1輌、オハ25形551号車が上図の引込線ゾーンに居るということですが、この日はどこかへ移動していたのか、向こうに見える客車はオハ46形13号車だけでした。  (続く)

 

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