9時8分に金谷駅を発して、4分後の9時12分に新金谷駅で降りました。降車後に乗ってきた近鉄16000系を撮りましたが、この列車の運行も新金谷駅までで、折り返して金谷駅へと向かうようで、窓の行き先表示が「金谷」に差し替えられました。
新金谷駅の旧字体の駅名標です。上の時計は9時14分になろうとしていました。この日のSL急行かわね路号は11時52分発なので、その30分前の11時22分にはプラザロコの窓口で予約した切符の発券手続きを行うことになります。それまでの2時間8分を使って新金谷の車両区と大代川側線の見学にあてることにしました。
改札口を出て、プラザロコの向かいの休憩所付近から、まだ停車中の近鉄16000系を撮りました。その後、発車して金谷駅へと戻っていくのを見送りました。
新金谷車両区のほうへ、広い駐車場の端を歩いて進みました。側線にはこの日のSL急行かわね路号の客車と思われる7輌編成の旧客車が待機中でした。その横には上図のE31形電気機関車が停まっていました。
E31形は、もと西武鉄道の車輛で、平成22年に3輌が大井川鐡道に譲渡されました。奥にもう1輌が見えましたので、3輌のうちの2輌が新金谷車両区に居たわけですが、そのどちらかが、この日のSL急行かわね路号の補機となるのだうな、と推測しました。
この日のSL急行かわね路号の客車と思われる7輌編成の旧客車の1輌を見ました。中央にかわね路のプレートが付いているのが見えました。7輌編成というのは長い方だと聞きましたが、この日は予約している乗客が多いのだろうな、大半は団体ツアー客なんだろうな、と思いました。
E31形電気機関車を間近で見、撮りました。Nゲージでもこの車輛を2輌買い揃えて走らせていますので、実物を見ると嬉しくなってしまいます。同時にNゲージのこの車輛、マイクロエースの製品ですが、細部まで精巧に再現されているのに気づかされます。
駐機線に停めてあった旧型客車のオハ47形です。きかんしゃトーマス号の列車用に外装がオレンジ色となっています。この日はトーマス号は休みでしたので、その客車は大部分が駐機線に停めてありましたが、一部はSL急行かわね路号の7輌編成のなかに含まれていました。
車両区の中心部へ近づくにつれて、色々な車輛が視界に入ってきました。もう1輌のE31形電気機関車、南海6000系、東急7200系、そしてこの日のSL急行かわね路号の主役たるC10-8号機が見えました。いずれもNゲージで揃えていますので、実物を見てテンション上がりまくりでした。
C10-8号機は運行準備中で、煙突に排煙パイプをかぶせてボイラーの音を響かせていました。日本に現存する動態のC10形蒸気機関車はこれが唯一です。昭和五年(1930)製造ですから94歳の機関車です。重要文化財に指定してもいいぐらいの価値があると思います。
C10-8号機の後ろには、トーマス号も見えました。これは川本氏の教示によればC11形の190号機であるそうなので、熊本から来て復活したという機関車にあたるわけです。本来のC11-190号機の姿を再び見られる日は来るでしょうか。
C10-8号機とトーマス号のC11-190号機の並びです。2023年11月時点で大井川鐡道が保有している動態の蒸気機関車は6輌と聞きましたが、4輌は修理およびレストア中だというので、上図の2輌が営業運転出来る蒸気機関車の全てであるわけです。
なので、故障とかしても代替機が無いわけです。いずれも大井川鐡道の主力たる観光列車の牽引車ですから、片方でも欠けると売り上げが無くなります。代替機が1輌でもあればリスク回避が出来ますから、それを目指しての富山県高岡市からのC11-217号機の引き取り移設であるのでしょう。 (続く)