今日から8月、猛暑まだ当分続きそうだ。
東京オリンピックで日本選手の好発進に浮かれているうちに、7月はあっという間に過
ぎた。
コロナ感染が大会の盛り上がりに歩調を合わせるように、第5波と思える猛威を振るっ
てきて、このままではオリンピックとその後のパラリンピックが果たして無事に終わる
ことができるのだろうか、と心配になってきた。
しかしながらもはやこの大会の流れを止めようもなく、コロナ禍にうちひしがれて惨憺
たる世情になっても、最後まで続けるしかないだろう。
「東京2020オリンピック」の後に何が残るのか。
国のスポーツ栄光も、国民の命と健康の多大な犠牲を払って得たものなら、後世の歴史
家から「愚かな史上最低の大会を強行したものだ」と嘲笑されることも覚悟しなければ
ならないだろう。
それとも「国難」にあえぎながらも、「平和祭典」を盛り上げ、スポーツのチカラを発
信して人類がコロナに打ち勝った証(あかし)としたと、世界から称賛されるだろうか。
(ぜひそうあってほしいものだが)
日本の金メダル数が史上最高の獲得と誇る一方で、コロナ感染者が激増して病院の一般病
棟まで患者であふれ、救急患者受け入れも手術もままならない「医療崩壊」を招く事態に
なったら、だれが責任を取るのか。
「東京五輪2020」は、不気味な暗雲をはらみながら続けられていく。
金メダルの輝きが眩しく、13歳のゴールドメダリストの天真爛漫な笑顔も、選手たちの汗
も涙もかけがえもなく尊いだけに、国挙げての万策をあざ笑うが如きコロナ蔓延がおぞま
しい。
この8月は「東京2020オリンピック」の、成否を占う大事な月になるだろう。
吉か凶か、8月は大きな「答え」を問いかけている。
📚心に響いた名文📚
年とともに、平野屋さんで鮎を食べるのも、これが最後ではなかろうか、と毎年
のように思う。別に鮎に限るわけではない。花を見ても、月を眺めても、そのよ
うな想いは、年とともにいよいよ深く、こまやかなものになって行く。これも老
人に与えられた神の恩寵と思って感謝しているのだが、私はよほど楽天的にで来
ているのだろうか。それとも欲張りなのであろうか。
白洲正子「ほんもの」(新潮文庫)