オリンピックが終わりなんとなく物足りなくなるなあ、と思っていたけどパラリンピックが始
まって、またTV中継に夢中になっている。
浮気っぽいテレビ業界のことだから、競技の中継はそんなに多くないだろうと思っていたら、
さすが公共テレビNHKは丁寧に放送していて、感心した。
商業主義にまみれた民放は、もうからない(スポンサーがつかない、というより熱心にセール
ス活動しなかったのだろうね)となると冷たいもので、ほとんど番組を組んでいない。
さすが民放TVさんだねえ。
で、そのパラリンピックでは、日本の選手の獲得するメダル数は先のオリンピックに比べて少
ないのが寂しい限りだが、競技を見ているとこれが面白い。
まだ始まって間なしなので、TV観戦した競技はゴールボール、車いすラグビー、車いすバス
ケット、陸上競技の100メートル、走り幅跳び、水泳など数は多くないが、いずれもこれま
であまり目にしたことのないものばかり。
世界のトップパラアスリートたちが、身体の障がいを乗り越え最高の技を競う姿は感動的だ。
オリンピックと同じように手に汗を握って、声を出して応援している。
身体障がい者のスポーツは、どうしても「大変だなあ」とか「不自由でかわいそう」との思いが
先に立って、見てしまいがちだ。
私も心のどこかで、そんな同情心で見ていたと正直に告白しよう。
しかし、選手たちはそんなこだわりの「眼」をはねのけるように、思いっきり自分の能力を発揮
して挑戦している。
そんなパラアスリートの姿を見ていると、心の中に残っている障がい者へのこだわりが、薄皮を
はがしていくように一枚一枚めくれ取れていくのを実感する。
眼からウロコを落としてくれる。
これもまたスポーツのチカラなのだろう。
📚 心に響いた名文 📚
人とはいったい、いくつの叶わぬ夢を抱えて死んでいくものなのだろう。抱えきれぬほ
ど抱えて、しかし、抱えていることを忘れてそれでも生きていくものなのであろうか。
大島真寿美「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」(文春文庫)
< パラリンピック、車いす女子バスケット>
日本対ドイツ、惜しくも逆転負け(29日、NHKTVから)