東京オリンピックの熱気にどっぷり浸かっていたが、無事に終わって日常生活に戻った。
テレビをかけてもなんとなく物足りないのは、画面いっぱいに駆け回るアスリートたちの
眩しい笑顔がもう見られなくなったからだろうか。
さあ、これからは日常生活を大切にしなきゃ、と改めて思う。
気が付けば立秋(7日)は過ぎ、見上げた空の雲は高く青空も心なしか深く感じる。
庭の隅っこで、セミの亡骸が仰向けにひっそり・・・そういえば朝窓を開けた瞬間、耳を
弄するばかりに鳴いていたセミたちも、いつの間にか静かになっている。
再び鳴くことも飛ぶこともできない、落蝉(おちせみ)。
仰向けに落ちて鳴きけり秋のせみ 一茶は詠んでいる。
真夏の太陽に負けじとばかりに黄色い光を放っていた元気印のヒマワリも、夏の名残を惜し
むように枯れ始めている。
秋は夏の草花や虫たちを巻き込みながら、忍足でやって来るのだ。
さて、その日常をいかに過ごそうか。
しばらく休んでいたプロ野球ペナントレースが再開する。
我がタイガースは前半快調に飛ばして、2位に2ゲーム差で首位に立っていので、後半戦もこ
のまま突っ走って、今年こそリーグ優勝そして日本一になって「冥途の土産」にしてほしい。
秋の夜長、ゆっくり読書にも浸りたい。
読みたい本も何冊かアマゾンから取り寄せたので、ページを開くのが楽しみだ。
特別な日々じゃなくても日常を丁寧に過ごす、それも貴重な生き方と思う。
📚 心に響いた名文 📚
諦めと惰性と使命感とほんの少しのあたたかさ。こまごまと毎日働き、自分の
役目を果たすときの心情と同じ感覚で、細く結びついている。そんな関係を、一
言で表す言葉はない。ないから戸惑う。あいかわらず「妻と夫」ですませて安穏
としていられる夫に、苛立ちを覚える。でも一緒にいるのををやめたくない。
その理由を「愛」と言えたなら、すごく簡単なのだけど。
三浦しをん「まほろば駅前番外地」(文春文庫)
蝉の亡骸が目につくようになった
ヒマワリも夏にサヨナラ
青空もなんとなく深くなって・・・