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マリンスポーツ 安全潜水 冠動脈疾患、不整脈、日頃の運動、健康診断 負荷検査/2022.2.26/DIVING MEDICINE

2022-10-30 16:34:29 | 連絡

知っておきたい循環器知識~第21回安全潜水を考える会 研究集会より PART1~/2022.2.26/DIVING MEDICINE
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【Profile】
高木元先生
 総合内科専門医、循環器専門医、脈管専門医として、生活習慣病より循環器難病治療までを幅広く診療し、特に血管病を専門としている。
現在、日本医科大学にて血管再生治療や高気圧酸素治療室を担当。
水上スポーツである日本ボート協会のスポーツドクターとしても活動中
 ※本記事はDAN JAPANが発行する会報誌「Alert Diver」2019年12月号からの転載です。 
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〇COLUMN:第21回 安全潜水を考える会 研究集会
 「ダイビングの事故を未然に防ぐことを目的として、1998年より毎年開催されている「安全潜水を考える会 研究集会」。
 2019年も、11月9日(土)に、東京海洋大学にて「第21回 安全潜水を考える会 研究集会」が開催されました。
本誌「Alert Diver Monthly」では、3名の講師による「安全潜水」に関連する講演を2号(vol.30~31)にわたって誌上特集します。
〇CHAPTER01 日常運動の重要性
・日常的な運動で筋力と心肺機能を維持
年齢を重ねると、生活習慣病が多く見られるようになってきます。生活習慣病のみなさんにダイビングを長く続けていただきたい、安全に楽しんでいただきたいと思い、そのために知っておくべき健康管理についてのヒントをお伝えできればと思います。
 ダイバーの中には日常的に運動されている方もいるかと思いますが、健康管理において「日常運動」はとても大切です。
全身を使った運動、中でも有酸素運動が良いということは広く知られていると思います。
 特に病気をした後は、リハビリのために運動療法が必要になります。
「病気で入院して10kg体重が減ってしまった」という話を、ご家族や知り合いなどから聞くことがあると思います。
病気が原因で体重が落ちてしまったこともあるかもしれませんが、その多くは動かなかったことで筋肉が減ってしまったことが原因です。 
よって、健康な方も日頃から適切な運動を心がけ、筋力や心肺機能を維持することがとても大事です。
運動方法も、急激な高負荷運動と、それ以外は安静のみというのでは、かえってリスクが高くなり健康を害する危険性があります。
日常的にこまめに運動することが大事です。
〇肥満で心血管疾患のリスクが高まる要因
日常運動の重要性を示す理由の1つである「肥満」というキーワードに注目してみましょう。
「糖尿病及び高コレステロール血症がなく代謝的に健康であっても、肥満の女性は健康で肥満がない女性に比べて、心血管疾患(CVD)発症リスクが39%高い」という論文が発表されています。
肥満の目安は「BMIが30以上」ですが、体格のいい欧米人ではBMI30を上回る方は当たり前のようにいます。
日本人ではBMI30を上回る方はそれほど多くないかもしれませんが、BMI25以上だと「肥満傾向」となり、当てはまる方はご注意いただきたいと思います。 
また、この論文は「女性は」という条件になっていますが、肥満傾向にある方は、男性も心血管疾患のリスクは高まりますので、注意が必要です。
さらに、「代謝的に健康」というのはどういう状況で、維持するためには何が大事なのでしょうか。
これについては、「心肺の持久力がより重要」という研究報告があります。健康と代謝の維持には、運動によって心肺機能を維持することがとても重要なのです。
運動することで肥満が解消され、健康が維持できることがよくわかっていただけると思います。 
〇サルコペニアにならないための減量法とは?
さて、肥満の改善には減量が必要となりますが、どのように実施すれば良いのでしょうか?
最近話題の「低炭水化物ダイエット」ですが、これは危険を伴います。
炭水化物を人の何倍も食べている人であれば、食べる量を減らせば健康な人に近づくことができます。
しかし、普段から炭水化物を正常に食べる人が、極端に炭水化物を減らすことは勧められません。
 糖尿病学会では、食事摂取カロリーの半分を炭水化物で補うことが推奨されています。
ご高齢の方では、半分でも多いという場合もあり、40%程度が目安になりますが、少なくともこの程度は炭水化物を摂った方が良いのです。 
また食事を極端に制限するダイエットをすると、脂肪だけでなく筋肉も減ってしまう「サルコペニア」と呼ばれるガリガリの状態になってしまいます。
ダイエットをするときはむしろしっかり食べないといけないのです。
何を食べれば良いのかというと、やはりタンパク質を重視します。
腎臓が悪く、タンパク制限を言われている方は「タンパク質を摂ってはいけないのではないか」と思うかもしれませんが、腎臓学会でも運動に合わせタンパク制限を緩めようという動きがあります。 
こういった食事による適切な体重管理に加え、有酸素運動とレジスタンス運動(※1)を組み合わせた運動療法を行うことで、筋肉量を増やして、健康的に痩せることができます。(※1) レジスタンス運動=筋肉に繰り返し負荷をかける筋力トレーニング 
〇生活習慣病の方には運動療法が特に大事
私の患者さんには冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)の方が多いのですが、この病気の原因となるのが糖尿病や高血圧などです。グラフ(図1 糖尿病合併冠動脈疾患患者による心臓リハビリテーション後の改善値 )
下記URL参照

を見ていただくとわかりますが、「非糖尿病患者では運動療法効果は少ないが、糖尿病患者では運動療法を継続すれば死亡率、再入院率が低下する」という結果が報告されています。
糖尿病のない方は、運動療法をしてもしなくても、死亡率や再入院率などのデータに大差はありません。
しかし、糖尿病患者では、運動療法を行うことで大幅に予後が良くなります。糖尿病患者はものを食べると血糖値が極端に上がるため、「血糖値を下げるために運動をしましょう」と我々医師は頻繁に言っていますが、それがこのデータにも表れているのです。
次に「どういった病気に、運動が有効か?」というデータを紹介します。
脳卒中や心不全はリハビリによって死亡リスクが減少します。
また前糖尿病(糖尿病予備群)の方にも、運動療法は効果があります。
このように疾患によっては、「運動療法が薬剤に勝るものも存在する」ということをご理解いただけると思います。
〇CHAPTER02 ダイビングの運動レベル
・ダイビングにおける体にまつわる4つのリスク
ダイビングと他のスポーツを運動レベルで比較した内容が、日本循環器学会のガイドラインに掲載されています。
こちらを紹介する前に、私が考える「体にまつわるダイビング特有の4つのリスク」をご紹介したいと思います。 
1、途中で止められない
 ダイビングを開始して泳ぎ始めたら、終了するまで休むことはできません。
しかし、水中では、思わぬトラブルが起きることがあります。
こむら返りなどの筋痙攣が起きた場合や、喘息がある方は発作が起きるかもしれません。
こむら返りを起こさないためには、潜る前にしっかりストレッチをし、水分を摂ってから潜ること、喘息などの持病を持っている方は担当の医師に相談するなどの事前対処をしっかりしておきましょう。
なお、高齢の方は、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクも考えられます。
もし水中で発作が起きた場合には、一命を取り留めることが難しい場合もあるかもしれません。 
2、水が飲めない
真夏の炎天下でダイビングする場合などは、特に注意が必要です。
海水は高浸透圧なので、体の中の水分はどんどん出ていきます。
さらにウエットスーツを着たままの状態でいると、脱水や熱中症のリスクを高めます。
これを助長してしまうのが、飲酒。ダイビング前日はお酒を控えることが大事です。
 3、パニックの可能性
器材にトラブルが起きるなど予測不能の事態が起きることでで、パニックになる可能性があります。
水中でパニックを回避する手立ては限られていると思いますが、冷静に対処することが肝心です。
 4、自然による影響
高波・潮流、水温低下などの自然による影響は、自己管理ができない現象です。また、もともと海の中は呼吸ができない場所。
「器材がなければ呼吸できない場所にいる」ということを意識しておくことは大事かと思います。
万が一、何かが起きても、すぐに救急車が助けに来てくれる場所ではないことも、当然ですが忘れないようにしましょう。
〇他のスポーツと比較するダイビングの運動レベル
では、次に、他のスポーツと比較したダイビングの運動レベルを見てみましょう(表1)。表1 スポーツ別運動強度(競技中の静的要素と動的要素に基づくもの) 
下記URL参照
横軸は「動的な要素(最大酸素摂取量)」、縦軸は「静的な要素(最大随意収縮力)」を表しています。
ダイビングはどこに位置するかというと、酸素消費量はそれほど多くないので左端の「A. 軽度」、筋肉を使う度合いを示す最大随意収縮力は「Ⅱ.中等度」に位置します。
ダイビングがレジャーと言われる所以は、酸素消費量をそれほど要せず楽しめるからと考えます。 
〇CHAPTER03 健康を維持していくために
・運動前のスクリーニング 家族歴にも要注意
運動する際に、スクリーニング(※2)が必要なケースがあります。
(※2) スクリーニング=無症状の患者を対象に、特定の疾患の罹患を疑われる対象者、あるいは発症が予測される対象者を選別すること
スクリーニングについて、私たち医療従事者がどのような基準を設けているのか、一般の方にも知っておいていただきたいと思います。
ダイビングをする際に、問診票に既往歴を書く欄があると思いますが、こちらと同じような基準になっています(表2)。 
表2 運動前のスクリーニングが必要なとき 
下記URL参照
中でも特に注意したいのが、家族歴です。
ご家族の中に「若年者の突然死」をされた方がいる場合は、何らかの心疾患を持っている可能性があります。
激しい運動をしてはいけない方が含まれているケースもあります。
また「心臓病患者」がご家族にいる方も、遺伝的に心臓病になりやすい傾向があります。
また「心雑音」や「高血圧」などの既往歴がある方は、健康診断で指摘されると思います。
健康診断の結果を放置せず、診察を受けることが重要です。
ダイビングを行うことを担当の医師に相談しましょう。
きちんと症状を管理できていれば、ダイビングができる場合も多くあります。
 なお、「最近とても疲れやすい」「意識を失って倒れてしまった」などの症状がある場合は、すぐに診察を受けましょう。
「階段を上っていると、周りの人が追い抜いていくような気がする」「歩いたときに胸が痛い」などの症状がある方も要注意です。
こういった方は、心音に雑音があるかないか? 超音波で診断する必要があるか? 血圧が高いか低いか? 足の血流が悪くないか? 等を医師が診察します。また、中には「マルファン症候群」という血管が割れやすい病気もあるので、注意して診察を行います。
〇運動強度を標準化したMETs(メッツ)とは?
患者さんが受診し、「運動をしても大丈夫か?」を診断するときや、みなさん自身が「自分の年齢だったら、どれくらいの運動ができるのか?」を確認するときには、心拍数が1つの判断基準になります。
そして、もう1つは、最大酸素消費量が基準になります。
スポーツ選手がマスクをつけて、自転車を漕いでいる姿を見ることがありますが、これは酸素消費量を計測しているのです。 
 とは言っても、一般に酸素消費量を計測する機会はあまりないでしょうし、自分がどれくらいの運動ができるかはわかりにくいと思います。
これをわかりやすく数値化したのが「METs(メッツ)」です。
METsとは、身体活動の強度を表す単位で、運動によるエネルギー消費量が安静時の何倍に当たるかを示しています。
椅子に静かに座っているときは「1METs」です。
そして、3階まで階段を上ればおよそ「4METs」になります。
この4METsという数値は、一般的に手術をしても大丈夫かどうかを判断するときの基準にもなります。
このことから、何らかの既往があっても、ある程度までなら運動しても大丈夫だということがわかると思います。
 表3 各運動強度のMETs表示 
下記URL参照
〇ダイビングにおける運動強度は「7METs」
スクーバダイビングの運動強度は「7METs 程度」とされています。
DANメディカルガイドラインでは「ダイビングの危険性を回避するために、また、他人を救助するためには13METsであることが理想です」ということになっています。
大体ほかの運動でも、7METs程度が基準となっていますが、非常に速く泳いだ場合は、酸素消費量が一気に上がり、13METsにもなり得ます。
自分がどれくらいの強度の運動ができるかを知っておくことはとても大事です。 
また、指示された基準を上回る運動をすると、突然死のリスクが上がることがあります。
「学校生活管理指導表による指導と死亡(一般人の死亡との比)」のデータを見てみると、既往歴があり「同年齢の平均的児童生徒にとっての中等度の運動」が許可されたグループにおいても、一般人と比べ総死亡率が20倍、急死率は100倍も高くなっています。
原因はもともとの病気にもよりますが、恐らく指示された程度を超えた無理な運動をしたことが原因です。
「運動中の急死の約40%は、指導より強い運動中であった」と分析されており、既往歴がある方は特に医師から「これくらいの運動までなら大丈夫」と言われた基準をしっかり覚え、守る必要あるのです。
〇スポーツでの突然死の原因は冠動脈疾患が最多
死亡したダイバーの統計を見てみると、40歳以上の方が圧倒的に多くなっています。
また死亡したダイバーの21%に高血圧、心血管疾患、糖尿病があるというデータ(※3)
(※3)『 Annual Diving Report 2012-2015 Edition』参考
があります
やはり既往歴がある方はしっかり申告していただきたいのですが、既往歴があるからといってダイビングをしてはいけないということではありません
きちんと担当の医師に相談して、管理することが大切なのです。 
また、突然死に関連したデータ(※4)
(※4)『 循環器学会ガイドライン「心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン」(2007 年度合同研究班報告)』参考
を見てみると、一番多いのはコンタクトスポーツ(他人とぶつかる危険がある競技)、次いでランニングとなっています。
ダイビングの場合、数は少ないですがリスクがないとはいえません。
またスポーツでの突然死の原因となる病気は、冠動脈疾患が一番多いことがわかっています。 
〇ダイビングにおける循環器のリスクとは?
血液は心臓がポンプとなり、体の各部位に送られていきます。
送られた血液は静脈を通って心臓に戻ってきますが、足にいった血液は立ちっぱなしや座りっぱなしの状態だと、重力の影響で心臓に戻ってきにくくなります。
これに反し歩くとふくらはぎの筋肉がポンプになって、血液が戻りやすくなります。
また足を上げたり、横になったりすると、一気に心臓に血流が戻ってきてしまいます。
このように急に大量の血液が心臓に戻ってくると、心臓に疾患がある場合は負担となります。
さらに、水中では10m潜るごとに1気圧ずつ圧力がかかります。
手や足など全身に水圧がかかり、その結果心臓に戻ってくる血液の量は多くなると言われています。
静水圧による静脈還流増加を利用した足浴や温泉、プール運動などでむくみが改善できるというプラスの効果もあります。
一方、心臓弁膜症や心筋症、心筋梗塞等で心機能に障害がある方は、静脈還流が増えることで心不全を起こすリスクになるのです。
 〇「スポーツ心臓」に隠れている心筋症
スポーツを続けていると、「スポーツ心臓(※5)」
(※5) スポーツ心臓=継続的な運動トレーニングを長期間行うことで通常より大きく肥大した心臓。
安静時の心拍数低下といった一過性変化を示す
になることがありますが、この背後に心筋症(心臓の筋肉に障害をきたす疾患)が隠れていることもあり、適切にスクリーニングされない場合には突然死の危険性があります。
健康診断を受診した運動選手で、心電図上スポーツ心臓の疑いのある人と正常者の予後を比較したところ、「平均23歳の心電図異常者の6%に心筋症がある」という研究報告があります。
数は少ないものの致命的リスクがあるので、スポーツ心臓が疑われる人は健康診断をきちんと受けて、何か異常があったら精密検査をしましょう。

〇CHAPTER04 40代以降のダイバーが気を付けるべきこと
〇冠動脈疾患のリスクを軽減しよう
40歳を超えると動脈硬化、高血圧などの症状が見られる方が増えてきます。
心疾患の既往歴がない方でも動脈硬化が進行したり糖尿病や高血圧などの生活習慣病が加速因子となったりし、冠動脈の塞栓部位によっては、突然死もありえます。
 また、心疾患の既往歴がある方は、既往歴がない方と比較した場合、2倍も再発しやすくなります。
だからといって、ダイビングをしてはいけないというわけではありません。
定期的な健康診断を参考に、循環器の専門医による正確なチェックを受けるようにしましょう。
〇不整脈がある場合は必ず受診する
 不整脈の9割は放置しても大丈夫と言われていますが、QT延長症候群、ブルガタ症候群などの場合は突然死のリスクがあります。
また、加齢とともに増えてくるのが心房細動による脳梗塞の危険性です。
心不全、高血圧、高齢(75歳以上)、糖尿病、脳卒中などの既往歴があるとリスクが高まります。
こういった場合、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)などで脳梗塞が防げます。
不整脈が比較的短時間で消失し、自覚症状がないかあるいは極めて軽く、心不全を生じていないという一過性の不整脈の場合は、運動負荷により悪化がないことを確かめれば運動をすることが可能です。
運動負荷で急に心拍数が増加するような場合は、適切な治療を受けてから運動をするようにしましょう。
〇安心してダイビングを楽しむために
最後に、40代以降のダイバーのみなさんがダイビングを楽しむために、気をつけていただきたいことを紹介しましょう。 
●日頃の運動を続ける
運動の重要性は冒頭からお話ししてきました。定期的に運動を続けるようにしましょう。
●健康診断を受ける
シーズンに入る前に予定しましょう。
 夏にダイビングをするなら、春には受けることをお勧めします。
 ●既往歴のある方はかかりつけ医と十分相談を
運動を始める前に担当医に相談をすることが大事です。
 
〇適切な運動量がわかる「運動負荷検査」
どんな運動を、どのようにすればいいかを指導するため、日本医師会には、「運動処方」というものがあります。
しかしこれは、普段運動していない方や病気をした方への安全な運動内容を指示することが目的なので、ダイバーなどスポーツを楽しむ方の体力を測定する目的に対しては不十分と思います。
そこで適切な運動量を知るのに役立つのが、「運動負荷検査」です。
自動走行するベルトコンベアーの上を歩く「トレッドミル負荷試験」と床に固定した自転車を漕ぐ「心肺運動負荷試験」、また、2段の階段を昇降する「マスター二段階法」という3種類の検査方法があります。
「マスター二段階法」では、7METsまでしか評価できないので、ダイバーの方が自分の運動負荷レベルを確かめたい場合は、制限なく負荷がかけられる「トレッドミル負荷試験」がおすすめです。
 どのようなスポーツでも、運動負荷の結果をもとに必要なトレーニングをすることが安全上大事です。
ダイビングはレジャーの要素が強いかもしれませんが、スポーツとして認識していただきたいと思います。
安全にダイビングを楽しむには、自己管理が欠かせませんが、
具体的には「健康診断+負荷検査」を十分評価することが欠かせません。
一方運動負荷検査ができる病院は限られていますので、いつどこでどのように受けられるか、各スポーツ団体で環境整備をしていくことがこれからの課題となります。健康管理をしっかりと行い、ダイビングを長く、安全に楽しんでいただければと思います。 
 今回転載した記事のほか、DAN JAPANでは会員向けの会報誌「Alert Diver」にて最新の潜水医学、安全情報を発信中。もっと詳しく知りたい方はDAN JAPANの会員情報をチェック!会員にはダイビングに特化した保険や医療関連サービスも。 https://www.danjapan.gr.jp/


 

高山病とその予防 主な症状 予防法 持病、既往症/山梨県富士吉田市,鎌岩館

2022-10-30 09:40:42 | 連絡
〇高山病とは
標高が高くなるにつれ、気圧は下がり、大気中の酸素濃度が低下していきます。そのため、血中の酸素濃度も低下します。
富士登山で起こる高山病は、「急性高山病」と呼ばれるもので、普段の生活から急に高地に行くことで起こります。
つまり高山病とは、低圧・低酸素に身体が順応できずに、主に「酸素の不足」を原因として起こる様々な症状のことなのです。
高山病は、誰にでも起こる可能性があります。
〇発症する高度
発症する高度は人によって違いますが、一般的には、標高2000メートル程度から発症します。
また、その時の身体の状態、年齢などによっては1500メートル程度でも発症するとされています。
〇主な症状
富士登山において起こる高山病は、通常「山酔い」と呼ばれる「軽度の高山病」です。
これは、「頭痛、倦怠感、吐き気、食欲不振、めまい、耳鳴り、睡眠障害など」といった、風邪や二日酔いに似た症状を引き起こします。
また、高山病の怖いところは、「山酔い」だけではなく、山酔いが重症化することで、「高地脳浮腫」や「高地肺水腫」といった「重度の高山病」を引き起こし、非常に稀にですが危険な状態に陥ることがあるという点です。
くれぐれも症状を甘く見て、無理をすることが無いように気をつけましょう。
〇予防法
これは、あくまでも発症する「確率を下げる」だけのものです。
下記の内容を守ったからといって、「絶対に高山病にならないということはありません」。
・下界~五合目まで
 前日には、睡眠をしっかりと取り、登山当日に疲れを残さないようにする。
 まずは、五合目で高地順応のため、1時間くらい過ごす。
・登山中
  • オーバーペースにならないように、意識してゆっくりとしたペースで登る。
  • 歩いては休み、歩いては休み、休憩を取りながら登る。
  • 呼吸が浅くならないように、深く大きく呼吸するように気をつける。
  • 水分を普段より多く、マメに摂取することで、血液により運ばれる酸素が、効率よく行き渡ります。
  • 飴玉などで、糖質(炭水化物)を適度に摂取する
〇その他
  • 身体を冷やさないように、保温を怠らないようにする。
  • 腹部を締め付けないように、ズボン・リュックのベルトに気をつける。
  • 暴飲暴食は避け、消化器系の負担を減らすように心掛ける。
  • 必要な酸素量を増やさないためにも、余計な運動は避けるようにする。
  • 心配に思われる方などは、「簡易酸素ボンベ」を用意しておくのも一つの手段です。
  • 途中の山小屋で長めの休憩を取り、時間をかけて身体を高度の順応させるのも有効です。
  • 最後に、高山病を必要以上に、気にしないということが大切です。
  • お子様連れの方は、お子様の登山のペース、体調不良を起していないかなど、気をつけるようにしてあげてください。
  • アルコールの摂取 ・ 睡眠薬の内服は、呼吸を抑制し、充分な酸素を体内に取り入れることを阻害します。高山病の悪化にも繋がるので、注意しましょう。
  • 女性の方で、生理の際に登山をする場合、「鉄不足を原因とした貧血」を起される方は、事前に鉄を補充するようにしましょう。
  • また、妊娠中の女性は、横隔膜があがった状態のため、呼吸数の増える高地では「過呼吸」を起しやすく、高度の急激な変化により「自然流産の可能性」が上がるということが考えられます。妊娠中の女性の登山はあまりお勧め出来ません。
〇もしも発症したら
どんなに軽い症状でも気付いたら、その場所より高度を上げないようにし、症状が完全に回復してから登ります。
症状の改善がみられない場合は下山しましょう。絶対に無理は禁物、下山する勇気も大切です。
頭痛薬などの薬を飲み、それにより症状が治まる場合があります、しかし、酸素の欠乏が改善された訳ではありません。高山病であることを認識し、薬の効果が無い状態で症状が治まるまで、登ることはやめましょう。
〇持病、既往症
山病は、誰にでも起こる可能性があります。しかし、下記のような持病、既往症のある方は、ほかの人より注意が必要です。
  • うっ血性心不全
  • 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫・慢性気管支炎など)
  • 呼吸不全
  • 高血圧
  • 貧血
  • その他、呼吸器系、循環器系の疾病など
このような症状に当てはまる方は、担当の医師や、かかりつけの病院にて、事前に診察、相談をしておきましょう。
〒403-0006
山梨県富士吉田市新屋4-2-57 (事務所)
マウントフジフォース株式会社

鎌岩館へのお問い合わせ※ご予約はオンラインのみ
■7月1日~営業終了日までは不休。期間外はEメールまでご連絡下さい。
TEL 080-1299-0223
受付時間 8:00~19:00。期間外はEメールまでご連絡下さい。
E-mail 7@kamaiwakan.jpn.org
fax05031643733



高山病:高地障害症候群(high altitude syndrome: HAS)/帝京大学救命救急センター鈴木 宏昌

2022-10-30 09:11:24 | 連絡
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帝京大学救命救急センター
Trauma and Critical Care Center,
Teikyo University, School of Medicine
鈴木 宏昌 (dangan@ppp.bekkoame.or.jp)
Hiromasa Suzuki, MD
(Any comments, questions are welcome.)
:::::
診断と治療 Vol.85 増刊号
知っておくべき救急疾患100
責任編集:葛西 猛(亀田総合病院救命救急センター長)
<B. 主要な救急疾患の診断と治療>
4. 大気圧変化による疾患
::::: 
日本においても富士山(3776m)を筆頭に3000m以上の山は相当数あり、登山による高山病の可能性はある。
また、交通機関の発展により、2000~3000m級の高度の至る自動車道もあり登山を目的としない観光客が訪れる機会も増えている。
更に、海外の高地にスキーや観光で訪れる日本人も年々増加の一途をたどっており、いわゆる「高山病」にかかるチャンスは増えつつあると言える。
  急速に高い高度に移動することによって起こるさまざまな生体障害を高地障害症候群(high altitude syndrome: HAS)という。
高地障害症候群で重要な病態は次の3つである。
  1. 高山病 (Acute mountain sickness: AMS)

  2. 高地脳浮腫 (High altitude cerebral edema: HACE)

  3. 高地肺水腫 (High altitude pulmonary edema: HAPE)

    〇高地における生体障害の機序
高度が高くなることによって起こる生体への影響は次の2つによる。
  1. 気圧低下による物理的障害 (ALTITUDE-INDUCED DECOMPRESSION SICKNESS) 通常我々が生活している海抜0mでの気圧は1気圧(ATA)であるが、高度が高くなるほど気圧は低下する。急激に気圧が低下すれば減圧症(decompression sickness:DCS)も起こり得る。実際、急激に18000ft(約5500m)に上昇すれば DCS となり得る。こうした気圧低下によるDCSが問題となるのは主に航空機である。通常、現在の航空機は機内の気圧がコントロールされているため DSC の起こることはないが、航空機事故ではその可能性がないとはいえない。また、潜水直後に高い高度に上昇すれば、組織溶在窒素量が多いため低い高度でも発症の可能性がある。
  2. 酸素分圧低下による障害
    気圧の低下が生体に及ぼす最も大きな障害は酸素分圧の低下による低酸素症(hypoxia)である。
    基本原理
     Daltonの法則によれば、全気体の圧力は各混合気体の分圧の和であるから、
      P(t) = P(O2) + P(N)+P(x)
      P(t):全気体の圧力  P(O2):酸素分圧  P(N):窒素酸素分圧
      P(x):その他の気体の酸素分圧
    となっている。高度の上昇とともにP(t)が低下するのでP(O2)も酸素の組成比率(21%)のまま低下することになる。
    たとえば、高度4500mでは気圧はおよそ430mmHgとなり、酸素分圧(PiO2)は80mmHgに低下する。この時動脈血の酸素分圧は52mmHgまで下がり、酸素飽和度は85%を切る。これが高地における低酸素症発生の原理である。グラフは<下記 URL http://www.med.teikyo-u.ac.jp/~dangan/DATABANK/altitude/highaltitude.htm参照>生理学的反応
      以下の如き生理学的反応が起こらず、異常な反応を示すのが「高地障害症候群」である。
    • 過換気 (hyperventilation)
        酸素分圧の低下により低酸素血症となるとcarotid bodyにより低酸素血症が感知され呼吸中枢(延髄)を刺激して過呼吸が起こる。低酸素症に耐えるためには過換気を維持しなければならないが、過換気により低炭酸ガス血症となり呼吸性アルカローシスとなって呼吸中枢は抑制されてしまう。しかし、健康人では腎からの重炭酸利尿によって呼吸性アルカローシスは代償されpHが維持され過呼吸が続く。こうした呼吸の馴化には4~7日かかるといわれている。acetazolamideは炭酸脱水酵素を抑制しアルカローシスの治療薬として使われる薬剤だが、重炭酸利尿を促進し呼吸性アルカローシスを速く是正するため、この馴化を短縮する。
    • 体液バランス (fluid balance)
        高所に至ると末梢静脈は収縮し、中心血液量(central blood volume)が増加する。これによってbaroreceptorが刺激されて ADH や aldosterone の分泌が抑制され利尿が起こる。呼吸性アルカローシスの代償として起こる重炭酸利尿と合わせ、循環血症量は低下し、高浸透圧血症(290~300mOsm)となる。これが正常の生体反応であり、利尿が起こらず体液貯留が起こることによって「高地障害症候群」が起こる。

    • 循環器系 (cardiovascular responce)
        1回拍出量は低下し心拍数が増加する。心筋自体は低酸素血症には強く、正常心筋は PaO2<30mmHgにも耐える。血圧は、交感神経系が緊張することにより軽度上昇するが、有意な変化ではない。最も重要な心血管系の変化は、肺血管の収縮である。この反応が強いと高地肺水腫(HAPE)へと進展する。また、低酸素血症に対して脳血流は増加し脳圧が上昇する。脳圧の上昇が高山病(AMS)に見られる頭痛や高地脳浮腫の発症にかかわっていると考えられている。

      • 睡眠障害 (sleeping disturbance)
          深い眠り(stage IIIとIV) が少なくなり、浅い眠り (staga I)が増加する。不眠を訴えることが多い。また、こうした睡眠中に無呼吸発作が起こりCheyne-Stokes様呼吸となり低酸素症を助長する。しかし、こうした睡眠中の呼吸異常は必ずしも HAS を意味しない。

    • その他
        高地に至って2時間ほどでerythropoietinは増加する。数日~数週で赤血球数が増加し、酸素運搬能は上がるが血液のsluggingが起こり易くなる。DCSとともに微少血管閉塞の原因となり病態に関与していることが示唆されている。
    • 以下下記URL http://www.med.teikyo-u.ac.jp/~dangan/DATABANK/altitude/highaltitude.htm
    • 参照


    • http://www.med.teikyo-u.ac.jp/~dangan/DATABANK/altitude/highaltitude.htm



一日の血圧の変動について 家庭血圧は、少なくとも1日2回安静状態で測りましょう/OMRON

2022-10-30 08:49:13 | 連絡
血圧は常に一定ではなく、健康な人であっても一日の中で変動しています。
普通は起床後徐々に上昇し、日中に高さのピークをむかえて、夕方から夜にかけて下がっていきます。
これを「血圧日内変動」と呼びます。
また、時間帯や曜日、会議中、デスクワークなどの異なる状況下において、血圧変動のパターンに個人差や違いがあることも確認できています。

〇ウェアラブル血圧計で日中の血圧を測定
時間帯や曜日、異なる状況下における
「日中血圧変動の違い」 を確認
オムロン ヘルスケア社員30名が2時間ごとに日中血圧を測定 

さまざまな要因による血圧の変動を確かめるためには、一日のなかでの複数にわたる血圧測定や、継続的な測定が有効です。
そして、正しい血圧値を知るには、毎日同じ時間に同じような状態・環境で測りましょう。
※家庭血圧は、少なくとも1日2回(起床時1時間以内の排尿後・朝食前・降圧薬服用前と就寝時)、安静状態で測りましょう。

血圧の変動(日内変動)について知り、そのリズムや関連する生活習慣等について正しく理解することは、とても大切なことです。
自分の心身の状態やリズムをより正確に把握することで、日々の健康管理に役立てましょう。






10/30(日)二十四節気の霜降8日目、〇〇は(^。^)にときめいています。

2022-10-30 08:41:58 | 連絡
〇秋分9/23、寒露10/8、霜降10/23と秋めいてきてますが、最近ときめいていますか? 
〇〇は(^。^)にときめいています。
(^。^)体を温める食材には、冬に旬を迎えるもの、産地が北方系であるもの、土の中でゆっくり育つものをはじめ、濃い色や暖かな色のもの、そして発酵食品があります。
体を温める食材(陽性):ねぎ、にんじん、ごぼう、こまつな、れんこん、やまいも、かぶ、黒砂糖、肉、魚、卵、味噌、納豆、チーズ、酒粕、紅茶など。鍋料理・・・。
(^。^) 天気痛や介護の予防、元気=免疫力=アップ 「おおた健康講座、ダンス」「ぽかぽか竹ツボ体操」「大田区六地蔵尊巡り」のサイトVer22-01-08
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/02d5e81b061c4e41ed4f16accb9f2e22
 

(^。^) 「あさナビ 」、足裏マッサージ、散歩、歌う=声帯筋肉・腹筋トレ、縄跳び=有酸素運動 2022年4月14日(木)黒木瞳、中村雅俊22-0714改訂のサイト
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/ae8d4ce09b5e18cff4a0817aca8b24c9