

パリの町で、ウォルポールさんはヒュームさんと同じオテルに滞在していました。
ヒュームさんは、ウォルポールさんの親戚である、元パリ駐在の英国大使、
ハートフォード卿の秘書官・大使代理として働いていました。
けれども、ハートフォード卿がアイルランド総督となってパリを去り、
新大使も着任したため、代理役からも解かれて、
この記憶の中の時点では、ただのヒュームさんとなっていました。
で、J.J.ルソー氏を英国に連れ帰るための、パリでの活動の最終段階に入っていました。
ルソー氏は、 「 ヌーヴェル・エロイーズ 」 を発表した頃と、
フランス革命の足音が大きくなって来た頃には絶大な人気を博していました。
けれどもその間に挟まれているこの物語の頃の期間は、世の中から危険人物として白眼視されていました。
その一方で、根強い支持者も少なからず存在したのでした。
それが状況を複雑にし、英国でも大騒動を引き起こしてしまいます。
そしてウォルポールさんが、その大花火大会の火付け役をしてしまうのでした。
ウォルポールさんとヒュームさんの宿泊所に、ジェイン姫がやって来ました。
多分、ウォルポールさんが落葉の御方様と会った後なんでしょうけど。
ジェイン姫、開き直った上に、ウォルポールさんを挑発すらしているようなのですが、
第10・11話ではお淑やかな感じですらあったのに、実は二面性 ( もしくはそれ以上 ) のものがありそうです。
