コロナ重症化防ぐため医師がすすめる「2週間以上のヨーグルト」
6/4(木) 11:33配信
女性自身
もちろん、ほかの食品もバランスよく食べることを忘れずに。
「収束のための1カ月」と安倍首相が語った5月が終わり、ついに、東京を含むすべての都道府県で緊急事態宣言が解除された「新型コロナウイルス」。
5月7日にはエボラ出血熱の治療薬だった「レムデシビル」が新型コロナウイルスの治療薬として国内初の薬事承認を受け、中旬からは医療機関での使用が認められた。また、新型インフルエンザの治療薬として開発された「アビガン」も承認こそ遅れているものの、その存在は早くから注目を集めており、すでに国内でも3000例近く投与されているという。
これらの薬に共通していえることは「ウイルスの増殖を抑え、症状を改善する」こと。
5月半ばには抗原検査キットが国内初承認を受け、PCR検査を補完する存在として期待されているが、こうした医療品が続々と承認・使用されるようになっていけば、ウイルスへの向き合い方も、おのずと新しい段階に入っていくことになるだろう。
つまり、今後は、引き続き感染予防には注意を払いながらも、「もしも感染した場合は、重症化や最悪の事態を免れるための対策をとる覚悟」を持つ必要があるのだ。
免疫に詳しい、順天堂大学大学院医学研究科の竹田和由先生は次のように語る。
「ワクチンが開発され、一般化するのはもう少し先のことでしょう。また、一般的にウイルスは、人口の大多数であるおよそ7割が感染して免疫を獲得する『集団免疫』ができあがることで収束に向かっていくものですが、この獲得にもまだまだ時間がかかるはず。新型コロナウイルスが世界中でここまで感染が拡大した以上、『自分も感染している、または感染する可能性がある』と考えたうえで、重症化しないよう自衛する工夫が必要といえるでしょう」
現在、働き方や、人とのコミュニケーションの取り方において模索されているのが「WITH コロナ」という考え方。ウイルスの根絶を目指すのではなく、共に生きることを前提とするものだ。
これは「健康の維持」においても同じで、新型コロナウイルスと“上手につきあう”ことも目を向けなければならない段階に移りつつあるといえるだろう。
そのためのポイントが、ウイルス感染と深く関わる「免疫力」だ。万が一、新型コロナウイルスに感染した場合に備えて、免疫力を日々、強化しておくことが重症化を防ぐカギ。
では、その「万が一」の際、重症化を防ぐために私たちができることとはなんだろう? そこで、竹田先生が推奨する免疫力向上のための日々の習慣を紹介。
■ヨーグルトは2週間以上継続して食べるべし
健康にいい食品として、不動の地位を誇るヨーグルト。体内の免疫細胞の約7割が集まっている腸内環境を整えることは、免疫力を上げるためにも非常に重要だ。
「発酵食品が腸内環境にいいことはすでにおなじみですが、そのなかでも乳酸菌が作る多糖体(EPS)などの物質が腸で吸収され、ダイレクトに自然免疫(生まれながらに持っている免疫)を活性化すると期待されています。もちろん、乳酸菌を含んだ食品は納豆やキムチなどたくさんあり、ヨーグルトに限りません。しかし、ヨーグルトの場合は1食あたりの乳酸菌の含有量が安定しているところが最大の特徴です。あらかじめ2週間から3週間食べ続ければ腸内環境を改善する効果が出るように作られているので、もっとも効果的な乳酸菌食品といえるでしょう。なかでも、R-1乳酸菌はほかの乳酸菌に比べてEPSを大量に作り出すことがわかっており、NK細胞(自然免疫のなかでもウイルス感染に対して主に働く細胞)の活性をとくに高めることが確認されています」
もちろん、ほかの食品もバランスよく食べることを忘れずに。
■家事の合間にリラックスの時間を作ろう
長引く「STAY HOME」で、改めて掃除や片付けなどに目覚めた人も多いかもしれない。住まいが快適になるだけでなく、運動不足になりがちな体を積極的に動かせることから一見「いいことずくめ」だが、根を詰めすぎるのは要注意だという。
「体を動かすことでNK細胞が増加することがわかっていますが、それは家事でも同じこと。掃除のようなきつい家事の最中はNK細胞の数が増加し、活性も上がりますので、家事も免疫力の向上には重要なポイントだといえます。ただし、あまりハードに体を動かすと、その直後からNK細胞の数も活性も下がり、回復に長い時間がかかってしまうという結果も出ているのです。つまり、体を動かしっぱなしだと、減少したNK細胞が復活する間がないということ。生活の中にメリハリを作ることはとても大切です。家事も休憩をとりながら行いましょう」
■運動は「気持ちいい」範囲で1日おきに
いっぽうで、運動と免疫の関係については竹田先生から次のような指摘も。
「アスリートのように激しい運動を続けると、NK活性が戻らないだけではなく、それ自体が体に負荷をかけてしまいます。健康維持という観点から、運動は『気持ちいい』と思えるものを週2~3回程度続けることをオススメします」
「免疫力向上」に努め、「WITH コロナ」の時代を生き抜こう。
「女性自身」2020年6月16日号 掲載
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免疫学の専門家が解説! 「免疫力」を上げる8つの習慣
6/4(木) 18:07配信
ウィメンズヘルス
イラスト提供:Akiko Hiramatsu
ウイルスや健康のリスクと闘う「免疫力」は、今や注目ワードのひとつ。強く健康的なカラダを維持するためにも、この「免疫力」は何としても高めておきたいところ。そこで、免疫研究のエキスパート、竹田和由先生に取材。免疫を上げる8つの習慣を、免疫高め女子代表の「免疫タカ美ちゃん」の生活から学ぼう。
【写真】94歳の医師が、風邪予防に毎日食べているたった1つの食材
【習慣1】起床時間を変えない
イラスト提供:Akiko Hiramatsu
毎朝同じ時間に目を覚まし、「今日も楽しもう~」と声に出して気合いを入れる免疫タカ美ちゃん。起床時間を一定にすることが免疫力アップに繋がる。
免疫力アップには食事時間のリズムを一定にすることと、腸内環境を整えることも大切。毎朝決まった時間に食べる朝ご飯には、ヨーグルトもプラスして便秘知らず。
【習慣2】満員電車は避ける
イラスト提供:Akiko Hiramatsu
毎日一駅分歩いて、混雑する駅を避けて電車に乗るタカ美ちゃん。空いている車内では趣味の読書か、ネットで情報収集が日課。
免疫力をダウンさせる要因のひとつがストレス。ストレスフルな満員電車は、乗るだけで免疫力がダウンしてしまう。
【習慣3】イヤなことは逆に燃える
イラスト提供:Akiko Hiramatsu
「コレ明日までにやっといて」と、上司に面倒な仕事を振られるも、「イヤな作業は早く終わらせてやる!」と逆に闘志を燃やすタカ美ちゃん。
イヤなことは「イヤだなあ~」」と思っているとストレスになり免疫力がダウン。「イヤだからやったるでー!」とエンジンをかける発想が免疫力ダウンを防ぐ。
【習慣4】食事は楽しんで幸福感を得る
イラスト提供:Akiko Hiramatsu
ダイエット中だけど、ランチは好きなものを食べると決めているタカ美ちゃん。今日は好物のお肉とサラダをチョイスして、幸福度は満点!
「免疫力を上げる食べ物」を無理して食べるよりも、好きなものを食べるほうがハッピー度が上がり、そのメンタル状態により免疫力がアップする。
【習慣5】声を出して大笑いする
イラスト提供:Akiko Hiramatsu
仕事中、上司とやり取りについて大笑いしてしまったタカ美ちゃん。休憩中は同僚と大好きなアイドルの話題で盛り上がる。
声を出して心から笑うことで免疫力が活性化する。笑いは免疫力を上げる重要なファクター。
【習慣6】適度な運動で気持ちよくリフレッシュ
イラスト提供:Akiko Hiramatsu
イヤな作業もコンプリートし、気持ちよく帰宅したタカ美ちゃん。日課にしている運動タイムは、Youtubeを観ながらピラティスで程よい汗をかき、心身ともにリフレッシュ。
過度な運動は、運動後に急激に免疫力をダウンさせてしまう。じんわり汗をかく程度の気持ちいいと感じる運動が免疫力アップにベスト。
【習慣7】好みのインテリアでくつろぐ
イラスト提供:Akiko Hiramatsu
定期的に模様替えを楽しむタカ美ちゃん。好みのインテリアに囲まれてくつろぐのが癒しの時間。汚い空間は、無意識にストレスを与えることに。過ごしやすい住環境がリラックスタイムを作り、免疫力アップにつながる。
【習慣8】幸せな気持ちで眠りにつく
イラスト提供:Akiko Hiramatsu
お風呂で温まったら、携帯は手放してベッドへもぐり込むタカ美ちゃん。「週末はあのキュンキュンするドラマをまた観よう~!」と、好きな韓流スターを心に浮かべながら、幸せな気持ちで眠りにつく。
以上が免疫タカ美ちゃんの1日の習慣。あなたもぜひ取り入れて、免疫力をアップさせて。
お話を伺ったのは...
順天堂大学大学院医学研究科准教授 竹田和由先生
東北大学大学院歯学研究科博士課程修了。アメリカ留学後、新潟大学医学部医動物学講座助手などを経て、順天堂大学医学部免疫学講座講師などを経て現職。専門は免疫学(NK細胞、腫瘍免疫)。
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