コロナ禍で忘れられている「若年性脳梗塞」、36歳女性の叫び
6/13(土) 8:00配信
デイリー新潮
6年前に30歳で倒れる
医者の「誤診」を乗り越えて(※写真はイメージ)
新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中で、世間が忘れてはいけないのは、新型コロナとは無関係の重病患者らの存在だ。重病患者らは常に適正な治療や支援を求めているが、コロナ感染を恐れ、薬をもらうために病院に行ったり施設でリハビリに励んだりすることができないケースもあり、医師とのコミュニケーション不足も懸念されているという。そんな中、あまり知られていない「若年性脳梗塞」を患い左半身が不自由になった福岡市の女性(36)が、「同じ境遇の人たちの助けになれば」と、個人のSNSを使った情報発信を続け、社会に勇気を与えている。
***
「リハビリは取り組む時期が早ければ早いほどいいが、コロナの影響で施設に通えず、回復のための貴重な時間を奪われている患者が数多くいると思う」。こう危惧するのは、6年前、30歳の若さで突然、脳梗塞で倒れ、左半身が不自由となった福岡市の女性だ。
女性は2014年3月、職場の懇親会に参加していた途中、前触れもなく突然に意識を失って倒れた。最初に運ばれた救急病院では、身動きが取れないにもかかわらず、血液検査のみで問題なしと判断され、医師のいわば「誤診」により帰宅させられた。その後、再び救急搬送された別の病院で脳梗塞と診断され、一命をとりとめた。
左半身が不自由になった女性がリハビリに取り組みながら、頻繁に探していたのが、「若年性脳梗塞からの回復に向けた情報」だった。ただ、書籍やインターネットを使って探し回ったが、若年性脳梗塞にならないための「予防」や「未病」に関する情報はあっても、「倒れた後、どれくらいの期間で、どのような治療・リハビリ方法があって、どうすればいいのか」という回復に向けた情報はほとんど見つからなかった。
脳梗塞は、誰もが恐ろしい病だと認識している。ただ、特に若者はもちろん、「自分が罹患する」ということまで見据えて予防に関する情報を集める人はそう多くはないだろう。そう考えると、重病については、不幸にも罹患してからの回復に向けた情報がより重要になってくるはずだ。だが、この福岡市の女性は、若年性脳梗塞について、「回復に向けて何をすべきか、一生懸命情報を探しても、私の求める情報に巡り会うことはできなかった」と振り返る。
もちろん、女性は自身の治療に携わった医師ら専門家の助言なども参考にしながら、懸命なリハビリに取り組んできた。そして、一度は「死にたい」と思うほど落ち込みながらも、周囲のサポートを受けながら精神的にも肉体的にも徐々に回復していき、趣味で始めたウィンドサーフィンのおかげで、前向きになることもできた。それでも、「若年性脳梗塞からの回復に向けた情報が少ない状況に変わりはない」との危機感は拭うことができなかった。
そこで女性は数年前から、「今もどこかで私と同じように情報を探す人がいるのではないか」「この体験を伝えることで同じ境遇の人の不安を少しでも拭えないか」との思いを強め、昨夏から自身の体験をインターネット上に残す活動を始めた。突然に半身不随となってからの生活、3か月ほどで退院して自宅に戻って感じたこと、ウィンドサーフィンを始めて心身共に向上していったこと等々、脳梗塞で倒れてから回復していった経緯や様々な思いを「ゆるり」のペンネームでLINEノベルに約8万字で書き上げ、個人のSNSで発信している。
脳梗塞で倒れてから6年。SNSでの活動も始め、女性が心身共に前向きに生活できるようになった矢先、新型コロナウイルスが国内でも猛威を奮い出した。脳梗塞の患者は、新型コロナに感染すると重症化のリスクが高いという専門家の見解も出ている。女性は「薬をもらうために病院に行くだけでも戦々恐々とし、病院に行けない人もいるみたいだ」とこぼし、リハビリに通えなくなって困っている同世代の患者から相談を受けることもあるという。
「脳梗塞で突然、身体が不自由になった人間は、『身体的弱者』になり、身体の回復のための治療やリハビリで経済的負担が強まり、さらに仕事ができなくなる場合もあることから『経済的弱者』にもなり、本当に知りたい情報に巡り会えず『情報弱者』にもなってしまう。私自身、身体的な負担等からできることは圧倒的に減り、新型コロナの影響でさらに行動範囲も狭まり、現在はギリギリで生きている」――女性の思いは切実だ。
脳梗塞で倒れ、30歳まで当たり前にできていたことが突然できなくなった。たくさんのことを諦めたし諦めるしかなかった。それでも、治療やリハビリを通して、女性は「今」「人」「自分」の3つを大切にするようになった。そして、SNSでの活動は、誰かの力になれればと思い始めたものの、「励まされた」「もっと生きようと思った」「あなたの経験や思いが誰かの頑張りになっている」「勇気をありがとう」といった反響があり、逆に力をもらった。
新型コロナに負けじと、最近は手のリハビリのために「手話歌」の活動にも本格的に取り組み始めた。オンライン上で活動に賛同した人たちと手話サークルを作り、手話リハビリによる身体的な効果についても情報発信している。
SNSから伝わる、前を向き、懸命に生きる女性の姿――。言葉では書き表せないような苦難に遭いながらも、「同じ境遇の人の不安を少しでも拭いたい」との思いで情報発信を始めた、その「誰か」を「人」を思いやる優しさは、きっと誰かに伝わっているはずだろう。
我々は、新型コロナでちょっと生活が不便になったからと、弱音を吐いている場合ではない。重病の患者や障がいを持つ方々など、新型コロナに関係なく、常日頃から不自由を強いられている人はたくさんいる。「当たり前」に感謝し、もっと「今」を、「人」を、「自分」を大切に思いながら生活しなければならない。多くの人がそうした思いを心の片隅に抱き続け、思いやりの精神が社会にあふれていけば、新型コロナが終息する時もきっと訪れるのではないだろうか。
週刊新潮WEB取材班
死に方について考える 海外移住25年フィリピンでギター弾こう
苦しくてたまらない…ほとんどの病気が「最後は肺炎で死ぬ」「まさに“陸で溺れる”という感じで、いくら息を吸っても肺に空気が入ってきた感じがせず、苦しくてたまらない状態がずっと続くんです」
run***** | 13時間前
忘れられてはいないと思うよ。でも、人との接近が難しいのが今の現状。ウイルス、病気の怖さは脳梗塞もだけど「今まで通りに戻れない、いられない」ってこと。罹患しないとわからないことばかりだろう。そうだろう。だから予防や健診や生活を整える事が大事なんだよ。障害を抱えてはじめて、この人はそれを知ったのだろうな。
コロナ罹患の若年層に血栓による梗塞発症、の確率が高いとデータが出ています。だから忘れていないよ。
返信0
26
5
1234567890 | 11時間前
〉血液検査だけで異状なし、
の誤診
これ、
どういう診断してるのかね?
どういう事になったのか、
分からんけど大問題だろ。
返信0
6/13(土) 8:00配信
デイリー新潮
6年前に30歳で倒れる
医者の「誤診」を乗り越えて(※写真はイメージ)
新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中で、世間が忘れてはいけないのは、新型コロナとは無関係の重病患者らの存在だ。重病患者らは常に適正な治療や支援を求めているが、コロナ感染を恐れ、薬をもらうために病院に行ったり施設でリハビリに励んだりすることができないケースもあり、医師とのコミュニケーション不足も懸念されているという。そんな中、あまり知られていない「若年性脳梗塞」を患い左半身が不自由になった福岡市の女性(36)が、「同じ境遇の人たちの助けになれば」と、個人のSNSを使った情報発信を続け、社会に勇気を与えている。
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「リハビリは取り組む時期が早ければ早いほどいいが、コロナの影響で施設に通えず、回復のための貴重な時間を奪われている患者が数多くいると思う」。こう危惧するのは、6年前、30歳の若さで突然、脳梗塞で倒れ、左半身が不自由となった福岡市の女性だ。
女性は2014年3月、職場の懇親会に参加していた途中、前触れもなく突然に意識を失って倒れた。最初に運ばれた救急病院では、身動きが取れないにもかかわらず、血液検査のみで問題なしと判断され、医師のいわば「誤診」により帰宅させられた。その後、再び救急搬送された別の病院で脳梗塞と診断され、一命をとりとめた。
左半身が不自由になった女性がリハビリに取り組みながら、頻繁に探していたのが、「若年性脳梗塞からの回復に向けた情報」だった。ただ、書籍やインターネットを使って探し回ったが、若年性脳梗塞にならないための「予防」や「未病」に関する情報はあっても、「倒れた後、どれくらいの期間で、どのような治療・リハビリ方法があって、どうすればいいのか」という回復に向けた情報はほとんど見つからなかった。
脳梗塞は、誰もが恐ろしい病だと認識している。ただ、特に若者はもちろん、「自分が罹患する」ということまで見据えて予防に関する情報を集める人はそう多くはないだろう。そう考えると、重病については、不幸にも罹患してからの回復に向けた情報がより重要になってくるはずだ。だが、この福岡市の女性は、若年性脳梗塞について、「回復に向けて何をすべきか、一生懸命情報を探しても、私の求める情報に巡り会うことはできなかった」と振り返る。
もちろん、女性は自身の治療に携わった医師ら専門家の助言なども参考にしながら、懸命なリハビリに取り組んできた。そして、一度は「死にたい」と思うほど落ち込みながらも、周囲のサポートを受けながら精神的にも肉体的にも徐々に回復していき、趣味で始めたウィンドサーフィンのおかげで、前向きになることもできた。それでも、「若年性脳梗塞からの回復に向けた情報が少ない状況に変わりはない」との危機感は拭うことができなかった。
そこで女性は数年前から、「今もどこかで私と同じように情報を探す人がいるのではないか」「この体験を伝えることで同じ境遇の人の不安を少しでも拭えないか」との思いを強め、昨夏から自身の体験をインターネット上に残す活動を始めた。突然に半身不随となってからの生活、3か月ほどで退院して自宅に戻って感じたこと、ウィンドサーフィンを始めて心身共に向上していったこと等々、脳梗塞で倒れてから回復していった経緯や様々な思いを「ゆるり」のペンネームでLINEノベルに約8万字で書き上げ、個人のSNSで発信している。
脳梗塞で倒れてから6年。SNSでの活動も始め、女性が心身共に前向きに生活できるようになった矢先、新型コロナウイルスが国内でも猛威を奮い出した。脳梗塞の患者は、新型コロナに感染すると重症化のリスクが高いという専門家の見解も出ている。女性は「薬をもらうために病院に行くだけでも戦々恐々とし、病院に行けない人もいるみたいだ」とこぼし、リハビリに通えなくなって困っている同世代の患者から相談を受けることもあるという。
「脳梗塞で突然、身体が不自由になった人間は、『身体的弱者』になり、身体の回復のための治療やリハビリで経済的負担が強まり、さらに仕事ができなくなる場合もあることから『経済的弱者』にもなり、本当に知りたい情報に巡り会えず『情報弱者』にもなってしまう。私自身、身体的な負担等からできることは圧倒的に減り、新型コロナの影響でさらに行動範囲も狭まり、現在はギリギリで生きている」――女性の思いは切実だ。
脳梗塞で倒れ、30歳まで当たり前にできていたことが突然できなくなった。たくさんのことを諦めたし諦めるしかなかった。それでも、治療やリハビリを通して、女性は「今」「人」「自分」の3つを大切にするようになった。そして、SNSでの活動は、誰かの力になれればと思い始めたものの、「励まされた」「もっと生きようと思った」「あなたの経験や思いが誰かの頑張りになっている」「勇気をありがとう」といった反響があり、逆に力をもらった。
新型コロナに負けじと、最近は手のリハビリのために「手話歌」の活動にも本格的に取り組み始めた。オンライン上で活動に賛同した人たちと手話サークルを作り、手話リハビリによる身体的な効果についても情報発信している。
SNSから伝わる、前を向き、懸命に生きる女性の姿――。言葉では書き表せないような苦難に遭いながらも、「同じ境遇の人の不安を少しでも拭いたい」との思いで情報発信を始めた、その「誰か」を「人」を思いやる優しさは、きっと誰かに伝わっているはずだろう。
我々は、新型コロナでちょっと生活が不便になったからと、弱音を吐いている場合ではない。重病の患者や障がいを持つ方々など、新型コロナに関係なく、常日頃から不自由を強いられている人はたくさんいる。「当たり前」に感謝し、もっと「今」を、「人」を、「自分」を大切に思いながら生活しなければならない。多くの人がそうした思いを心の片隅に抱き続け、思いやりの精神が社会にあふれていけば、新型コロナが終息する時もきっと訪れるのではないだろうか。
週刊新潮WEB取材班
死に方について考える 海外移住25年フィリピンでギター弾こう
苦しくてたまらない…ほとんどの病気が「最後は肺炎で死ぬ」「まさに“陸で溺れる”という感じで、いくら息を吸っても肺に空気が入ってきた感じがせず、苦しくてたまらない状態がずっと続くんです」
run***** | 13時間前
忘れられてはいないと思うよ。でも、人との接近が難しいのが今の現状。ウイルス、病気の怖さは脳梗塞もだけど「今まで通りに戻れない、いられない」ってこと。罹患しないとわからないことばかりだろう。そうだろう。だから予防や健診や生活を整える事が大事なんだよ。障害を抱えてはじめて、この人はそれを知ったのだろうな。
コロナ罹患の若年層に血栓による梗塞発症、の確率が高いとデータが出ています。だから忘れていないよ。
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1234567890 | 11時間前
〉血液検査だけで異状なし、
の誤診
これ、
どういう診断してるのかね?
どういう事になったのか、
分からんけど大問題だろ。
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