抗リウマチ薬で腎臓障害
2年前にリウマチと診断され、ブシラミンという薬でほぼ症状は治まりました。しかし、腎機能をみるGFR(糸球体 濾過 量)の値が、71・5から57・4に悪化し、顔にシミが出てきました。ほかに痛風もあります。この薬の服用を続けても大丈夫でしょうか。(67歳男性)
併用薬や痛風などの可能性も
平田信太郎 広島大学病院リウマチ・膠原病科講師(広島市)
関節リウマチは、手指や手首など全身の関節炎によって、関節の痛みと腫れが生じ、やがて関節の破壊・変形につながる自己免疫疾患です。
ブシラミンは、日本で開発された抗リウマチ薬ですが、時に膜性腎症という疾患が起きることが知られています。重い場合はネフローゼ症候群を引き起こすこともあります。
相談者のGFRの値は、腎機能低下の区分で言うと軽度・中等度です。しかし、尿タンパクが増えると、透析などの危険性が高くなります。
抗リウマチ薬の投与をやめてしまうと、今度は関節リウマチが悪化してしまう可能性もあります。現在、抗リウマチ薬の選択肢が大幅に増え、単に痛みや腫れを取り除くだけでなく、関節破壊を抑えられるようになりました。
ただ、腎機能を悪化させるのは、抗リウマチ薬だけではありません。非ステロイド性鎮痛薬などの併用薬や、リウマチに伴って起こる痛風、高血圧症、糖尿病なども腎機能障害の原因になります。
まずは、腎機能障害の原因を明らかにし、その上で痛風や皮膚症状も考慮して、リウマチ治療を検討する必要があります。専門の医療機関の受診をお勧めします。
2年前にリウマチと診断され、ブシラミンという薬でほぼ症状は治まりました。しかし、腎機能をみるGFR(糸球体 濾過 量)の値が、71・5から57・4に悪化し、顔にシミが出てきました。ほかに痛風もあります。この薬の服用を続けても大丈夫でしょうか。(67歳男性)
併用薬や痛風などの可能性も
平田信太郎 広島大学病院リウマチ・膠原病科講師(広島市)
関節リウマチは、手指や手首など全身の関節炎によって、関節の痛みと腫れが生じ、やがて関節の破壊・変形につながる自己免疫疾患です。
ブシラミンは、日本で開発された抗リウマチ薬ですが、時に膜性腎症という疾患が起きることが知られています。重い場合はネフローゼ症候群を引き起こすこともあります。
相談者のGFRの値は、腎機能低下の区分で言うと軽度・中等度です。しかし、尿タンパクが増えると、透析などの危険性が高くなります。
抗リウマチ薬の投与をやめてしまうと、今度は関節リウマチが悪化してしまう可能性もあります。現在、抗リウマチ薬の選択肢が大幅に増え、単に痛みや腫れを取り除くだけでなく、関節破壊を抑えられるようになりました。
ただ、腎機能を悪化させるのは、抗リウマチ薬だけではありません。非ステロイド性鎮痛薬などの併用薬や、リウマチに伴って起こる痛風、高血圧症、糖尿病なども腎機能障害の原因になります。
まずは、腎機能障害の原因を明らかにし、その上で痛風や皮膚症状も考慮して、リウマチ治療を検討する必要があります。専門の医療機関の受診をお勧めします。