片頭痛、関節リウマチ…天候悪化による痛みは推定1000万人に!? 異常気象で誰にもリスク
10/1(木) 12:18配信
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読売新聞(ヨミドクター)
佐藤純の「病は天気から」
今年の梅雨は例年より長く、多くの地域で豪雨の被害が出ました。そして梅雨が終わったとたん、記録的な猛暑に見舞われました。9月に入ってからは、大型で強力な台風にも襲われました。地球温暖化が大きな要因と考えられている「異常気象」が毎年のように繰り返され、いまや、それが「普通」になってきたと感じている方は少なくないと思います。
激しい気象変動が体の許容範囲を超え
イメージ
私たちには、体を取りまく環境(これには気象も含まれます)が変化しても、体内の環境を一定に保って病気にならないようにする仕組みが備わっています。ところが、気象変動が激しくなってくると、この調節機能の許容範囲を超えてしまい、誰でも「気象病」と呼ばれる病態になってしまう可能性があります。もともと持っている病気が悪化するだけでなく、それまで健康だった人にも発症したりするのです。
毎年、春から夏に話題になる「熱中症」は、気温や湿度の上昇に対し、体温を一定にする能力が負けてしまうために発症する「気象病」です。今年の猛暑で、初めて熱中症になってしまった人も多いと思います。また、季節の変わり目や天気の崩れで体調不良が起きるのも、一種の「気象病」です。今年のように梅雨が長かったり、強力な台風が来たりすると、寒暖差や湿度だけでなく、気圧の変化も、病気の発症に大いに関係してきます。
疼痛、うつ病、心疾患、脳血管疾患…に影響?
気象と病気の関係は、昔からよく知られています。疼痛(とうつう)疾患、うつ病などの精神疾患、心臓疾患、脳血管疾患、喘息(ぜんそく)、メニエール病など、実にさまざまなものが気象の影響を受けると言われてきました。特に痛みについては、片頭痛、頸椎(けいつい)症、関節リウマチ、変形性関節症、線維筋痛症などが知られています。私が所属する愛知医科大学学際的痛みセンターが行った住民アンケート(O市)では、慢性的な痛みがある成人は全体の39%でしたが、その4人に1人が、天気の崩れや悪天候で痛みがひどくなると答えています。国民全体に換算すると、推計で1000万人程度が、気象が影響する慢性痛(天気痛と呼んでいます)を持っていることになり、決して少なくない数です。
「3日前の気圧低下が影響」という報告も
ところが、これまでに行われた調査研究では、関節リウマチひとつを取ってみても、気温、湿度、気圧の変化と痛みの悪化には「関係あり」とする報告もあれば、「関係はあるが確定的でない」「関係なし」とする報告もあります。一方、臨床の現場では、「痛みが天気の影響を受ける」と感じている関節リウマチ患者は、もっと多い印象があり、アメリカの4都市で調査を行ったジェイミソンらは、「60%以上」と報告しています。
この乖離(かいり)は、どうして起こってしまうのでしょうか。原因として、心理的な問題の影響を考えなければなりません。最近は、天気予報が多く配信されているため、実際はそうではないのに、「自分の痛みは、天気の影響を受けている」と思い込んでしまっている人がいる可能性は否定できません。しかし、反対に、天気の影響は実際にあるのに、痛み方にばらつきがあったり、気温、気圧、湿度などの変化が相互に影響し合ったりするため、天気と痛みとの関係がうまく検出できていなかった可能性もあります。
また、気象の変化が痛みに影響を及ぼす際、タイムラグがあることも考慮しないといけません。このタイムラグについては、京都大学のグループが、関節リウマチ患者の関節の腫れと痛みの強さと、気圧との相関性について調べたところ、調査した日の「3日前の気圧低下が大きく影響していた」と報告しています。だとすれば、痛みが強くなった日の気圧を測定しても、症状との関係性はうまく検出できないことになります。
このようなことから、「痛みと気象の関係を調べる」という目的に調査研究法を用いるのは、限界があると考えられます。私は、この問題を解決するために、両者の因果関係を明らかにするための「実験」を行うことが必要と考え、長年、研究を続けてきました。その内容について、次回からお話ししたいと思います。
佐藤 純(さとう・じゅん)
佐藤純
愛知医科大学医学部学際的痛みセンター客員教授。中部大学教授。
1958年、福岡県久留米市生まれ。東海大学医学部卒業後、名古屋大学大学院医学系研究科で疼痛(とうつう)生理学、環境生理学を学ぶ。同大学教授を経て、現職。2005年より、愛知医科大学病院痛みセンターにて、日本初の気象病外来・天気痛外来を開設。
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yuy***** | 6時間前
偏頭痛は雨の前ぶれが一番辛いです。私は何故か雨が降り始めると緩和される傾向にあります。
返信0
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yuf***** | 16分前
自分も突発性偏頭痛持ちで結構悩まされています。医者から一緒付き合うことになります!と言われ今に至ります。市販薬を時々飲むことで低減されますがやはり突然痛み出すとかなり辛い状況になります。偏頭痛持ちじゃない人にはたぶん理解しにくい難病だと思います。
返信0
1
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mas***** | 4時間前
父も低気圧の日にか首が痛くなったりすると言っています。実家で飼っているチワワの毛も雨の日などの湿気の多い時には濡れた髪の毛のような状態になっています。
返信0
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RUBIRUBI | 4時間前
毎年梅雨も来るし雨もふる、もちろん台風も。
だけど今年は何故か天気痛が異常にきつい。
今年は特別なの?
返信0
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******** | 6時間前
元々雨の日に活動しない動物だったと思われるので、天候が良くないときに動きたくないのは、当然ですよね(笑)
返信0
14
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cat***** | 5時間前
天気が悪い→低気圧
天気がいい→高気圧
とすると、私は天気がいい日に体調が悪くなるよ。
だからなのか、雨の日が好き(^^)
返信0
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uim***** | 4時間前
一年中片頭痛、群発頭痛に悩まされてます。。
辛いですよね。。
返信0
9
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cfq***** | 5時間前
夏は
冷房きいた部屋←→気温30度超の屋外
冬は
暖房きいた部屋←→気温10度以下の屋外
温度差によるヒートショックも危険
返信0
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mir***** | 5時間前
リウマチは季節や天候に関係なく痛いとリウマチの母が言ってます。
10/1(木) 12:18配信
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読売新聞(ヨミドクター)
佐藤純の「病は天気から」
今年の梅雨は例年より長く、多くの地域で豪雨の被害が出ました。そして梅雨が終わったとたん、記録的な猛暑に見舞われました。9月に入ってからは、大型で強力な台風にも襲われました。地球温暖化が大きな要因と考えられている「異常気象」が毎年のように繰り返され、いまや、それが「普通」になってきたと感じている方は少なくないと思います。
激しい気象変動が体の許容範囲を超え
イメージ
私たちには、体を取りまく環境(これには気象も含まれます)が変化しても、体内の環境を一定に保って病気にならないようにする仕組みが備わっています。ところが、気象変動が激しくなってくると、この調節機能の許容範囲を超えてしまい、誰でも「気象病」と呼ばれる病態になってしまう可能性があります。もともと持っている病気が悪化するだけでなく、それまで健康だった人にも発症したりするのです。
毎年、春から夏に話題になる「熱中症」は、気温や湿度の上昇に対し、体温を一定にする能力が負けてしまうために発症する「気象病」です。今年の猛暑で、初めて熱中症になってしまった人も多いと思います。また、季節の変わり目や天気の崩れで体調不良が起きるのも、一種の「気象病」です。今年のように梅雨が長かったり、強力な台風が来たりすると、寒暖差や湿度だけでなく、気圧の変化も、病気の発症に大いに関係してきます。
疼痛、うつ病、心疾患、脳血管疾患…に影響?
気象と病気の関係は、昔からよく知られています。疼痛(とうつう)疾患、うつ病などの精神疾患、心臓疾患、脳血管疾患、喘息(ぜんそく)、メニエール病など、実にさまざまなものが気象の影響を受けると言われてきました。特に痛みについては、片頭痛、頸椎(けいつい)症、関節リウマチ、変形性関節症、線維筋痛症などが知られています。私が所属する愛知医科大学学際的痛みセンターが行った住民アンケート(O市)では、慢性的な痛みがある成人は全体の39%でしたが、その4人に1人が、天気の崩れや悪天候で痛みがひどくなると答えています。国民全体に換算すると、推計で1000万人程度が、気象が影響する慢性痛(天気痛と呼んでいます)を持っていることになり、決して少なくない数です。
「3日前の気圧低下が影響」という報告も
ところが、これまでに行われた調査研究では、関節リウマチひとつを取ってみても、気温、湿度、気圧の変化と痛みの悪化には「関係あり」とする報告もあれば、「関係はあるが確定的でない」「関係なし」とする報告もあります。一方、臨床の現場では、「痛みが天気の影響を受ける」と感じている関節リウマチ患者は、もっと多い印象があり、アメリカの4都市で調査を行ったジェイミソンらは、「60%以上」と報告しています。
この乖離(かいり)は、どうして起こってしまうのでしょうか。原因として、心理的な問題の影響を考えなければなりません。最近は、天気予報が多く配信されているため、実際はそうではないのに、「自分の痛みは、天気の影響を受けている」と思い込んでしまっている人がいる可能性は否定できません。しかし、反対に、天気の影響は実際にあるのに、痛み方にばらつきがあったり、気温、気圧、湿度などの変化が相互に影響し合ったりするため、天気と痛みとの関係がうまく検出できていなかった可能性もあります。
また、気象の変化が痛みに影響を及ぼす際、タイムラグがあることも考慮しないといけません。このタイムラグについては、京都大学のグループが、関節リウマチ患者の関節の腫れと痛みの強さと、気圧との相関性について調べたところ、調査した日の「3日前の気圧低下が大きく影響していた」と報告しています。だとすれば、痛みが強くなった日の気圧を測定しても、症状との関係性はうまく検出できないことになります。
このようなことから、「痛みと気象の関係を調べる」という目的に調査研究法を用いるのは、限界があると考えられます。私は、この問題を解決するために、両者の因果関係を明らかにするための「実験」を行うことが必要と考え、長年、研究を続けてきました。その内容について、次回からお話ししたいと思います。
佐藤 純(さとう・じゅん)
佐藤純
愛知医科大学医学部学際的痛みセンター客員教授。中部大学教授。
1958年、福岡県久留米市生まれ。東海大学医学部卒業後、名古屋大学大学院医学系研究科で疼痛(とうつう)生理学、環境生理学を学ぶ。同大学教授を経て、現職。2005年より、愛知医科大学病院痛みセンターにて、日本初の気象病外来・天気痛外来を開設。
【関連記事】
気象病…気圧低下自律神経に乱れ、両耳のマッサージ有効
「台風が近づくと頭痛がする」は病気です…つらさ、理解して
あくび、イライラ、空腹感は片頭痛の予兆?…赤ワインと寝過ぎが引き金に
朝、お化粧していると目が痛くなる…45歳女性を悩ませる病気とは
金縛りになった、どうすれば…有効なのは「二度寝」?
yuy***** | 6時間前
偏頭痛は雨の前ぶれが一番辛いです。私は何故か雨が降り始めると緩和される傾向にあります。
返信0
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yuf***** | 16分前
自分も突発性偏頭痛持ちで結構悩まされています。医者から一緒付き合うことになります!と言われ今に至ります。市販薬を時々飲むことで低減されますがやはり突然痛み出すとかなり辛い状況になります。偏頭痛持ちじゃない人にはたぶん理解しにくい難病だと思います。
返信0
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mas***** | 4時間前
父も低気圧の日にか首が痛くなったりすると言っています。実家で飼っているチワワの毛も雨の日などの湿気の多い時には濡れた髪の毛のような状態になっています。
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RUBIRUBI | 4時間前
毎年梅雨も来るし雨もふる、もちろん台風も。
だけど今年は何故か天気痛が異常にきつい。
今年は特別なの?
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******** | 6時間前
元々雨の日に活動しない動物だったと思われるので、天候が良くないときに動きたくないのは、当然ですよね(笑)
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cat***** | 5時間前
天気が悪い→低気圧
天気がいい→高気圧
とすると、私は天気がいい日に体調が悪くなるよ。
だからなのか、雨の日が好き(^^)
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uim***** | 4時間前
一年中片頭痛、群発頭痛に悩まされてます。。
辛いですよね。。
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0
cfq***** | 5時間前
夏は
冷房きいた部屋←→気温30度超の屋外
冬は
暖房きいた部屋←→気温10度以下の屋外
温度差によるヒートショックも危険
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mir***** | 5時間前
リウマチは季節や天候に関係なく痛いとリウマチの母が言ってます。