万博会場のメタンガス爆発、消防連絡は4時間半後
2024/05/19 20:00
2025年大阪・関西万博会場(大阪市此花区)の工事現場で3月、メタンガスが原因とみられる爆発火災があり、施工業者から市消防局への連絡が、発生から約4時間半後だったことがわかった。
市への情報公開請求で開示された消防記録から明らかになった。
消防法は、
(1)火災を発見した人は遅滞なく通報しなければならず、
(2)全ての人は通報が最も早く届くよう協力しなければならない、
と定めている。
日本国際博覧会協会(万博協会)は「施工業者は被害を拡大させない措置をとるなど、対応に問題はなかった」としている。
■国会でも「危険性」指摘
市消防局や万博協会によると、爆発は3月28日午前10時55分ごろ、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)にある会場西側の「グリーンワールド(GW)工区」で建設中のトイレ棟(平屋建て約500平方メートル)で発生した。
大きな音とともにコンクリート製の床がめくれ上がり、修復が必要と判断される破損箇所が、天井の一部を含めて約100平方メートルの範囲で確認された。
建物の焼損はなかったとされる。
屋内では当時4人が溶接などの作業をしていたが、けが人はいなかったという。市消防局は、溶接作業で出た火花が、配管を通すための床下空間にたまった可燃性のメタンガスに引火した可能性が高いとみて、6月にも調査結果をまとめる方向で調べている。
イベント広場などが整備される予定のGW工区一帯は、廃棄物で埋め立てられた土地で、地中からメタンガスなどが発生している。
万博会場のメタンガスをめぐっては、昨年11月の参院予算委員会で質疑が交わされるなど危険性が指摘されていた。
大阪万博会場「ガス爆発事故」では天井も破損していた!シレッと追加被害公表の無責任体質
2024 5/23(木) 10:28配信
日刊ゲンダイDIGITAL
「爆発事故」を協会丸投げで、安全確保はできるのか?(大阪の吉村洋文府知事)/(C)日刊ゲンダイ
2025年大阪・関西万博の会場建設現場で3月末に発生したガス爆発事故をめぐり、新たな事実が発覚した。
万博協会は「責任者がどこにもいない」寄り合い所帯…会場建設現場の危機感が共有されず
会場準備を進める日本国際博覧会協会(万博協会)が22日、爆発現場で確認された追加の損傷箇所を公表。
すでに発表していた床の破損だけでなく、天井も損傷していた。
事故が起きたのは3月28日のこと。
会場となる夢洲の西側、「グリーンワールド工区」と呼ばれる区域で溶接の火花が地中の廃棄物から発生する可燃性のメタンガスに引火。
コンクリート製の床などが約100平方メートルにわたって吹っ飛ぶ大事故となった。
翌月19日、協会が被害状況や再発防止策などをまとめて公表したのだが、それから1カ月経って、新たな被害が分かったのである。
万博協会に経緯を聞いた。
「今月15日に消防から施工業者の鹿島・飛島建設共同企業体(JV)に損傷箇所に関して事実確認があり、改めてJV立ち会いのもと消防が現場検証を行ったところ、新たな損傷を確認。
これについてJVから20日に協会側へ報告があり、22日の公表に至りました」(広報担当)
事故当時、JVの現場担当者は今回確認された天井などの損傷を把握していたが、社内共有が不十分だったため、協会側への報告漏れが生じたという。
協会は「施工業者を口頭指導した」(同)と説明したが、現場任せの感は否めない。
そもそも、協会と並んで主催側である国も大阪府も無責任ぶりがアリアリだ。
事故発生直後、自見万博相は「博覧会協会が発生原因の解明を現在、行っているところであり、再発防止策の検討を行っているというふうにも聞いてございます」、
大阪の吉村府知事は
「まずは原因究明と再発防止に取り組んで欲しい」
と
協会に対応を丸投げだった。
施工業者から消防への通報が事故発生から4時間半も経過していたことも判明している。
吉村は「遅滞なく(消防へ)報告されたと思う」と 言い張ったが、
そんな認識で府内の小中高校生85万人を万博に無料招待しようとしているのだから恐ろしい。
万博遠足の際、児童・生徒の昼食場所に想定されている団体休憩所は、爆発現場と同じ工区に設置される予定だ。
協会に場所変更の有無や安全策について問い合わせると、「今のところは変更予定はありません。
(安全策は)換気を徹底するなど、専門家の意見を聞いて検討します」(広報担当)との回答だった。
無責任な大人のせいで、子どもが危険にさらされてはたまったもんじゃない。