金魚日和

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なぜ新しいレンズを欲しがるのか【2】

2013年02月12日 | カメラ・撮影
【D90 & RICOH GR-DIII】
Nikon D60 + AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-70mm F3.5-4.5G 
 
ちょっと間が空いてしまったのだが、【続き】
 
前回の記事では、
ほとんどの『コンパクトカメラ』は『カメラ本体』がメインで『レンズ』は単なる一部分にしか過ぎないように見える。
が、その感覚を『デジタル一眼レフカメラ』に持ち込むのは間違いで、
デジイチでは《レンズこそが画作り中核を担っている》、と説明した。
 
今回からは、《レンズの種類や役割、スペックの違いがもたらす撮影結果の違い》について書いてみたい。
 
 
【レンズの種類】
レンズには『ズームレンズ』と『単焦点レンズ』の2種類がある。
 
前者はコンデジでもお馴染み、《光学10倍ズーム》などと表記される『ズーム』と同じ意味で、
《ある地点にとどまったまま、遠くのモノを大きく、また小さく写したりすることが可能なレンズ》の総称である。
大雑把に書くと、『ズームレンズ』とは《写せる範囲(≠焦点距離)をズーム操作で変えられるレンズ》だという事になる。
 
一方の『単焦点レンズ』は、
一部のマニア向けコンデジには採用されているものの、あまり目に・耳にすることが無いレンズであろう。
難しい言い回しをやめ簡潔に説明すると、
《写せる範囲が固定されており、画面内の被写体サイズを変える為には自らが移動しなければならないレンズ》という事になる。
《焦点距離が固定されている=単一の焦点距離しか持たないから『単焦点レンズ』》。意味としてはシンプルっすな。
 
ここでは、両者に違いはあれど、『焦点距離』というものが設定されていることに注目していただきたい。
 
 
【焦点距離】
正確に書くと《ピントを合わせたときのレンズ面から撮像素子までの距離》の事なのだが、そんなことはどーでもよろし。
 
先の《光学10倍ズーム・コンデジ》を例にすると、
カタログや本体などに《28-300mm》などと表記されている数字部分のことで、
要は《どれくらいの距離範囲をズーム操作出来るか》の事だ。が、
コンデジでのこの感覚が、『レンズ&カメラが欲しいよ!全員集合病』に対する誤解をうむ原因の一つにもなっている。
 
コンデジの多くは、ズーム倍率が大きければ大きい程良い/偉い/だから高額、とされている。
そして今や《光学30倍ズーム!》などの機種も当たり前のように売られている。
 
この感覚で判断すれば、以下に記載したレンズ(DX規格:知らなくてよろし)は
価格順に安いものから並んでいるように見えると思うのだがどうであろう。
 
・85mm(単焦点) 
・12-24mm(2倍ズーム)
・17-55mm(3倍ズーム)
・55-300mm(5.5倍ズーム)
・18-200mm(11倍ズーム)
 
そもそも「…何故に同じような焦点距離のレンズが何本もあるんだ」って気がすると思うのだが、それはさておき。
単焦点が一番安く、ズーム倍率が大きくなるに従い価格も上がっていくのが自然な流れの筈だ。
極端な話し『高くても11倍ズームを1本買ってしまいさえすれば全て事足りるんじゃね?』、と。

甘い。
それは甘い。
塩と間違えて砂糖を大量投入ったmy娘作の野菜炒め@家庭科実習と同じ位甘い。
 
それだと話は簡単なのだ。
レンズ購入時に悩むことも無いし、焦点距離がかぶるレンズを複数持つ必要も無い。
現実社会の理不尽さを反映した希望小売価格の安いモノから順にならべると、こうだ(來未)。
 
・55-300mm《f/4.5-5.6》5.5倍ズーム・・・・48,000円
・85mm《f/3.5》単焦点・・・・・・・・・・67,000円
・18-200mm《f/3.5-5.6》11倍ズーム・・・105,000円
・12-24mm《f/4》2倍ズーム・・・・・・・162,000円
・17-55mm《f/2.8》3倍ズーム・・・・・・220,000円
 
ね?ワケわかんないでしょ?なんだったのよ、エロ格好良いって(違
デジイチのエントリー・モデルに採用されているレンズは『18-55mm《f/3.5-5.6》3倍ズーム:35,000円』なのだが、
似たような焦点距離の『17-55mm《f/2.8》』は6倍以上の値段である。ナニガ・ソンナニ・チガウンダ。
ちなみに現時点でニコンから発売されている最も高倍率なズームレンズは《16.7倍ズーム》である。
 
 
「単焦点?ズームが無いなら安くて当り前でしょ?なんでズームより高いのよっ!!!」
「デジイチのレンズも高倍率なモノほど良いし高いんでしょ?」
「コンデジで30倍なんだからデジイチだと50倍位もザラなのじゃないの?」
「デジイチとかコンデジとか言ってるからココイチ食べたくなったじゃないのっ!」
 
 
なぜこれらの《ごもっともな疑問》に反し、現実社会は理不尽な序列になってしまうのか。
その疑問を解くカギは、『焦点距離』の後方に記載された『《f/ 》』内の数字にある。
勿論、他にも要因は色々あるのだが、面倒だからここでは全て『《f/ 》』の所為にしておく。
 
 
それらの数値こそが、レンズ沼のおおよその正体であると言っても過言では無い、『開放F値』なのだ。
 
レンズの価格を大きく左右する『開放F値』。
そのわずかな違いはナニをもたらしているのか。 は、次回に。   【つづく】