(いちからわかる!)75歳以上が運転、死亡事故の対策は?
2018年3月30日
■判断力・記憶力(きおくりょく)の検査を強化。「限定免許(めんきょ)」の導入も検討
ホー先生 高齢(こうれい)ドライバーによる死亡事故が後を絶たないのう。
A 警察庁によると、75歳(さい)以上による死亡事故は年間400件台で推移し、死亡事故全体に占(し)める割合は増える傾向(けいこう)なんだ。昨年は12・9%だったよ。
ホ 高齢ドライバーはどんな事故が多いんじゃ?
A 「操作の誤り」による事故が、「安全不確認」や「前方不注意」などと比べて多いんだ。とくに、ブレーキとアクセルの踏みまちがえが事故原因の6・2%を占め、75歳未満の0・8%よりきわだっている。
ホ ホホウ。
A 昨年、死亡事故を起こした75歳以上のうち、判断力や記憶力(きおくりょく)を調べる検査を受けた人の49%が認知症(にんちしょう)や認知機能の低下のおそれがあると判定されたんだ。
ホ 対策はあるのか?
A 昨年3月、検査を強化する改正道路交通法が施行(しこう)された。75歳以上は免許更新(めんきょこうしん)のときや逆走など一定の違反(いはん)をしたときに検査が義務づけられている。「認知症のおそれがある」(第1分類)、「認知機能低下のおそれがある」(第2分類)、「低下のおそれがない」(第3分類)のいずれかに判定され、第1分類の人は医師の診断(しんだん)を受けなければならないんだ。
ホ 認知症のおそれの人はどれだけいるんじゃ?
A 改正法施行から昨年12月末までに検査を受けた約172万5千人のうち、約4万6千人だった。うち約1300人が医師に認知症と診断されるなどして免許の取り消しや停止の行政処分を受けた。免許を自主返納した人も約1万1千人いたよ。
ホ 高齢化が進めば、さらに対策が必要じゃな。
A 75歳以上の免許保有者は昨年末で約540万人いて、10年前のほぼ倍だ。警察庁は、高齢者が安全機能を備えた車などに限って運転できる「限定免許」の導入といった対策を検討しているよ。