本場 大館市で撮った秋田犬です(親子ではありませんが、小犬がめんこがった~)
昔、ある所さ、爺さまと婆さまがいたど。
子供ができねぐて 二人だけでくらしていたそうだ。
だども、ずっと二人だけでは寂しいもんだべ。爺さまが言ったど。
「子供ができねぇなら犬っこでも飼ってみるべか」
婆さまも「んだ、んだ」と大賛成だった。そこで
捨て犬を拾ってくると 二人でめんけがって(かわいがって)
育てたんだと。犬っこもすっかり二人になついて、
爺さまが山に行くと、山に付いて行くし、婆さまが街に
行くってば町について行く。
ある日のこと、爺さまが山に行くと、道端でカラスの子が
鳴いている。そばに大きな木があって、その上に
ある巣から落ちてきたんだべな。
爺様は、カラスの子をかわいそうに思ってな
すぐに、ご飯を食べさせてやったど。それから二人は
カラスの子も めんけがって育てた。
したば、爺さまの肩に止まったり、婆さまの背中に乗ったりして
二人にたいした なつくようになったわけだ。
犬っことも仲良くて、カラスがエサを横からとっても
犬っこは 吠える事などなかったど。
あるとき、山菜を採りに爺さまが山に行った。いつものように
犬っことカラスを連れて出て行ったども
夕方近くにカラスだけが バタバタと帰って来た。
爺さまの帰りを待っていた婆さまは、どてんして(ビックリ)しまった。
「カラスばり(カラスだけ)戻って、爺さまも 犬っこも戻ってこね
なんとしたべ」心配していると、カラスが、また山の方さ
行こうとしてるもの。あわてて後を追いかけたわけだ。
カラスに誘われるまま ずんずん山の奥に行ったば
犬っこの声がきこえてきた。犬っこの声を頼りに進むと
やがて大きな木の切り株のところにたどり着いた。
そこに爺さまが倒れていて、犬っこがその横で
心配そうに吠えていたものな。爺さまは、気を失っていたども
婆さまが介抱して、ようよう家に帰ってきたど。
あとで聞いたら、山菜を採り歩くうちに 足をすべらせて
斜面を転げ落ちて、最後に木の切り株に 頭をぶつけて
気を失っていたんだと。
カラスは家に知らせ、犬っこは爺さまのいる場所をしらせてけだ。(教えてくれた)
二人は犬っこと カラスを今まで以上に めんけがって
ふたりと、一匹と 一羽で、仲良くくらしたど。えがったな。
とっぴんぱらりのぷう~(阿仁地方に伝わる民話) (方言は通訳しますのでお尋ねくださいね)
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犬も、カラスも とても賢いですね~
お話の犬は、大館に近い地区なので秋田犬かな?
それとも柴犬かな? なんて勝手に思っているんですよ。
だいぶ前に、柴犬を飼っていましたが、賢い子でした。
いなくなった時に 犬嫌いの母が 一番大泣きしました…
忘れられないです。