茂吉の猫 (=^・^=)
昔々 阿仁の小沢村に、茂吉という大酒のみが 猫と一緒に
暮らしておったど。
毎月 酒屋の小僧が酒代をとりに来るんだども、どうも飲んだ
量より 多くついてくるようだっけ。怒った茂吉は酒屋に
怒鳴り込んだわけだ
んだども、酒屋の親父もゆずらね。店先で言い合ううちに
とっぷりと夜も更けてしまった。
すると、いきなりどっと風が吹いてきて、赤ぇハッピを着た
めんけぇわらしが 店に入って来たど。そして、
「酒1升おくれ。銭コは後でも吉が払うで」と、酒を買っていった
キツネにつままれた心地の 茂吉は黙って店を出たども
家に帰って見ると 赤ぇハッピの裾は濡れているし
猫の姿も見えなかったど。
さて、次の日の夜 茂吉は床に入って寝たふりをこいでいたど。
すると、真夜中近く猫が起きだして そろそろと赤いハッピに
前足をかけるでねぇか。
「やっぱり、おめえだな。この酒ドロボウ!」茂吉は怒鳴るなり
手にしたキセルを思いっきり投げつけた。
「ぎゃっ!」猫は一間も飛びあがると 外へ逃げ出した。
茂吉は 夜道を どごまでも追いかけたど。しばらくすると
あちらこちらから 赤い火 青い火が集まって来て
踊るやら、はねるやら大騒ぎなわけだ。おっかなぐなったども
ものかげから良く見ると、赤や青の火に見えたのは、
猫の目であった。なんと たくさんの猫が集まって騒いでいたのだ
そのうち「茂吉の猫、酒コ持ってきたが。酒コ飲んで笛吹いてけろ」と一匹の猫がいうと、
「おれ、おやじにたたかれて、酒コもね。笛も吹かれね。」って
茂吉の猫が、こたえて 前歯の欠けた血だらけの口を開いて見せだど。
「なんとこれだば ひでぇ。飲んだくれの茂吉だば許しておけね」
「茂吉の猫。おめ、あした 茂吉の飯の上をぽんと飛べ。
その飯を食えば茂吉は 明日死ぬべし」
次の朝 茂吉が飯を食おうとすると、猫がお膳の上をぽんと
飛んだと。茂吉はゆうべの話を聞いていたもの。
この飯を食わなかったと。それからというもの、阿仁の小沢村では
猫のまたいだ飯は 食わねぐなったんだとさ。
とっぴんぱらりのぷう(旧北秋田郡に伝わる民話)
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昨日・こちらの開花が発表されました~🌸
今年の開花は早いかなぁと思っていましたが、例年と1日しか変わらずです。
数年前に福島の滝桜を見に行きました。その時色々🌸巡りをして
出会ったのが、画像の地蔵桜でした。名前の通り幹の根もとに お地蔵様がいました。
色も濃く本当にきれいな枝垂れ桜でした。もう一度会いたいなぁと思っています。