昔 ある若者が一旗あげるべと、都に向かっていた。
途中 1軒家の大きなまんじゅう屋があって、「ここの婿になりたいものは、中で待て」と
いう張り紙が出ている。夕暮れどきだったが若者は家に入ってみた。
青い顔の女が出て来て、座敷に通されたが、それっきり娘もやって来ない。
「おめぇ まんじゅう屋の惣領か」と聞く。若者は薄気味悪く思ったが
たいした度胸が座っていたから「そうとも、そうとも」と力強くこたえたと。
すると女は、シクシク泣きだして、
「私は、この間生まれたばかりの、赤ん坊を死なせてしまいわすれられません。
なんとかいまから墓場に行って、赤ん坊の骨箱を取り返してきてください」と
頼むではないか。そこで若者は暗い夜道を、墓まで歩き、骨箱を掘りだして来た。
女はそれを受け取ると、ふたを開けて骨こをとりだした。そしてポリっと欠いて
「これ召し上がれ」 若者は青ざめる思い出あったが、落ち着いて「そんなものいらね」と
言った。「さようかぁ」女はニタニタ笑ったと。
そうこうするうちに、夜が明けてきた。気が付くと女はいなくなり
きれいな娘が入ってきた。続いてその母さんらしい人が現れて
「先ほどは どうも失礼しました。実は・・・」と 話しだした。
この家では、度胸のある婿を探していたんだと。母さんが青い顔の女になり
氷砂糖を骨にして、来る人を試していたんだと。
朝まで逃げなかったのは、この若者が初めてだった。
若者はここの婿になり店は更に繁盛。親方衆(金持ち)になって幸せにくらしたとさ。
とっぴんぱらりのぷう 横手地方に伝わる民話です。
(楽しく読んで頂ければ幸いです) ブログ282日目です。
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