仕事で遅くなった時に市販の、お惣菜を買って食べる事が、たま~にある。
先日も、そんな状態になって近所のスーパーで鯖の味噌煮を買ってきた。
夕食を食べ終わり、ぼーっと座っていたのだが、どうも変だと首をひねった。
何か物足らない。
量の問題ではなく、味付けも甘めではあったが、それなりに美味しく食べた。
ふと皿を眺めた時にはハッと気が付いた。その鯖の切り身には、骨が全くなかったのである。
最近は家庭で魚を食べる人が少なくなったとニュースで報じられているのは知っていた。
「生臭い」「骨を取るのを面倒くさがり、子供が食べないので食卓に出す機会がない」というのが理由らしい。
親も、もし喉に骨が刺さったら困ると消極的だ。
売る側は少しでも魚を食べてもらいたいので、魚の切り身から骨を取り除いて販売する業者もいるという。
ふんふんと聞き流していたのだが、偶然、私が買った鯖が、その「骨なし」だったというわけだ。
私は昭和20年代の生まれで京都から離れたことがない。
子供の頃は肉よりも魚のほうが頻繁に食卓にのぼっていた。
骨を取るのが面倒くさいと感じた覚えもない。
このおかずが嫌いと言ったら「じゃあ、あんたの食べるものは無い」と取り上げられるのがわかっていたからである。
イワシの時は「頭から骨まで食べろ」と言われアジの干物や鯖の味噌煮の時は、必ず「骨をちゃんと取るように」と言われた。
そして、食べ終わると「ここは、まだ身がついていてもったいない。こうやって食べればいいのだから」と教わったりもした。
それでも喉に骨がひっかかって、あたふたしたが、そういう痛い思いもして自然に魚の食べ方を覚えていったのだと思う。
つづく
シミ、シワ、タルミ専門店
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