「まつげ2」
友達とはありがたいものだ。
体の中で自慢できるところがないと言いはった私に
「どんなひどい人でも必ずひとつくらいは自慢できるものがあるはずだ」
と言いながら彼女達は視線を私の足の方から、
ずっと頭のほうに動かしていった。
私もそっと彼女達の目の動きを追っていたが、
どこにも視線が止まる気配がないので、ちょっとガックリした。
「あっ、あった。これはすごい」B子が私の顔を見ながら言った。
「えっ、なに?なに?」私とA子が身を乗り出すと、
彼女は私の目元を指さしながら、
ひとこと「下まつげが長い!!」と言い切った。
二人と比較してみると、私のほうが、なるほど長い。
しかし下まつげなんて、本来、どうだっていいものじゃないんだろうか?
下まつげなんか長くなくていいから、
そのぶん、上まつげがもっと長い方がずっとよかった。
「すごい、すごい」と友達は褒めてくれたが、
褒めてもらえばもらうほど、
嬉しいような困ったような、情けないような・・・・複雑な気分であった。
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