6月になりました。植木鉢にでんでんむしを見つけましたよ。
美智子さまの愛読書だった新美南吉の「でんでんむしのかなしみ」というお話、思い出しました。以下、あらすじ。
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自分の背負ったからの中に、悲しみがいっぱい詰まっていることに気づいたでんでんむしは、お友達のところに行って、からの中が悲しみがいっぱいで、自分はもう生きてゆけないと嘆くのです。ところがお友達も皆、それぞれの自分の背中の殻に悲しみをせおっていることを知り、でんでんむしは気付きました。
かなしみは、だれでも もって いるのだ。わたしばかりではないのだ。わたしは、わたしの かなしみを、こらえて いかなきゃ ならない。
でんでんむしは嘆くことをやめました。
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そういえば、でんでんむしの動いた後の筋、涙みたいに光っていますよね。
南吉は、しとしと涙雨の降るような日に、そっと姿を現すでんでんむしに、悲しみの姿を見たのかもしれません。
「ごんぎつね」に代表される新美南吉の童話は、人の情のやさしさ、切なさをしみじみと書いたものが多いです。私は、個人的には、南吉のことをアンデルセンに匹敵する日本の童話作家だと思っているんですよ。
この写真は、以前、道端で、拾ったかたつむりの殻。
すっかりきれいな殻だけになって、誰かに食べられてしまったのかな?
悲しみも、体と一緒に殻から抜けて、お空に消えていったかな。
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