福毛兄、友人の母をほめる。

かねてより、福毛兄のある友達のお母さんはとても若くてかわいい、と福毛兄に言っていた。
フジテレビのウッチーと呼ばれている内田アナのようだ。
福毛兄は友達は「オバハン」と言っていたと、私の話を話半分で聞いていた。

しかし、ついに昨日、その子の母を見たようだ。
家に帰ってきて、「若いお母さんやった。きれいやった。お姉さんにしか見えなかった」
と褒めちぎる。
私も「そうやろ。お母さんの言っていたことに間違いはなかったやろ」と胸を張る。
「うんうん」とうなずく福毛兄。

それから何回も「きれいやったな。若かったな。」と私の前で言う。
さすがに私もちょっと気分を害してきた。
だけどそんなこと悟られないように、平気な顔でいる。

昔から「お母さんかわいいね。お母さんが一番きれいやよ」と言っていたのに…
ちょっとプーーーッとふくれてみようか。
きっと福毛兄はあわてて言うでしょう。
「だけどね、やっぱりお母さんが一番きれいやで」って。

口先だけの裃。巧言令色少なし仁。これは福毛兄のためにだけあるようなことわざだ。