嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

幻想痛

2007年09月09日 05時27分01秒 | 駄文(詩とは呼べない)
痛み。
いわゆる心の痛みという
ある種あいまいな、複雑で単純な痛み。

だけどいくつかの手がかりはあるんじゃないかと思う
幻股痛という失われた手足の痛み、
失った家族の痛み、
世界そのものの儚さによる痛み、
これは記憶の痛みじゃないのかな?
もし、家族を失った事そのものを完全に忘れる事ができるなら、
その幽霊の語りかけも、嘆きも、
今の自分には伝わらなくなってしまうと思う。
悲しいことだけれど。

もし、
失った家族と同じくらい大事なものを、
この世界に見つけることができたら、
そしてその大事なものを守り通す事ができたのなら、
その痛みは解消されていくんだろう。

けれど、恋心はどうだろう
自分と同じくらい大事なものを、
あるときは自分より大事かもしれないものを、
その切実に大事なものを失ったら、
それは代わりに何を失えば、
代わりに何を守り通せば、
その痛覚そのものの、
源泉からの嘆きを解消できるのだろう。

そしてまた、解消とは消失に近いものだから、
それは喪失を望んでいるときにしか、
目指されることもないのだろう。

失われたものは
他者だろうか
愛だろうか
決意だろうか
記憶だろうか
自分だろうか。

僕はそれらを世界と呼ぶ。
世界とセカイを天秤にかけて
僕はこの世界が失われることを
僕は君らのセカイが失われる事を、
望み続ける悪魔のようだ。

だけど自殺は、むしろ君たちのセカイよりも
君たちの世界を守るだろう

僕のセカイを僕を含めて自殺させる行為は、
君たちのセカイを壊して世界を守る。

それは使命や約束に似ていても、
うまく考えられないほど恐ろしい行為だ。

それらを死命と呼んだまま
僕の記憶は閉ざされる。

これは幻想痛だよ。
痛いのは、言葉の方ですか?
言葉の向こう側に見える、
記号のパターンの方ですか?

それとも、生きているはずの、
生きていると思いこんでいる君の記憶ですか?

幻想痛、伝わることのない想い。
生まれる前に壊された世界、

まるで死んでいく君の妄想的アイディアのようだね。
アイディアとイデアが繋がる理想の火を、
僕は透明な棺桶の中で待っているよ。

消えかけた、僕らのあしたのために。

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