どうでもいいようなことだけをして、無為に時間を過ごしている。
眼が見えなくなってきてから、ずいぶんと時間が経ったような気がする
ついこないだのような気もするし、ついさっき、何かを忘れてしまったような感覚さえ、
するというのに。
働く気も起きず、学習する意欲も湧かず、人と話す事さえもだんだんと恐ろしいと感じるようになってくる。
特別な絶望感は無い
ただ、ときおり急に、なんだかなにもかもが空しくなることはある
腹の底から笑う事が、どんどん遠のいているような気がする
科学の左目を閉じると、ぼんやりとした色の雲だけが見える世界になる
それを見えているというのか、何も見えていないというのか、
それさえも、自信がなくなるほどに、たいしたものは、なにもみていない。
ただ、前よりも真実に近い景色のような、気はしている。
さみしさとぜつぼうはよく似ているけれど、
両者には、きっと途方もないほどの、ぜんまいのような、巻かれたような壁がある。
さみしさは、人を欲することそのものへの憧れにどっぷり陶酔するような
わずかな震え。
絶望に、そのようなあこがれは無い。
ただ、自分の未来を真っ黒に塗りつぶして遊ぶような、自分だけの暴力。
簡単に言えば、人を好きになる事ができない事に大きな問題があるのだとは思う
けれど、それは僕のせいなのだろうか
それは社会のせいなのだろうか
それは、セカイのせいなのだろうか
僕は、どれでもないと思う。
人を好きになる事は、求める者に降ってくる雪のような白さだと思うから
なにもかもを求めない者にとって、罪や罰は、なんの役にも立たない
それと同じように、犯人は、探したりしない。
誰のせいでもなく、ただ、誰もどこにも居ない。
夢を見るために今をやり過ごしている
台風が去る事を待っているはずなのに、僕には何の風も吹いてこない。
誰も僕の事を責めないし、誰も僕に暴力をふるわない
誰も僕に期待しないし、僕も僕に期待しない。
みじめな思いをすることもないし、特別な優越を感じることさえない。
僕の隣には誰も居ないし、僕は誰かを側に置こうとしない。
誰かがそこにいれば、それは僕にとって、歯がゆさや苦痛の種にしかならないと、
僕が既に知ってしまっていることを、僕が信じ続けるような、
矛盾した神様の誓い。
防壁や自閉の類だと、考えあぐねる事にも、なんだか馬鹿らしさを感じるようになってきた。
むしろ今の僕は、悩みを欲しいとすら思うだろう。
けれどそんなものは、僕にもう何の役にも立たないのではないか?
という衰弱さえ感じる。
つややかな曖昧さが降って、
僕は僕として覚醒する。
それは僕が僕の中に、僕の夢を見るということ
なにもない白いセカイで、ただ黒い夢を見るということ
おそろしく安心する僕だけが居て、
ただ誰も居ないことに矛盾を感じない僕だけがいるということ。
そんななにもない夢をみて、
まるで何かがあるかのような現実に向けて目を覚ます。
それがとても弱さに似ていて
まるで僕がなにもできないことを望んでいるような弱さに似ていて
ただどうしようもなく、
僕は約束の時を待つ。
古い呪文のようでいて、
自分にかけた呪いのようでいて、
意志のイメージによく似ている
僕がぼくであること、
それは、ぼくが何も必要でない事を、
世界にあてつける、現実という立脚の呪いに含まれる証明。
生まれる必要がない。
君たちのいる世界に、僕は不在を書き残す。
眼が見えなくなってきてから、ずいぶんと時間が経ったような気がする
ついこないだのような気もするし、ついさっき、何かを忘れてしまったような感覚さえ、
するというのに。
働く気も起きず、学習する意欲も湧かず、人と話す事さえもだんだんと恐ろしいと感じるようになってくる。
特別な絶望感は無い
ただ、ときおり急に、なんだかなにもかもが空しくなることはある
腹の底から笑う事が、どんどん遠のいているような気がする
科学の左目を閉じると、ぼんやりとした色の雲だけが見える世界になる
それを見えているというのか、何も見えていないというのか、
それさえも、自信がなくなるほどに、たいしたものは、なにもみていない。
ただ、前よりも真実に近い景色のような、気はしている。
さみしさとぜつぼうはよく似ているけれど、
両者には、きっと途方もないほどの、ぜんまいのような、巻かれたような壁がある。
さみしさは、人を欲することそのものへの憧れにどっぷり陶酔するような
わずかな震え。
絶望に、そのようなあこがれは無い。
ただ、自分の未来を真っ黒に塗りつぶして遊ぶような、自分だけの暴力。
簡単に言えば、人を好きになる事ができない事に大きな問題があるのだとは思う
けれど、それは僕のせいなのだろうか
それは社会のせいなのだろうか
それは、セカイのせいなのだろうか
僕は、どれでもないと思う。
人を好きになる事は、求める者に降ってくる雪のような白さだと思うから
なにもかもを求めない者にとって、罪や罰は、なんの役にも立たない
それと同じように、犯人は、探したりしない。
誰のせいでもなく、ただ、誰もどこにも居ない。
夢を見るために今をやり過ごしている
台風が去る事を待っているはずなのに、僕には何の風も吹いてこない。
誰も僕の事を責めないし、誰も僕に暴力をふるわない
誰も僕に期待しないし、僕も僕に期待しない。
みじめな思いをすることもないし、特別な優越を感じることさえない。
僕の隣には誰も居ないし、僕は誰かを側に置こうとしない。
誰かがそこにいれば、それは僕にとって、歯がゆさや苦痛の種にしかならないと、
僕が既に知ってしまっていることを、僕が信じ続けるような、
矛盾した神様の誓い。
防壁や自閉の類だと、考えあぐねる事にも、なんだか馬鹿らしさを感じるようになってきた。
むしろ今の僕は、悩みを欲しいとすら思うだろう。
けれどそんなものは、僕にもう何の役にも立たないのではないか?
という衰弱さえ感じる。
つややかな曖昧さが降って、
僕は僕として覚醒する。
それは僕が僕の中に、僕の夢を見るということ
なにもない白いセカイで、ただ黒い夢を見るということ
おそろしく安心する僕だけが居て、
ただ誰も居ないことに矛盾を感じない僕だけがいるということ。
そんななにもない夢をみて、
まるで何かがあるかのような現実に向けて目を覚ます。
それがとても弱さに似ていて
まるで僕がなにもできないことを望んでいるような弱さに似ていて
ただどうしようもなく、
僕は約束の時を待つ。
古い呪文のようでいて、
自分にかけた呪いのようでいて、
意志のイメージによく似ている
僕がぼくであること、
それは、ぼくが何も必要でない事を、
世界にあてつける、現実という立脚の呪いに含まれる証明。
生まれる必要がない。
君たちのいる世界に、僕は不在を書き残す。