最近は利用者の減少による経営悪化により、地方公共団体による公営バスが少なくなりましたが、私が生まれ育った伊丹には、まだ伊丹市交通局による市営バスが走っております!
そこで今日は、伊丹市営バスのことを書きます。
太平洋戦争終了後の伊丹市では、公共交通機関が市の東端を走る国鉄(現JR)福知山線と市の南部に乗り入れる阪急伊丹線だけという不便な状況でした。
そこで、市民の不便を解消すべく、市がバス事業に乗り出すことになりましたが、当時はまだ国産のバスがなく、木炭車も危険という理由で、運輸省は新規事業としては許可しない方針でした。
こんな状況のなか、伊丹市内にある三菱電機伊丹製作所が時速30kmで走る電気バスを試作していることがわかり、この電気バスを4台購入して、1949(昭和24)年1月5日に営業を開始しました。
営業開始当初の営業区間は、阪急伊丹駅から昆陽里、荒牧、緑ヶ丘を経由して同駅に戻る延長16kmの1系統だけでした。
しかし、伊丹市は市域が狭く、特に北部や西部からは鉄道の便が悪いため、その後は続々と免許申請を行い、現在では、わずか25平方キロメートルの市域を44の運行系統、総延長78.7kmの路線が網の目のように張りめぐらされて、市民の貴重な交通手段になってます。
(車両について)
一般的に公営バスでは、国内メーカー各社を営業所ごとに割り当てるか、入札で年度ごとに購入車種を決めるため、事業者全体で特定メーカーのみに統一されることはほとんどないが、伊丹市交通局の場合は、原則としていすゞ自動車製のみに揃えています。
塗装は、白色とダークグリーンのツートンカラーで、ノンステップバスを導入してからは、オレンジを入れるようになりました。
バスの保有台数は、88両です。
(運賃について)
運賃は乗車距離にかかわらず、1回の乗車につき、大人210円、小人110円です。
また関西地区のバス事業者のほとんどは、均一運賃であっても「後乗り前降り、運賃後払い」方式を採用していますが、伊丹市営バスは関西地区では珍しい「前乗り後降り、運賃先払い」方式を採用しています。
(沿 革)
・1949(昭和24)年1月5日:電気バス4両で運行開始
・1952(昭和27)年1月:観光バス事業をスタートし、貸切バスの運行開始
・1965(昭和40)年11月:大阪空港線の運行開始
・1967(昭和42)年9月:ワンマンバスの運航開始
・1979(昭和54)年10月:路線バスのワンマン化100%達成
・1991(平成3)年4月:貸切バス事業12両から2両体制へ
・1993(平成5)年1月8日:料金改定(160円から180円へ)
・1995(平成7)年6月17日:料金改定(180円から200円へ)
・2003(平成15)年8月18日:JR中山寺駅への乗り入れを開始
・2006(平成18)年1月:貸切バス事業を廃止
(JR中山寺駅前で発車を待つ伊丹市営バス)
ところで話題は変わりますが、今日は歌手の中島みゆきの誕生日(63歳)です!