前回の記事に書いた旅の予定どおり、8月15日から17日にかけて、大文字焼きを見ることを目標に箱根旅行に行きました。
子供のころ夏になると、毎年のように家族旅行で行っていた箱根。
強羅に宿泊し、父母と一緒に大文字焼きを見たものでした。
最後に大文字焼きを見たのは中学生の時でした。高校生になると僕は家族と行動を共にすることがなくなってきたからです。
箱根自体は2008年から2011年にかけて、慰労を兼ねて何回か旅をしています。
2008年の箱根もも何十年ぶりだったのですが、今回の大文字焼きは、それ以上に昔懐かしい感じです。
今回、大文字焼きを見に行きたいと思ったのには、ある思いがありました。
実は今年の年明けに母が急に肺炎を起こし亡くなり、とうとう両親ともこの世にいなくなってしまいました。
そこで両親、特に母の供養の気持ちも込めて、子供のころ家族旅行でよく見た大文字焼きを見に行くことにしたのです。
だから何としても見たかったのです。
ところが15日も16日も雨。
天気予報では曇り・雨。でも小雨決行ということでしたから、少しは期待していました。
しかしながら、現地に到着すると小雨は小雨でも山に雲がかかっていて、これでは決行されても見えないんじゃないかという状態。
気分的にあきらめムードとなり、帰ろうとも思いました。
これが15日の朝の様子。
箱根登山ケーブルカー早雲山駅より大文字の山を眺望しようとしますが、どこにあるのかもわかりません。
ですが16日の朝のこと。
「せっかく来たのだから、ゆっくりしていきなさい。」
「雨でも、楽しんでいけばいいじゃないか。」
そのような声が心の中に聞こえた気がしました。
この声で「見ることができるだろうか。」「今回は帰って来年を待った方が良いだろうか」といった不安や迷いがなくなり、残ることにしました。
それは父や母のスピリチュアルな声だったのかもしれません。
これが16日の朝の状態。
雲がこれくらいなら何とか見れるかも・・・と期待はしたのですが、開始時間が近づくと雲は厚くなり再び雨が降ってきたのです。
大文字焼きは小雨の中、決行されました。
このような天候の中、点火も難航していました。
強羅の会場では、向かいの大文字の山と無線でつながり、その交信の様子が放送されています。
花火が打ち上げられ始め、山からは
「(大文字も)もう点火しています。よく燃えています。」
と声が入っても、雲のために強羅からは見えないではありませんか・・・!
花火は打ち上げられ始めましたが、大の字は見えません・・・!
見えずに終わってしまうのだろうかと不安がよぎりました。
そんな状況の中、かすかに見え始めた「大」の文字!
そして雲で決して鮮明ではありませんが、次第にはっきりと見えてきました。
雲でぼやけていますが、大の字が見えてきました!
「大」の文字が見えたのは、わずかな間でしたが写真も撮ることができました。
曇っていて鮮明ではありませんが、僕にとっては大事な写真です。
曇ってはいますが、より鮮明に見えるようになりました!
目標を達成することができ、胸がいっぱいになりました。
冒頭に書いた気持ちで臨んだ何十年ぶりの箱根の大文字焼き。
雨の中でしたが、やってくれて本当に良かったという気持ちです。
運営サイドのみなさん、この雨の中、よく決断し決行してくれたと思います。
また来年、大文字焼きを見に行きたいと思います。
子供のころ、よく家族旅行で見た箱根の大文字焼き。
両親の供養のためにも、これからは毎年見に行きたいです。
また来年まで、さようなら。
・・・今回の箱根旅、その他の話は後日連載していきたいと思います。