引き潮のときにしか現れない砂の道を通って、無人島知林ヶ島まで渡っていく。
これが今回の旅の一番の目的です。
初めて指宿を訪れた2012年の5月は、そんな島があることを知らずに旅をしたため、
島に渡っていく時間がありませんでした。
この旅の時にIさんから知林ヶ島の話を聞き、次は知林ヶ島に渡島するのを目的に
指宿を旅しようと決めたのです。
そこで10月に2度目の指宿への旅を計画。
しかしながら夏の台風で砂の道が流されてしまっているということで、島を渡ること
ができまでんでした。
今回も昨日から降ったり止んだりしている雨が、少し残っていて危うい感じもします。
ですが、そうした安全性を確認し渡島の可否を決定する指宿観光協会によるとOKが出て
いるという話。
現地につくころには、日差しが出てきて、雨もすっかり止みました。
砂の道も前回のときと比べしっかり出ていて、その比較がこの写真です。↓↓↓
●2012年の10月は、台風で砂の道が流されてしまっていて渡島することができません
でした。
●今回2013年5月は、砂の道がしっかり形成されていました。
普通砂浜を歩くときは片側だけが海ですが、両側が海という砂の道を歩くのは、たいへん
変わった感じがしました。
他の渡島者も見られる中、砂の道をゆっくり歩いて約30分で渡ることができました。
渡りきったところには受付が設置されており、そこで注意点を聞きました。
潮が満ちてくると砂の道が消えてしまい、この無人島に取り残されることになるからです。
また、砂の道を渡っている最中に潮が満ちてくると、死亡事故にもつながります。
●知林ヶ島から砂の道と魚見岳を眺望
●よく見ると砂の道の両側の波の動きがちがうのがわかります。
●島に設置されている知林ヶ島マップ
説明を聞き、島一周を開始。
島は遊歩道が整備され、開聞岳のような悪路とはちがいました。
私の見たことのある植物、見たことのない植物と色々な植物が生育し、ウグイスの
声が聞かれました。
●知林ヶ島の横にある小さな島、小島を知林ヶ島より眺望。流星のような形です。
島はゆっくり歩いて1時間半で1周できましたが、乗り物等の人工音の一切ない緑の中を
歩くのは、ととても落ち着きます。
帰り道も波の音を聞きながら砂の道を渡りますが、こうした自然とふれあう時間をもつ
のは、本当に大切なことだと思いました。
●こういう時間って、とても大切です。
陸上に着くと「誓いの丘」と名づけられたパネルが設置されているのに気がつきました。
Iさんからの話でも聞いていましたが、知林ヶ島は鹿児島湾の出入り口少し内側に位置
します。
湾の内側には霧島山系を中心とした川の水が注いで海流となり、外側からは東シナ海から
の黒潮が流入してきます。この二つの潮がちょうど知林ヶ島のところで出会い、それぞれ
の海流が運んできた砂が海底に積もって砂の道ができます。
さらに月の引力で潮の満ち引きが起こりますが、この砂の道は、引き潮の時にしか姿を
現さないのです。
このように砂の道は、いくつかの自然現象が重なってできたもので、引き潮のたびに現
れるとき、決して同じ形をしていることはないといいます。
●「誓いの丘」と書かれたパネルに意味の深いことが書かれてありました。
私たち一人ひとりが生きているのもまた、いろいろなご縁があってのこと。
私の旅も同じことがいえ、偶然ともいえる出会いが重なって一つの旅が始まり、つくられ
ていくということがあります。
私たちが生きているという奇跡。こうした縁を大切にしていかなくてはいけないなぁと
思うのでした。