文政権に〝一斉報復〟開始か 与党系大物と家族が血祭りに…娘の大学院入学取り消し「人生を破壊する死刑宣告」 背景に韓国独特の検察体制も
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の政権与党「共に民主党」側の大物や家族が血祭りに上げられている。
曺国(チョ・グク)元法相の娘の大学院入学が取り消され、大統領選で敗れた李在明(イ・ジェミョン)前京畿道(キョンギド)知事の妻は捜査対象となった。
5月の政権交代を前に、「一斉報復」が始まったのか。
「これでご満足いただけたか」
悲痛な叫びをフェイスブックに投稿したのは曺元法相。
ここにきて、娘が名門の釜山大大学院と高麗大大学院の入学を取り消されたとして、尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領に問いかけた。
「(娘にとって)人生を破壊する死刑宣告と何ら変わりません」とも訴えた曺氏は、検察改革を掲げて2019年9月に法相に任命され、当時検事総長だった尹氏と対立関係にあった。
曺氏は妻の私文書偽造容疑や不正投資疑惑で法相の座を追われ、検事総長を辞任した尹氏は次期大統領と、その後の立場は大きく変わった。
大統領選で尹氏と激しく争った李氏の妻、金恵景(キム・ヘギョン)氏にも疑惑の目は向けられている。
李氏が京畿道知事を務めていた当時、金氏が公務用クレジットカードを私的流用していたとして、4日に京畿南部警察庁が京畿道庁を家宅捜索したのだ。
当時の道職員に料理の配達など私的な雑用をさせていた疑いもあるという。
聯合ニュースは、警察当局が李氏を出頭させる可能性があるとも報じる。
李氏自身にも都市事業の開発をめぐる疑惑がくすぶっており、今後、厳しい立場に立たされそうだ。
退任を控えた文大統領には、不正な土地投機疑惑や市長選介入疑惑があるほか、妻の金正淑(キム・ジョンスク)には、衣装代が特殊活動費で購入された疑惑で国民の反発が強まっている。
文氏の退任直前でのこうした動きについて、龍谷大の李相哲教授は「尹氏の指示ではなく、権力に寄り添う姿勢をみせる検察などが積極的になっているのだろう。
韓国独特の検察の体制に大きな問題があるが、今後、風(世論)を読んだ上で文氏や李氏を追い込むのではないか」と指摘した。