気になること

視点を変えて、近頃気になること

無料塾と地域ボランティア(7) タテ割り行政と総合調整機能

2015-04-12 14:29:45 | 地域ボランティア
 富士見町が無料塾の参考にした、大分県豊後高田市の「学びの21世紀塾」は幼児から中学生まで、学習サポータのほか、スポーツ、文化まで幅広く支援ボランティアを集めている。私の諏訪市でも、個々には類似の地域ボランティアが数多く存在するが、体系立っていないと感じる。タテ割り行政を見る思いがする。
 豊後高田市のように、歴史的に存続してきたであろう種々のボランティアを束ねて、子どもの発達段階に応じた総合計画を立てることは、子どもの成長に応じて、いつ何をすべきかという意識付けがしっかりすると考えられる。
 同様の取り組みは各地で試みられているが、三重県東員町の「マイナス1歳(胎児)からの16年一貫教育」というフレーズは雄大に感じる。内容について、もっと知りたいと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無料塾と地域ボランティア(6) 野本三吉氏の記述からの連想

2015-04-07 15:17:06 | 地域ボランティア
 野本三吉著『風になれ!子どもたち(児童ケースワーカー・十年の記録から)』の記述から、連想したことです。
(1)p.209 「学童保育所は従来、工作や卓球、ビデオ、紙芝居、トランプなどで、勉強という本題には余り取り組んでこなかった(勉強は学校でやる)。ここで学生ボランティアも頼み、6年生に勉強会を開始した。子どもたちは学校でやっているような一斉授業を嫌がり、一対一の学習になった。漢字をやる子、算数をやる子、足し算の子とバラエティに富んだカリキュラムとなった。」
 私の参加した無料塾は講師の数が少ないので、どうしても一斉授業が多くなる。なかには一対一のケースもあった。数学基礎で自分の計画の所をやってよいとした場合、生徒の頭の中では学校の宿題のことが気になっているので、決められた科目の宿題相当のところを、講師の目の前でやるようになったこともある。
(2)p.217「(生活環境が恵まれない子どもに)小学校・児童相談所・保健所・民生委員・学童保育所・ボランティアが連携して対処してきた。今や、子どもは一組の親だけで育てることはできない。」
 地域のおとなや関係者がどの子にも目を配り、やさしくみまもっていくことは、学校支援ボランティアにも共通の理念であろう。
(3)p.239「児童相談所での仕事を通して、個別な対応も大切だが、その根本にある地域、生活圏がどうよみがえるか、そこのところが変わらなければ、無限に続くこの悲しみ(安心できる場でなくなってきた家庭があること、両親も社会の変化の中で苦しんでおり、自分たちの生活で精一杯という現実)は変わっていかない、という思いが強くなってきた。」
 地域、生活圏がどうよみがえるか、が課題と思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無料塾と地域ボランティア(5) 子どもと地域ボランティア 

2015-04-04 17:09:13 | 地域ボランティア
 生涯学習と学校教育の融合のため、地域が学校を支えることを目的に、文部科学省が展開している「学校支援地域本部」や「コミュニティ・スクール」に、幾つもの小中学校が参加している。地域ボランティアが、学習支援、読み聞かせ、ものづくり、田畑づくり、安全の見守り、社会体験などに協力している。無料塾はこの体系とは異なるが、学習支援に特化した地域ボランティアといえよう。
 学校支援ボランティアは、平成13年、学校教育法に「社会奉仕体験活動」が導入されてからであるという。
 田舎なので、かつて地域は農業組合等で繋がっていた。子どもは家の野良仕事などを手伝い、その意味では家庭や地域が学習支援以外の子育て支援をしていた。これが最近は、地域ボランティアの形で子どもに接するようになった。地域の力はどのようになっているか注意していきたい。
 ボランティアコーディネータが地域にボランティアを発掘する形なので、地域活性化の一翼を担う意味で重要な位置づけであると思う。地味であるだけに、ボトムアップの力ぐあいによって、地域差が大きくなっていくものと想像される。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無料塾と地域ボランティア(4) 無料ということ 

2015-04-02 12:25:17 | 地域ボランティア
 無料塾に途中から来なくなる生徒もいることから、「無料なら誰でも利用したくなるはず」とは言えないかもしれない。色々な原因があるとは思われるが、ここでは損得感情のみを考えてみる。
 最近、「地域消費喚起・生活支援型交付金」による「プレミアム付き商品券」の発行が、報道されている。商品券を予め買うので、使わなければ損をする。これが商品券によらず、商店に行って欲しい商品を買ったときに割引をしてくれるのであっても、買えば、得をした金額は同じである。しかし商品券によらない場合は、得とは思っても、気分によって必ずしも買い物をしない人もある。人間は、得をするよりも損をする方が深刻に感じるものと言われるので、前払いで商品券を買ったまま使わないでしまう方が苦痛が大きい。
 無料塾は、商品券によらない場合に類似している所があるような気がする。無料塾に行こうと思い立った時に幾らかでも受講料を納めれば、受講料(商品券)を使わないことは損をするという心理が働き、途中から塾を欠席することが減るとも考えられる。
 しかし大学での話だが、「休講」があると喜ぶ学生がいるというので、ことは複雑である。
幾らかでも受講料を取ると、「無料」ということばが使えなくなるという人もいる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無料塾と地域ボランティア(3)  生徒が勉強を好きになるためには? 

2015-03-29 14:04:08 | 地域ボランティア
 「無料塾なら参加しなければ損」と誰でも考えると思い勝ちだが、途中で来なくなる生徒もいることから、そのインセンティブは生徒により異なると考えられる。そんなことから、勉強を好きになってもらうにはどうしたらよいかと考えるようになった。
1.学習への動機付け(櫻井茂男ほか著『子どものこころ』p.129)
 <自律性の程度による動機づけの分類>
  (イ)無動機づけ(無気力)…学習したいと思わない
  (ロ)外発的動機づけ
    ①外的……・お母さんに言われるから、・やらないと叱られるから
    ②取り入れ的…・やらなければならないから、・恥をかきたくないから、・バカにされたくないから
    ③同一化的…・自分にとって重要だから、・将来のために必要だから
    ④統合的…・やりたいと思うから、・学ぶことが自分の価値観と一致しているから
  (ハ)内発的動機づけ
    ①内発的…・面白いから、・楽しいから、・興味があるから、・好きだから
  中学生には、(ロ)③同一化的調整と、(ハ)内発的動機づけ が適応的であるという。

2.外発的動機づけの同一化的調整
  この動機付け方法はどんなことがあるか考えたが、ダン・アリュリー著『行動経済学』にある次のこともその一つではないか。
 (イ)市場規範……金銭などの報酬
 (ロ)社会規範……社会全体が気に掛けている目標とのつながりを生徒・学校・親が示す。
   ① 社会的目標…貧困や犯罪の撲滅、人権の向上など
   ② 科学技術的な目標…省エネの増進、宇宙開発、ナノテクノロジーなど
   ③ 医学的な目標…がん、糖尿病、肥満の治療など

3.言われないと勉強できない生徒への外発的動機づけは?
 身の回りのことが親に言われないとできない、自分から勉強しないなどの生活課題がある場合、どう改善するか。(出典:各種情報の孫引き)
   ⇒①読書の習慣、②マンツーマン指導、③学科に興味を持てる所から入る。etc.

 何かに興味を持って、疑問を解決することは大きな喜びだと思うが、なかなか伝わらない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする