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地方自治の危機(追記49)長期記憶と短期記憶

2019-08-06 17:17:21 | 地方自治
 最近の天候はおかしい。初夏といっても極端な三寒四温、晴雨それぞれのインターバルの長さなど、地球温暖化とは決して無縁ではないと確信する。

 先日の季節外れの雷雨では、多分、雷サージ電圧のために、待機電力にしてあったテレビと外付けハードディスクの電源が切れたまま電源が入らなくなってしまった。電子機器に電気を入れたまま、信号端子などを無警戒に抜き差しすると、異常電流が回路を壊すことがあることは知っていたが、まさか自分が被災するとは思わなかった。
 損傷した機器は、地球にお詫びをしつつ買い替えすればよいとしても、ハードディスクに取り貯めた録画を失うことは気分が悪い。連ドラ記録すると直ぐ沢山の録画が貯まるが、その中でも気に入ったものを半永久保存版としてとっておいた。
 認知症になると長期記憶は残るが短期記憶は失われるというが、録画喪失は長期記憶を失った悲しみに近い。

 最近、悲惨な事故や犯罪が多い。「いじめ対策」や「児童相談所の対応不備問題」など同じことが繰り返され、その度に「再発防止」が叫ばれる。マスコミの取り上げ方も、例えば高齢者の交通事故が起これば、その直後だけ集中的に類似事故を取り上げるが、少し経つと報道順位が下がってしまう。他人のことでもわが身に引き寄せれば大事なことなのに、これらの超「短期記憶」でさえ我々は忘れ、一億総認知症の体である。

 今度の参議院選挙が始まった頃、テレビで党首討論を見た。「対話」でなく「ディベート」なので止むを得ない点もあるが、お互いに相手を傾聴(短期記憶)しないばかりか、かみ合わない事を喋る。即ち、都合の悪いことには答えないで、類似の少しずれた主張をして、相手を煙に巻く。

 私も若いころ、意見発表の場で準備していたことを忘れて何も言えなくなったことがあり、これをトラウマのように思い出すことがあるが、その後の人生での学習によれば、関係ないことでも何かをしゃべればよかったのである。政治家の発言は世渡りの参考になる。

 以前NHKに、例えば「マインドマップ」のように意見を図解して、それを見ながら意見を出し合うようにしたらどうか具申したことがある。図解を見ながら喋れば少しは相手を理解して文脈が繋がるのではないかと思う。しかし例によって返事はなく、相変わらず定例企画として、LIVE番組でも大過なく時間内に収めている。

 地方自治体も同じで、市民の声を「傾聴」しなくても沈黙することで、表面上大過なく時は過ぎていく。そして職員は退職時に、「大過なく過ごした事に感謝する」と述べる。これが最高の挨拶であるとでも言うように。

 「傾聴モード」で対話をしないと、「短期記憶」にもならないことになる。
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