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視点を変えて、近頃気になること

地方自治の危機(追記51)イニシアティブということ

2019-10-04 20:39:57 | 地方自治
 地域に幾つも残っている各種伝統的団体は、ある程度順番で役員が回ってくる。そして、最初の顔合わせで、会長や会計という要職を決めるのだが、誰かが意を決して名乗りを上げるまでは、いつまでも沈黙の時間が過ぎる。どうしようもない時アミダくじで決める手もあるが、適職に当たらない場合は、会が存続の危機に陥る。

 広域にも各種団体があって、私もある団体の役員をしている。広域の場合は順番で役員と言うことはない。毎年の恒例行事を実行する際はそれほど役割分担の違和感はないが、少しでも新しいことをしようとすると、計画を事前にオーソライズして皆で分担して行動する必用がある点が難しい。このような時、発案者以外の人は一言も発声しない。正当な手順よりは、むしろ2~3人の同志で実行してしまってから、オーソライズすべき役員会では事後承認としてしまうのが手っ取り早い。

 これらのことは、富永京子著『みんなの「わがまま」入門』、p.35、「(グローバル化などにより)現代の私達は、たとえ継続的に時間と空間を他人と共有していたとしても、価値観を共有することまでは不可能な時代」という時代の変化の一例かもしれない。

 最近、地域の組長選挙の立候補者は一人づつしか立候補しなかったり、議員選挙も定数ぎりぎりである。既出参考文献のいう「わがまま」(=直ぐには共感されなくても、社会運動には必要なもの。「ふつう」が何か分からなくなった今、見えなくなった「わがまま」を言う人が悪く言われる場合もある。)を、勇気を持って言う人が少なくなったためであろうか。
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