朝日新聞(2016.12.31)の記事:「最高裁が民事裁判の判決を言い渡す際、『上告を棄却する』といった主文だけではなく、判決の理由を示した要旨を法廷で読み上げる取り組みを始めた。」
私が、過去の本ブログ(「地方自治の危機(1)」以下)で記した裁判の経験では、私の件で判決の日の法廷にいたのは、裁判所の人を除いて私だけなので何か間違えたのかと不安であった。裁判長は、書記官が次々に読み上げる数件の事件番号・事件名のあと全て「棄却する」という言葉のみを棒読みして終わりであった。すなわち当日の住民訴訟は全て住民側の敗訴で、法廷ではただ一言「棄却する」であった。しかも遠路はるばる出廷する必要はなかったのだ。
記事には更に、「民事裁判では、判決時に当事者や代理人に出席の必要がないこともあり、要旨の言い渡しは定められていない。主文だけを言い渡すのが慣例」とある。
後で文書で渡された判決書には判決理由も書いてあるが、質問が出来ない「文章」の形である。下級裁判所においても最高裁の試みのように、判決の理由を示した要旨を法廷で読み上げる取り組みが必要である。