海亀

浜辺を散歩しながら、ひとりごと...

紫野行きしめ野行き

2015年01月06日 | ブログ
今朝、NHKラジオで、紫染めに魅せられて、とかいう本の
話が出ていた中で、『紫野(しめの)行き標野(しめの)行き』
という額田女王の歌が引き合いに出されていたのです。



天智天皇と大海人皇子の間で揺れる心を歩きながら口ずさむ、
紫草の野を歩いている、そこは立ち入り禁止の標識がある場所、



“茜さす
 紫野行き
 しめ野行き
 野守は見ずや
 君が袖振る”

『茜の匂うような紫野を行き、標野を行きました。
 そうしたらあの方が遠くで袖をお振りになりました。
 森番が見ていないかと心配でした』

宴席のなかで、天智天皇も大海人皇子もいるなかで、
歌われた情景というのは、解釈がそうとう困難ですね。

天智天皇に対しての歌でありながら、大海人皇子への
愛が零れ落ちているようでもあります。



ところで、この歌を、紫の染色家は別の解釈で引き合いに出した
ように受け取れたのです。ちょいの間に言葉は過ぎてしまったので
はっきりとは認識できませんでしたが、
紫の色を染める前に、一度“あかね”に染める、ということを
言われたようなのです。

気になってしょうがないので、この本を申し込んできました。